クリニック・病院などの医療現場において、医療費控除の計算、未収入金の発生などの会計処理に頭を悩ませている経営者の方も多いのではないでしょうか?
医療現場でも導入が進んでいるPOSレジは、未収入金の管理や、会計ミスに対して有効で、お客様の待ち時間を短縮させられるなど注目されているツールのひとつです。
ただ、一言にPOSレジといっても、業種ごとに様々な製品があり、機能も複雑なため、選びにくいと感じる部分もあるでしょう。
本記事ではクリニック・病院向けに必要なPOSレジ機能、選ぶ際に押さえるべきポイント、実際のPOSレジサービスを厳選して6つ紹介します。

この記事の目次
クリニック・病院向けのPOSレジとは
クリニック・病院向けのPOSレジとは、どのような機能を備えているのでしょうか?
ここでは、そもそもPOSレジとはどのようなものか、そしてクリニック・病院向けに特に必要なPOSレジの機能を紹介します。
そもそもPOSレジとは
レジとは、よくお店の店頭で見かける商品金額の計算、お客様への提示、釣銭計算などの会計作業をアシストする機能を備えた装置のことです。
POSレジの場合、レジへ「いつ」「何が」「どんな方へ」「いくらで」販売したかを、把握することのできるPOSシステムが接続されています。そのため、お金の計算だけでなく、商品の在庫状況、支払い履歴を後から確認することが可能です。
POSレジは種類によって、使用方法、機能の充実度、会計ソフトとの連携など、いくつもの点で違いがあります。導入する際には、どんな点を改善したいのか、従業員が使いやすいか、会社の規模にあったシステムか、導入後の保守をどうするか、この4点が大きなポイントになるでしょう。
クリニック・病院のPOSレジに必要な機能
ここからはクリニック・病院にPOSレジを導入する場合、どのような機能があると便利か詳しく説明します。
会計時にミスが起こりにくい機能
病院では、医療費控除の計算、未収入金の発生、徴収金額の消しこみなど通常の会計よりも複雑な作業が発生し、 対面での診療費の受け渡しでのミスや現金管理で過不足が発生しやすいです。
そこで、病院向けのPOSレジの機能には、診療費をレセプトに印字したバーコードから読み取れたり、預かったお金を釣銭機に投入できたりする機能があるとよいでしょう。
お金の受け渡しの間違いを減らすことでお金に関する事務処理の削減に繋がり、従業員の負担も軽減されます。その分、患者さんの質問に対して丁寧に対応できたり、医師からの申し送りを抜けなく伝えたり、接客に注力することが可能となるでしょう。
衛生面に配慮できる機能
コロナ禍が終息を見せない中、特に病院内ではコロナの感染リスク対策は必要不可欠な状況でしょう。
キャッシュレス機能、自動釣銭機など、できる限り患者さんと接触しない決済方法を選択できる機能のPOSレジがおすすめです。
従来あまり使用できなかったキャッシュレス機能は、非接触であることに加え、支払いが高額になりがちな病院では喜ばれる機能でしょう。自動釣銭機まで設置されていれば、キャッシュレス・現金どちらの機能でも非接触で決済できるので非常に便利です。
上記2つの機能は、衛生面に配慮した感染対策を兼ねつつ、会計時の待ち時間を削減するなど病院にとって利便性の高い機能といえます。
クリニック・病院向けのPOS決める際に押さえたいポイント
ここではクリニック・病院向けのPOSレジをご検討中の方に、決める際にぜひ押さえて頂きたいポイントをご紹介いたします。
多機能と連携できる拡張性の高さ
POSレジを導入する際には、現在使用している会計システムなど、基幹となるシステムと連携が可能かどうかという視点から考えることが大切です。
その点を考慮せずに導入してしまうと、後々、これまで使用していたシステムの総入替が必要になる場合もあります。できる限り費用を抑えて業務改善を行うためにも、現在使用しているシステムと親和性の高いシステムかどうか必ず確認が必要です。
また、POSレジの中には同じ会社のサービスしか連携できないなど、他社の機能と連携できない拡張性の低いシステムも多く存在します。
将来的に新たなサービスを導入する際、選択肢を狭めないように、より多くの他社サービス・機能と連携できるシステムを選ぶのがポイントです。
小規模から導入できる
POSレジはハード・ソフト両方とも機能が増えれば、増えるほど利用料が高くなります。
しかし、病院・クリニック向けのPOSレジは、あらかじめ多機能を備えたセットでのサービスも多いです。
導入したものの、あまり使わない・必要のない機能があることも少なくないでしょう。
そこで、小規模・低価格から利用を開始でき、必要に応じて機能を付加できるシステムを選ぶのも大切なポイントのひとつです。この視点を持ってPOSレジを選ぶことで、現場に必要な改善をできる限り低費用で行うことができます。後々、やはり導入したいと思った時に、その機能を追加するだけで済むので、余計な出費が抑えられます。
大掛かりなシステムの入替が発生しないため、現場への負担が最小限で済むこともメリットです。
クリニック・病院におすすめのPOSレジ6選
ここではクリニック・病院向けPOSレジとして人気のある、導入するのにおすすめのPOSレジを6つご紹介します。
スマレジ
スマレジは各種レセコン・電子カルテと連携可能な医療システム対応POSレジです。また自動釣銭機と連動させることにより、お釣りの渡し間違いの防止、現金の受け渡しがないことで感染対策にも繋がります。
クレジットカード、QRコード決済など豊富な決済サービスとの連携も可能で、高額精算になりやすい医療会計にも対応できます。また、領収書に印字されたバーコード読み取りにより会計との連携もできるので、あえてレセコン・電子カルテと連動しない運用(NON-PLU対応)も可能です。
無料のプランから利用でき、サービスのグレードに合わせて月額5,500円(税込)からの有料プランも利用することができます。自動釣銭機機能と連動させる場合は、月額8,800円(税込)のプランとなります。
>>クリック・薬局で役立つPOSレジ(スマレジ)の機能や特徴を見る
ユビレジ
顧客管理機能で、年齢、体調、体質などのデータを保管することができます。診察の際のカウンセリングシートをタブレットで作成することも可能なので、入力する手間が省け便利です。
バーコードリーダー機能もあり、受診の受付をバーコード読み取りだけで行うことができ、大幅な時間の短縮に繋がるでしょう。
予約システムも備えており、混雑緩和により、お客様のストレス軽減にも貢献してくれます。
0円からお試しが可能で、その後は月額7,590円(税込)から利用できます。
BCPOS
出力された領収書のバーコードを読み取ることで会計と連携が可能なので、金額入力ミスを防ぐことができます。
現金、非接触決済が行える自動釣銭機とも連動できるため、感染対策にも繋がります。
キャッシュレス決済は、クレジットカード、ICカード、QRコード決済といった定番の方法に加え、仮想通貨での支払いにも対応。お客様にとっての利便性も高くなっています。
クリニック向けセミセルフレジセットは799,700円(税込)から設定されています。
square
オンラインで申し込みが完結できる手軽さが魅力のひとつです。クレジットカード・ICカード決済の設定はネット上で行うことができます。カードの読み取り機は持ち運びに便利なコンパクトサイズなので、訪問診療が多い病院には利便性が高い仕様となっています。
POSレジ機能を持つ、squarePOSレジアプリ自体は無料で利用可能です。ただし、他社のシステムとの連携については公式ホームページに記載がないため、利用前に確認するのがよいでしょう。
また、カード読み取り機は7,980円~46,980円(税込)で購入可能です。IPadなどの本体を所有していない場合はその分の費用が発生します。キャッシュレス決済時の手数料が3.25~3.95%かかるのが特徴です。
POSCO
クリニック・病院での使用に最適化されたシステムを提案してくれます。資料請求から、見積り・相談と段階を踏んで導入できるため、初めてPOSレジを導入する場合でも安心感があるでしょう。
保険点数での請求金額の算出、未収金の管理、売上区分の管理、レセコンとの連動などの機能をセットで兼ね備えています。
金額は導入するクリニック・病院の状況とシステムの内容によって変わるため、問合せが必要です。
プロスパー・ネットワーク
クリニック・病院向けのセミセルフレジ専用のPOSシステムです。オプションのハンドスキャナーを使い、レセコンから請求書のデータの読み取りが可能。背面ディスプレイを設置することでお客様に支払額と現金の投入方法を表示できます。
お客様が釣銭機で清算を行えるため、現金の受け渡しが発生せず、感染対策に繋がります。ただし、キャッシュレス決済との連動については公式ホームページに記載がないため、利用前に確認するのがよいでしょう。
金額は導入するクリニック・病院の状況によって変わるため、問合せが必要です。
クリニック・病院に合ったPOSレジを活用して業務を効率化しよう
クリニック・病院でのPOSレジ導入は、現金の計算ミス防止による業務効率化、感染対策など多くのメリットがあります。
まずは小規模から導入し、使い勝手に合わせて追加機能を購入するのがよいでしょう。スマレジであれば、他社アプリとの互換性も非常に高く、多機能と連携でき導入後の機能追加であっても従来のシステムと共に一元管理できます。