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お店ラジオ 2023/05/24 2024/03/14

アメリカより日本の店舗の方が大きい!? 文化に適した体験を提供するお店作り

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「お店ラジオ」は、店舗経営にまつわるトークラジオ番組です。小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届けしています。この記事は、InterFMで毎週日曜日にお送りしている「お店ラジオ」で放送された内容を未公開放送分も含めて再編集したものです。

今回のゲストは、“体験を売るお店” ブルーボトルコーヒーのストラテジック・ブランド・アドバイザーの井川さんです。

「コーヒーを食べ物として楽しみ、お客様に体験を売る」店づくりについてお送りします。
1回目は井川さんとブルーボトルコーヒーとの出会いから、日本第1号店オープンまでのお話でした。
2回目は出店場所の選び方や飲食店PRのコツについて伺いました。
3回目の今回は、「お客様にとって本当に魅力的なお店づくり」についてのお話です。

 

この記事の目次

  1. ブルーボトルコーヒーの名前の由来は1600年代の歴史から来ている!?
  2. 心地よい体験を提供するお店にするための店舗経営とは?
  3. 「男性と女性では目線の高さが違う」ユーザー目線を徹底理解したデザイン設計とは
  4. ブルーボトルコーヒーが考える「お客様を惹きつけるプロモーション」
  5. アメリカより日本の店舗の方が大きい!?文化の違いを理解した出店戦略とは?
  6. お店とは体験を提供する場所

 

ブルーボトルコーヒーの名前の由来は1600年代の歴史から来ている!?

ブルーボトルコーヒーの名前の由来についてお話ししたいと思います。

ホームページにも書いてありますが、『1600年代後半。中央・東ヨーロッパの大部分を占領していたトルコ軍が1683年にウィーンに到着しました。敵軍に囲まれて深刻な状況に陥っていたウィーンは、包囲網をくぐり抜けて近隣のポーランド軍にメッセージを送ることができる使者が必要でした。トルコ語とアラビア語を話すことができたフランツ・ゲオルグ・コルシツキーはトルコ軍のユニフォームを身にまとい、この任務を引き受けます。幾度もの危機を乗り越えて、コルシツキーは重大な任務を果たし、ポーランドに援軍を依頼することに成功しました。

その年の9月13日にトルコ軍は撃退され、持ち入れたものすべてを置いて逃げ去って行きました。その物資の中に豆の入った袋があり、その奇妙な見た目から、ラクダの餌だと思われていました。ただ、アラブ諸国に住んでいた経験のあるコルシツキーは、それがコーヒー豆だと知っていました。彼は褒美としてもらったお金でそのコーヒー豆を買い取り、中央ヨーロッパで初のコーヒーハウス「The Blue Bottle」を開業し、解放されたウィーンにカフェ文化をもたらしたのです。』

そのお店と「ブルーボトルコーヒー」とは直接の関係はないのですが、それがルーツだと言われています。

 

心地よい体験を提供するお店にするための店舗経営とは?

私は店舗経営に関わっていくうちに、ブルーボトルコーヒーは珈琲を提供するだけでなく、お客様にとって特別な体験を提供しているのではないかと感じ始めました。

もちろん、お店では珈琲についての知識や情報を提供することもありますが、心地よい体験を提供するという点では、フードや空間も重要な要素となっています。このような点から、通常のプロモーションだけではなく、メッセージの発信方法も重要になってくると考えています。

経営者自身が考えるお店の魅力が、お客様にとって魅力的なものであるとは限りません。そのため、お店の魅力や強み、弱みをしっかりと考えることは非常に重要だと思っています。私自身も、ユーザーヒアリングを通じてお客様の声を聞いたり、自分自身で体験をして、お店の魅力や強み、弱みについて考えています。

例えば、私は1人のお客としてブルーボトルコーヒーに滞在することがあります。お店の中で話される会話を聞いたり、店内で写真を撮っているお客様を観察したりしています。そこで、お客様がどのような写真を撮りたいのかを考えることもあります。

このように、お客様の声や行動を観察し、お店の体験について深く考えることで、お客様にとって本当に魅力的なお店を作ることができると思います。

 

「男性と女性では目線の高さが違う」ユーザー目線を徹底理解したデザイン設計とは

もし皆さんのお店がフォトジェニックなお店だとしたら、お客様がSNSでシェアしたくなるような美しい店内の写真が大事になります。そして、instagramやTikTokなどのSNSを研究し、“映える” 写真を撮るために店舗内の配置やデザインの最適化を行うことが必要です。店舗デザイン的にはロゴを飾る位置などのルールは決まっていると思いますが、インスタグラマーの視点から見た場合、そのルールはあまり関係ないかもしれません。

私はデザインの最終調整を行う際に、ユーザー目線を意識するようにしています。例えば、設計者は男性が多いため、目線が高くなりがちな傾向があります。その結果、ロゴが少し高めに付いてしまうことがあるのです。そこで、私はこうした傾向に気づいた場合には、ロゴの位置を少し下げて、“映える” 写真を撮るための調整を行うことがあります。

お客様がSNSで店内の写真をシェアすることは、口コミや宣伝効果につながる重要な要素の一つです。ただし、こだわりすぎてしまうと受け入れられない場合があります。そこで、デザインや配置の調整を行う際にはユーザー目線に立って、どのような要素がお客様にとって魅力的であるかを常に考えることが大切だと考えています。

 

ブルーボトルコーヒーが考える「お客様を惹きつけるプロモーション」

私たちは、お客様に刺さりそうなことをある程度は把握したうえで、PRしていくようにしています。メディアにリリースを出すなどのテクニックもあると思いますが、私たちがよくやるのは、例えば“季節”と“新商品”を組み合わせたイベントなどは、非常にインパクトがあると考えて実践していました。特に、新店舗や新商品などのプロモーションをそういうタイミングに行うようにしています。

具体的にいうと、新店舗を春にオープンするのであれば、その春の時期の店舗周辺の環境を調べます。春には周囲の風景はこういう雰囲気になっているから、その雰囲気に合ったイベントやキャンペーンなどストーリーを考えて、それをリリースにしたためて出したり、メディアの方を呼んだり、すごく考えていました。こういったアプローチは、ナチュラルに起こることをちゃんと要素として組み込みながら、話題を作っていくテクニックであり、大事な要素だと思います。

他にも、ワードでいうと“初”というのはすごく大事なワードです。特に飲食店の場合であれば、あまりやりすぎるとチープになってしまいますが、“業界初” とか ”エリア初” などのワードを使うことは効果的であると考えています。
こういったアプローチは、お客様に新鮮さや興味を持っていただくことができるため、プロモーションの成功につながることが多いです。

 

アメリカより日本の店舗の方が大きい!?文化の違いを理解した出店戦略とは?

ブルーボトルコーヒーがプロモーションや店舗展開を資本主義的にやりすぎていたら、ここまで浸透しなかったのではないかと思います。我々は我々のスタイルで、変えたくない芯となる部分は変えず、それ以外は日本オリジナルにアレンジしながら店舗を展開しています。

例えば、店舗サイズについてです。日本の店舗はアメリカに比べて大きいのです。アメリカだとテイクアウトや立ち飲みをしてそのまま会社に行く人が多いですが、日本にはまだまだテイクアウトの文化は浸透していません。客席が無いからと帰られてしまうお客様もいらっしゃいます。すると、店舗サイズの戦略としては、少し大きめの店舗が増えてくるのです。

大きい店舗が増えてくると、フードメニューの充実が求められてきます。現在、日本では3タイプぐらいに分けており、コーヒー+クッキーやチョコレートの店舗、サラダプレート、ブランチプレートを出すお店で、日本でカリフォルニア料理や海外に詳しいシェフにメニュー開発をお願いして、一緒に作り上げていきました。

しかし、コーヒーを軸にフードメニューを考えるというスタンスに変化はありません。言い換えると、ベースになるコーヒーとペアリングするイメージで食材を選んでいます

 

お店とは体験を提供する場所

私は、お店は人々に体験を提供する場所だと考えています。実際に人々が集まる場所であることが、お店の魅力の一つだと思います。商品や空間の魅力はもちろん大切ですが、お店が体験を生み出す場所であるということが、その魅力の源泉であると考えています。

 

 

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執筆 アキナイラボ 編集部

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