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お店ラジオ 2022/06/29 2022/06/29

アイデアを磨くための秘訣’’100件覗き’’と目標出店数1,000店舗達成のための戦略とは

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「お店ラジオ」は、店舗経営にまつわるトークラジオ番組です。小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届けしています。この記事は、InterFM・FM大阪で毎週日曜日にお送りしている「お店ラジオ」で放送された内容を未公開放送分も含めて再編集したものです。

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今回のゲストは、大人気チェーンである大阪王将を中心に展開する株式会社イートアンドホールティングスの代表取締役CEOの文野直樹さんです。父から受け継いだ大阪王将をここまで拡大させてきた秘密はなんなのか。

「飲食店のビジネスモデルはすでに崩壊している」と断言するその真意とはなにか。これから飲食店を出す人に向けてのアドバイスやこれからの経営戦略まで、かなり掘り下げた内容をお届けします。

第一回は大阪王将の創業から現在に至るまでの経緯について、第二回は文野さんの経営戦略についてご紹介しました。最終回は飲食店をこれから始められる方へのアドバイスや、中国進出の展望についてお話しします。

 

この記事の目次

    1. 冷凍食品に、外食で培ったノウハウを活かす
    2. 冷凍餃子にタレ。盲点を突いたアイデアで大ブレイク
    3. 「月坪30万の法則」から物件の家賃を決めよう
    4. オープン直後にお値段以上の価値を提供する
    5. ストーリーや理由付けにこだわる
    6. 「100件覗き」でアイデアを磨く
    7. 10年前に失敗した中国進出のリベンジ
    8. コンセプトは「大阪の道頓堀」
    9. お店とは「アクセント」である

 

冷凍食品に、外食で培ったノウハウを活かす

僕たちは冷凍食品にも力を入れているのですが、冷凍食品として出している商品は、店舗で出しているものとは違います。冷凍食品の方が外食よりもはるかにシビアな基準があるので、クリアするためにはレシピから変える必要がありました。

そうして冷凍食品について色々と考えていると、あることに気がつきました。スーパーに並んでいる冷凍食品のパッケージって、あまり美味しそうじゃないんです。ここに外食で培った「美味しそうに見せる」ノウハウが活かせるのではないかと思いました。

そこで、我々はしずるワードを散りばめ、写真にもこだわっていくことでと、他とは違ったものすごく魅力的なパッケージを作ることができました。これは味の素さんのような超一流の企業でもできなかった技で、完全に外食のノウハウなんです。(大阪王将独自のネーミング戦略については#2に)

 

冷凍餃子にタレ。盲点を突いたアイデアで大ブレイク

また、冷凍餃子に関するブレイクスルーが、タレをつけたことです。実は当時、冷凍餃子にタレをつけている企業はどこにもなかったのです。当然、美味しく食べてもらうにはタレがあった方がいいですから、これが大ヒットしました。では味の素さんもタレをつければいい、となるのですがもうすでに何十億もかかっている工場で新たな工程を組み込むことが難しかったようです。

そうこうしているうちに、うちの餃子は水なし油なしで焼けるようになって、羽がつくようになって、蓋なしで焼けるようになり、どんどん進化していきました。こうして独自の餃子が作られていったのです。各メーカーさんとの切磋琢磨によってマーケットを底上げすることもできていて、市場もここ10年間で2.4倍になっています。冷凍食品はかなり順調だといっていいと思います。

「月坪30万の法則」から物件の家賃を決めよう

出店計画については、繁盛店が多いエリアを探すところから始まります。街を歩いて並んでいるお店を探したり、雑誌を見て見れば誰でも分かります。こういうエリアは競合も多いですが、やはり人の流れが多いところを選ぶのは大切です。

駅前で繁盛店があった時、売上を今までの経験から大体把握することができます。それが「月坪30万円の法則」です。繁盛店ならば坪当たりの売上が大体月30万円くらいになる、という目安です。ここから、繁盛店近辺ならば、そのポテンシャルがあると予想することができます。

家賃は売上に対して10%未満にするとうまくいくので、狙いを定めたエリアで坪あたり3万円以下の物件を探せばいい、ということです。もちろん、その後により詳しい調査も行います。

お店の売上は、半日も張り付いて入れば大体つかむことができます。坪当たり月30万円もいかなそうで、大体20万円ほどくらいなのであれば、坪あたり2万円以下の家賃の物件を探せばいいということになります材料費も人件費も相場は大体決まっているので、割のいい家賃の物件を探すことが飲食店経営の肝となるんです。だからここはこだわります。

 

オープン直後にお値段以上の価値を提供する

出店してからは、とにかくリピーターになってもらえるようにお値段以上の価値を提供することに集中します。普通は飲食店の商圏は半径300m程度で、よほどの引きがあるお店でない限りそれより外からお客さんがやってくることはありません。だから、この範囲のお客さんに何回も来てもらうしか、生き残る道はありません。

逆に言えば固定客を獲得して土着化すれば、何十年も続くお店になることができるかもしれません。そのためには、やはりオープン直後が勝負なのです。オープンして半年や一年くらいは興味関心で人はなんとなくやってくるのですが、そこでコストパフォーマンスが悪いと思われたらもう客足が戻ることはありません。

 

ストーリーや理由付けにこだわる

お値段以上の価値を提供するというのは、必ずしも原価率の高いメニューを提供するという意味ではありません。単に料理を出す以外にも、お店には「体験する」という価値がありますから、細部にこだわったりうまく企画を打ち出すことによって「お値段以上」の価値を感じてもらうことは十分できます

さらに言うと、飲食店に来てもらうためのストーリーや理由作りが重要になるんです。例えば、最近うちから出た企画で「くまちゃん温泉」というものがあります。クマの形をしたゼラチン質のものがしゃぶしゃぶ鍋の中に入っていて、見た目は完全に温泉に浸かっているクマです。これがしばらくするとだんだん溶けていって、出汁になるという仕組みです。

これがものすごくバズりまして、TikTokで300万回も再生され、お客さんが押し寄せてくる騒ぎになりました。

 

「100件覗き」でアイデアを磨く

でも、くまちゃん温泉も1から10まで全て自分たちで作ったかというとそうではなく、どこかからヒントをとってきて、それをブラッシュアップして作りました僕は「100件覗き」と呼んでいるのですが、いろんな繁盛店を100件くらい覗いて観察すれば、何かヒントが見えてくるはずです。

飲食店は後出しジャンケンがOKな業界です。100件覗きで掴み取ったヒントを使って繁盛店を超えるようなお店を作ることができれば、しばらくお客さんはきてくれると思います。しかし、奇抜な企画ばかりやっても仕方がありません。なんだかんだ言っても保守的なお客さんがほとんどなので、定番の上位10品くらいはあまり変えずにひたすら新鮮なものを提供することに集中するのも大切です。

 

10年前に失敗した中国進出のリベンジ

今後は中国にも展開していく予定です。実は10年前にも一度挑戦したのですが、その時はさまざまな要因によって失敗してしまいました。当時の反省としては、自分達のお金だけでやったことがあります。中国人と組むのは怖いと思っていたので、独自でやったんです。そのせいでポケットマネー程度のお金しか用意することができませんでした。

自分達なりに本気だったのですが、結果から見ると覚悟が足りなかったのだと思います。その後に進出していったサイゼリヤは自分達とは全く違うリソースのかけ方で乗り込んでいき、何百店舗も作ることができました。腹の据え方のレベルが違ったのだと思っています。

 

コンセプトは「大阪の道頓堀」

その時の反省を踏まえつつ、今回はコンセプトも一新してリベンジするつもりです。内容は、大阪ファンダイニングと言って、大阪の道頓堀をそのまま持っていくイメージのものを予定しています。メニューにはすき焼きや串カツ、お好み焼きやたこ焼きなどの大阪グルメを用意して、内装も道頓堀のような雰囲気を作っていきます。目標は中国で500店舗を出すことです。今僕たちは400店舗くらいあるのですが、中国を含めて1000店舗を突破することを目指しています。

 

お店とは「アクセント」である

僕にとってお店とは「アクセント」です。B級グルメであろうが高級料理であろうが、やはりお店は活力再生産の場になっていると思うんです。今はコロナで押さえつけられていますが、それでも人々が美味しいものを求める心までを押さえつけることはできません。どのような形態でもきちんと愛情があるお店は、人々に元気になれるようなアクセントを与えてくれています。そういう「人生の彩り」という価値を与えることが、お店の理想的な形だと思います。

 

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お店ラジオについて

執筆 真鍋 誠人

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