セルフレジは、顧客自身が商品の登録や選択から会計までを行えるシステムであり、スーパーマーケットやドラッグストアなどで広く利用されておりますが、その利便性から、近年では飲食店でも導入が進んでいます。
一方、商品を登録する作業はスタッフが行い顧客は支払いのみを行うセミセルフレジも、利便性は高く、店舗の業務負担を軽減しますが、セルフレジ(フルセルフレジ)と比べると業務負担軽減の効果は限定的です。そのため、飲食店では効率化をさらに推進できるセルフレジが注目されています。
セルフレジが支持される背景には、業務効率化や顧客満足度の向上といった利点があり、スタッフの負担を軽減し、会計時の待ち時間を短縮することで、スムーズなサービス提供が可能になります。また、非接触型サービスへのニーズが高まる中、感染症対策としても有効です。
本記事では、セルフレジの導入により成果につながった飲食店の事例のほか、飲食店でのセルフレジの活用法やメリット・デメリットなど、セルフレジについて詳しく解説します。
さらに、セルフレジ機能を搭載したおすすめのPOSレジも紹介します。特に、クラウドPOSレジ「スマレジ」は、「セルフレジ」「セミセルフレジ」、また食券を発行できる「券売機」と、業種・業態によって運用を選べる多機能なPOSレジです。
「客単価アップ」や「業務効率化」を実現した飲食店のセルフレジ導入事例
まず、セルフレジの導入により、実際の成果につなげた飲食店の事例を紹介します。
初めて来られたお客様が「ハンバーグランチ1,380円」、「パスタランチ970円」というメニューを見た時に、写真がなくイメージがつかないと、人間心理的にいきなり高いものは注文しづらいと思います。パスタランチは単価的にも1,000円しないのでよくご注文いただいていました。それが、券売機でメニュー写真を表示できるようになってからは1,000円台のメニューも多くご注文いただいているので、客単価アップに繋がっています。
(中略)
また、料理提供の効率を上げることにも繋がっています。注文・会計スタッフは会計のみならずドリンクメイクや軽調理も行います。注文・会計業務が券売機に分散しているおかげで他の作業に時間を回せるようになりました。
店舗スタッフからも券売機には料理写真が入り商品説明もスムーズに行えるようになったことや、決済方法の切り分けができたことで、レジミスなどの事故も減り作業の効率化を感じているという声をもらっています。
(中略)
券売機導入のタイミングに豊橋市全体での大型イベント参画が重なり、工数を減らすどころか月の売上が約3倍になるほど多くのお客様にご来店いただきました。この対応が有人レジのみであればとても対応しきれなかったと思います。今後、電子決済も対応できるよう改修されれば、本格的に券売機を中心とした決済を推進し、有人レジでの工数を日当り4時間程度削減できる見込みとなります。
上記は、愛知県豊橋市に店舗を構える「GREEN CAFE」の事例です。同店では、クラウドPOSシステム「スマレジ」のセルフレジ(券売機)の導入によって、「客単価アップ」と「業務効率化」という大きな成果を得ています。
メニュー写真の表示で高単価メニューの注文が増えたことで、店舗全体の売上向上に貢献し、さらに、注文・会計業務の分散によりスタッフの負担が軽減され、ピーク時の対応力も大幅に向上しました。
加えて、レジミスの減少や顧客対応の円滑化といった副次的効果も得られており、今後の電子決済対応によりさらなる効率化が期待されています。
このように、セルフレジの導入は、特に飲食店では、注文・会計業務の効率化が実現されることで、スタッフのミスや負担を減らし、サービスの質を向上させることが可能です。
人手不足や業務負荷の軽減を課題とする店舗にとっては、セルフレジの導入が強力な解決策となることがわかる事例です。
POSレジのスマレジは、注文から精算までを自身で行う「セルフレジ」や、精算のみ自身で行う「セミセルフレジ」、食券などのチケット購入ができる「券売機」など、業種・業態によって運用を選べます。
飲食店におけるセルフレジの3つの活用方法
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどのセルフレジでは、顧客が自身で商品を登録し会計を行う形が一般的です。一方、飲食店では、これとは異なる形でセルフレジが活用されています。
ここでは、セルフレジを活用する3つの具体的な方法について解説します。
活用法① 券売機として活用する
セルフレジは、カフェやファストフード店などで券売機として活用されるケースが増えています。顧客が商品を選び会計を済ませると、注文データがキッチンへ自動的に送信されるため、注文と同時に調理を開始できます。
これにより、商品の提供スピードが向上し、顧客満足度の向上にもつながります。

例えば、従来のラーメン店の券売機では、注文の成立にスタッフへの食券提示が必要でしたが、セルフレジを導入すれば、食券を購入した時点でスタッフが注文メニューを把握できるため、提示の手間を省略することができます。
セルフレジを券売機として活用することで、迅速な商品提供に加え、注文業務の負担軽減も実現できます。
活用法② 精算機として活用する
セルフレジを精算機として活用する飲食店も増えています。特に、居酒屋やレストランのように追加注文が多い店舗で効果を発揮します。

具体的には、注文後に発行されたテーブル伝票のバーコードを顧客が精算機で読み取ることで、会計画面が表示され、スムーズに会計を済ませることが可能です。
この仕組みにより、スタッフは顧客の退店時にレジ業務を行う必要がなくなり、フロア業務に集中できます。商品提供や追加注文への対応が迅速になるため、全体的な業務効率が向上します。
また、顧客にとっても、レジでスタッフを待つ手間が省けるため、ストレスの少ない利用体験を提供できます。
活用法③ モバイルオーダーと組み合わせて活用する
飲食店においては、セルフレジとモバイルオーダーを組み合わせて活用する方法もあります。モバイルオーダーとは、顧客が自身のスマホを使って注文を行える仕組みです。

この組み合わせには、以下のようなメリットがあります。
- 会計時の混雑を軽減
- スタッフの業務負担を削減
- 顧客の利便性を向上
- 衛生面に配慮したサービスの提供
特に、モバイルオーダーでは顧客が自身のスマホで商品を選択し、注文内容がセルフレジに連携されるため、スタッフが注文を取りに行く必要がありません。これにより、ピーク時でも効率的な運営が可能になり、手間と時間を大幅に削減できます。
また、会計業務が円滑化することで回転率が向上し、売上アップも期待できます。衛生面の向上という観点でも、非接触型のサービスを求める顧客に好評です。
次に、飲食店にセルフレジを導入することで得られるメリットのほか、デメリットについても解説してまいります。
飲食店におけるセルフレジのメリットとデメリット
ここでは、飲食店にセルフレジを導入することで得られる以下の4つのメリットと、考慮すべき3つのデメリットについて解説します。
メリット | デメリット |
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飲食店へのセルフレジの導入は、以上のようなメリット・デメリットがあります。まずはメリットから、一つずつ解説します。
メリット① 会計ミスの防止
セルフレジでは現金の過不足や打ち間違いといった会計ミスの発生リスクを軽減できるため、正確な取引が可能になります。これにより、顧客とのトラブルも未然に防ぐことができます。
メリット② スタッフの業務負担の軽減
会計業務がセルフレジに任されるため、スタッフはフロア業務や接客に集中できます。業務効率の向上により、スタッフの負担軽減にもつながります。
メリット③ 人件費の削減
セルフレジを導入することで、レジ担当のスタッフ数を減らすことが可能です。その結果、人件費を抑え、店舗の運営コスト削減が期待できます。
メリット④ 顧客満足度の向上
セルフレジを使うことで、会計時の待ち時間を短縮し、スムーズなサービス提供が実現します。さらに、非接触型のサービスとして、衛生面に配慮した安心感も提供できます。
次に、デメリットについて解説します。
デメリット① ネガティブなイメージを持たれる場合がある
飲食店に対して「接客を重視する業態」と考える顧客も多く、セルフレジを導入することで、本来スタッフが行うべき業務を顧客に任せることに対して「手抜き」と感じられる可能性もあります。
そのため、事前に導入の意図を周知し、誤解を防ぐ工夫が必要です。
デメリット② 操作のサポートが必要な場合がある
高齢者やデジタル操作に不慣れな顧客には、セルフレジの利用が難しいことがあります。そのため、簡単で直感的に操作できるシステムを選定し、スタッフによるサポート体制も整えておく必要があります。
デメリット③ 不正リスクがある
万引きなどの不正や、意図せずとも商品のスキャン漏れが発生するリスクがある点にも注意が必要です。これを防ぐためには、防犯カメラの設置や定期的なスタッフによる確認といった対策を講じる必要があります。
それでは次に、飲食店にセルフレジを導入する流れについて解説してまいります。
セルフレジ導入から運用までの5つのステップ
飲食店にセルフレジを導入し、運用を成功させるためには、計画的なステップを踏むことが重要です。ここでは、導入から運用開始までの流れを、下記の5つのステップに分けて解説します。
これらのポイントを押さえることで、スムーズな導入と効果的な運用が実現できます。以下に、各ステップについて詳しく解説します。
ステップ① セルフレジの選定
まずは、店舗に最適なセルフレジを選定するため、システムや機能の調査が必要です。
フルセルフレジにするか、セミセルフレジにするかによって選択肢は大きく変わりますし、取り扱う業者によって価格や機能に大きな差があるため、慎重な比較が求められます。
セルフレジは、店舗状況に応じてカスタマイズが可能で、必要に応じて機能を追加できる柔軟なレジを選ぶと良いでしょう。さらに、実際の業務フローや顧客の要望をしっかり把握した上で選定することが重要です。
ステップ② サービス申し込み
気になるセルフレジが見つかったら、提供事業者に資料を請求し、初期コストやランニングコスト、機能の詳細を確認します。多くの事業者では、公式ページから簡単に資料をダウンロードできる仕組みを提供しています。
コストや機能の他にも、導入事例やサポート体制なども、申し込み前にしっかりと確認することが大切です。
例えば、スマレジでは無料の資料請求に加え、オンライン相談やショールーム見学も可能となっており、直接相談したい方や実際に機器を試したい方には特におすすめです。また、初期費用や月額費用が不要な完全無料プランも提供しているため、比較検討の際にスマレジを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
ステップ③ 店舗レイアウトや設置場所の検討
セルフレジの設置場所は、動線を妨げないスペースや、会計時に混雑しにくい場所を選びましょう。例えば、店舗入口付近や出口に近い位置に設置すると、利用者の流れが自然になります。
また、セルフレジの操作に不慣れな顧客が困った際に、すぐサポートできるようスタッフが近くに待機できる配置を考えることも大切です。さらに、セルフレジの設置スペースには十分な照明を確保し、操作パネルや案内表示が見やすいよう工夫することも重要です。
このように、セルフレジの利用体験を向上させるために、店舗のレイアウトと設置場所は慎重な検討が必要です。
ステップ④ スタッフへの研修
セルフレジの設置や初期設定が完了したら、スタッフへの研修を行います。操作方法やトラブル時の対応方法だけでなく、衛生管理に関する知識も共有し、顧客が安心して利用できる環境を整えることが重要です。
スタッフが自信を持ってセルフレジを扱えるようにすることで、顧客満足度も向上します。
また、導入前には設置場所が適切かどうかを確認するとともに、研修に十分な時間を確保できるかを検討することが大切です。徹底した研修を通じて、スタッフ全員がセルフレジをスムーズに運用できる体制を整えなければいけません。
ステップ⑤ データ分析と改善
セルフレジの活用により、これまで以上に効率的に店舗の状況を把握できるようになりますので、導入後は定期的にデータを分析し、運用状況や売上を確認することが重要です。
また、細かい機能まで使いこなせるようにすることで、その効果を最大限に引き出すことができます。特にアフターサービスが充実した事業者を選べば、不明点やトラブルにも迅速に対応してもらえるため、安心して運用を続けられます。
さらに、顧客やスタッフの反応をもとに改善策を検討し、サービスをより良いものにしていくことも大切です。
これらの取り組みを通じて、業務効率の向上、人手不足の軽減、コスト削減、レスポンス時間の短縮など、様々なメリットを享受できます。セルフレジの導入は、今後さらに広がることが予想されるため、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、セルフレジの導入には少なくない初期費用がかかるため、大きな負担となる飲食店も多いはずです。そこで、導入費用を抑えるためのひとつの方法として、補助金や助成金を活用する方法がありますので、次に解説します。
補助金を活用してセルフレジの導入費用を抑える
セルフレジの導入は多くのメリットをもたらしますが、その初期費用が課題となることも少なくありません。そこで、補助金を活用することで、導入コストを抑える方法があります。
国や自治体から、事業者に向けて様々な助成金や補助金が提供されていますが、飲食店の開業時などで活用できるものもいくつかあります。
特に、飲食店のセルフレジ導入に活用できる可能性のある補助金には、以下のようなものがあります。
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金2024
- ものづくり補助金
これらの補助金は、条件次第でセルフレジの導入にあたって申請可能な場合があります。補助金の種類によって、条件や申請可能な時期などが異なりますので、どの補助金が利用できるのかの調査は事前に行っておきましょう。
なお、飲食店で活用できる補助金や助成金については、下記の記事でより詳しくまとめていますので、興味のある方はぜひご一読ください。
飲食店におすすめのセルフレジは「スマレジ」か「POS+ food」
飲食店にとって、セルフレジの選定は業務効率や顧客満足度を大きく左右する重要なポイントです。ここでは、特に飲食店と相性が良い2つのPOSレジ「スマレジ」と「POS+ food」について、その特徴やおすすめする理由について詳しく解説します。
スマレジ
スマレジは、レジ作業の効率化とコスト削減を実現するクラウド型POSシステムです。セルフレジやセミセルフレジ、券売機など、様々な業種や業態に対応した製品を提供し、幅広いニーズに応えています。
例えば、注文から精算までを自動化したい店舗にはセルフレジ、精算業務だけを自動化したい場合にはセミセルフレジ、キッチンカーやイベントで効率的にチケット販売を行いたい場合には券売機が最適です。
スマレジは無料プランから利用可能ですが、飲食店向けのすべての機能を活用したい場合には「フードビジネスプラン」がおすすめです。月額12,100円(税込)で利用でき、引換券の印刷やキッチン伝票の出力など、飲食店経営に便利な機能が揃っています。
さらに、キャッシュレス決済との連携のほか、様々な外部システムやサービスとの連携にも対応しており、柔軟性の高いサービスを求める方には最適な選択肢と言えます。
詳細は、下記公式ページをご覧ください。
POS+ food
POS+ foodは、飲食店向けのクラウド型POSレジです。セルフオーダー機能を活用することで、会計業務だけでなく注文業務も自動化でき、スタッフの業務負担を大幅に軽減します。
このシステムは、1台でセルフレジと券売機の両方の機能を備えており、店舗の業態や運用形態に合わせて柔軟に利用可能です。
さらに、365日対応の電話サポートや全国規模の駆けつけサポート(※一部地域では別途費用が発生)など、万全のサポート体制が整っており、安心して導入できます。
料金プランは月額14,000円(税別)から利用可能で、レジ機能、売上管理、顧客管理、複数店舗管理、多言語対応など、飲食店経営に必要な機能が網羅されています。
詳細は、下記公式ページをご覧ください。
飲食店の業務効率化と顧客体験の向上を実現するセルフレジを導入しよう
セルフレジの導入は、業務負担の軽減や業務効率化、顧客満足度の向上など、多くのメリットをもたらします。
飲食店向けのセルフレジは様々な選択肢がありますが、特におすすめなのがスマレジです。飲食店のニーズに応じた便利なセルフレジ機能を備えており、業務効率化と顧客体験の向上に大きく貢献します。
飲食店の運営をさらにスムーズにし、競争力を高めるために、ぜひスマレジのセルフレジ機能を活用してみてはいかがでしょうか。