「LINEモバイルオーダー」とは、LINEミニアプリを活用して提供されるモバイルオーダーサービスであり、近年、飲食店を中心に導入が進んでいます。
顧客はスマートフォンでQRコードを読み取るだけで、店内注文やテイクアウト、デリバリーまで簡単に行うことができ、キャッシュレス決済にも対応しています。
LINEモバイルオーダーは、LINEという多くのユーザーに利用されているプラットフォームを活用しながら、店舗運営の効率化を図ると同時に、顧客に便利で快適なサービスを提供する新しい運営スタイルとして注目されています。
しかし、LINEを用いたオーダーとはどのようなものなのか、今ひとつイメージができないという方も多いでしょう。そこで本記事では、LINEモバイルオーダーの仕組みと主要機能について解説します。
LINEモバイルオーダーの主要な機能は以下の9つです。
- モバイルオーダー(店内注文)
- テイクアウト・デリバリー対応
- 呼び出し通知機能
- デジタル会員証
- 顧客管理機能
- キャッシュレス決済機能
- メッセージ送信機能
- 順番待ち受付機能
- POSレジ連携機能
これらの機能を詳しく紹介するとともに、LINEモバイルオーダーのメリットやデメリット、導入の際に押さえておきたいポイント、さらに、POSレジとの連携による相乗効果についても解説してまいります。
LINEモバイルオーダーの導入を検討している飲食店経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
LINEモバイルオーダーの仕組みと活用イメージ
まず、LINEモバイルオーダーの仕組みと、どのように活用されるかについて解説します。下図をご覧ください。
※図は筆者作成
LINEモバイルオーダーは、店舗がLINE公式アカウントを作成し、それを活用して顧客が簡単に注文を行える仕組みを提供するサービスです。利用者は、LINEアプリを通じて店舗のメニューにアクセスし、店内注文のほか、店外からのテイクアウトやデリバリー注文もスムーズに行うことが可能です。
注文が確定されると、その情報はサーバーを経由して店舗のキッチンモニターなどにリアルタイムで反映されます。これにより、スタッフが手動で注文内容を入力する手間が省かれるだけでなく、オーダーミスのリスクも軽減されます。
さらに、LINEモバイルオーダーはPOSレジとシームレスに連携可能であり、注文情報が自動的に会計データに統合されます。これにより、売上情報や在庫データが一元管理され、店舗経営の効率化が図られます。
LINEの高い認知度を土台として、シンプルな操作性と幅広い注文形態への対応力、また豊富なオプション機能により、LINEモバイルオーダーは顧客にとっても店舗にとっても非常に便利なツールとして注目されています。
次項では、LINEモバイルオーダーが提供する多彩な機能について解説してまいります。
LINEモバイルオーダーの主要な9つの機能
LINEモバイルオーダーは、多彩な機能を通じて、飲食店運営の効率化と顧客体験の向上を実現するサービスです。ここでは、LINEモバイルオーダーが提供する主要な9つの機能を詳しく解説してまいります。
機能① モバイルオーダー(店内注文)
LINEモバイルオーダーの店内注文機能は、顧客が自身のスマートフォンを使って、席に座ったままメニューの閲覧から注文、決済までを完結できる便利なシステムです。
具体的には、QRコードを読み取ることで店舗のLINE公式アカウントと連携し、LINE上でメニューの閲覧から注文、決済までをシームレスに行うことができます。
また、注文内容はデジタルで管理されるため、キッチンや会計システムと迅速に連携され、オペレーションの効率化と注文ミスの削減に寄与します。
さらに、店舗側はこの機能を通じて顧客の注文データを収集し、マーケティング施策やサービス改善に活用することも可能です。
機能② テイクアウト・デリバリー対応
テイクアウト・デリバリー対応機能は、顧客がLINEを通じて事前に注文を行い、店舗で商品を受け取る、あるいは配達先に直接届けてもらうことができる便利な仕組みです。
これにより、店舗のピークタイムの混雑緩和や待ち時間の短縮が可能となり、顧客満足度の向上に寄与します。
注文内容や配達先情報はシステム上で一元管理されるため、店舗スタッフは効率的に準備を進めることができ、オペレーション全体の円滑化が実現します。
また、事前決済機能を組み合わせることで、店舗での会計や配達時の現金の受け渡しを省略でき、よりスムーズで安全な取引を提供します。
機能③ 呼び出し通知機能
呼び出し通知機能は、注文が完成した際に顧客へLINEを通じて通知を送ります。また、店頭モニターへの表示も可能です。この機能により、顧客は待ち時間を効率的に活用できるため、店頭での混雑や不満の軽減につながります。
店舗スタッフが直接顧客を呼び出す必要がなくなるため、業務の負担が軽減され、オペレーション全体の効率化にも寄与します。テイクアウトやイートインのどちらの場面でも活用できる汎用性の高い機能です。
機能④ デジタル会員証
顧客がLINEを通じて簡単に会員登録を行い、デジタル形式の会員証を取得することができます。この機能により、顧客は紙のカードを持ち歩く必要がなくなり、スマートフォンひとつで会員特典やポイント・スタンプなどを利用できます。
また、店舗側は会員情報をデータとして一元管理できるため、特典の適用やキャンペーン配信などのマーケティング施策を効率的に実施できます。顧客にとっても店舗にとっても利便性が高い機能と言えます。
機能⑤ 顧客管理機能
顧客がLINEモバイルオーダーを利用する際には、お店の公式LINEに「友だち登録」する必要があります。この登録により、お店側は顧客の年齢や性別といった基本情報を管理できるようになり、来店履歴や購入履歴とも照合可能です。これらのデータを活用することで、効果的なマーケティング施策を展開することができます。
さらに、LINEを通じて来店予約を受け付けたり、会員証を発行することで、顧客の利便性を向上させるだけでなく、リピート率の向上にもつながります。
機能⑥ キャッシュレス決済機能
LINEモバイルオーダーは、オンラインを介してクレジットカード決済やQRコード決済と連携できるキャッシュレス決済機能を備えています。この機能により、顧客が注文を確定した時点で決済を完了させることができ、店舗と顧客双方にとってスムーズな取引が可能です。
さらに、注文が成立した時点での決済となる事前決済を採用することで、悪意のある注文や直前でのキャンセルを未然に防ぐ効果もあります。これにより、売上の確保や原材料の無駄を最小限に抑えることができ、店舗運営の効率化に大いに貢献します。
機能⑦ メッセージ送信機能
LINEの主要機能であるメッセージ配信を活用することができます。これにより、店舗からのお知らせをリアルタイムで顧客に届けるだけでなく、クーポンの配信やポイントの付与も簡単に行うことが可能です。
さらに、顧客の性別や年齢、過去の注文履歴に基づいてセグメントを設定し、それぞれに適したメッセージを配信することで、ターゲットに合わせた効果的なプロモーションが可能です。例えば、誕生日に特別なメッセージを送ることで、顧客との関係を深めリピート率の向上にもつながります。
機能⑧ 順番待ち受付機能
LINEモバイルオーダーでは、順番待ちの管理がシステム化されており、顧客の情報や順番を一元的に把握することが可能です。テイクアウトの際には、注文が完了した時点でお客様に受付番号が通知され、調理完了時にはLINEを通じて順番が来たことをリアルタイムでお知らせできます。
さらに、イートイン対応の店舗では、来店予約時の順番待ち受付や、順番が来た際の通知をLINEを通じて行えるため、店頭での行列を避け、お客様の待ち時間を快適にすることができます。
機能⑨ POSレジ連携機能
LINEモバイルオーダーは、外部のシステムやサービスと連携することで店舗運営を効率化し、売上アップや集客に貢献します。その中でも特に便利なのが、POSレジとの連携機能です。注文を受けた際の決済データがリアルタイムでPOSレジに反映されるため、営業終了後の締め作業を効率的に行うことが可能です。
また、注文内容の集計もリアルタイムで行えるため、売上分析や在庫管理に活用することで、店舗運営の最適化を図ることができます。
以上が、LINEモバイルオーダーが提供する主要な9つの機能ですが、それぞれの機能は、顧客の利便性を向上させるだけでなく、店舗運営の効率化や売上向上にも大きく貢献します。これらの機能を組み合わせることで、幅広い業態やニーズに対応した店舗運営が可能となります。
それでは次に、LINEモバイルオーダーを導入する際の費用について詳しく解説します。
LINEモバイルオーダーの導入費用はアプリによって異なる
LINEモバイルオーダーを導入する際は、豊富に提供されているモバイルオーダーのLINEミニアプリから、自店に必要な機能を備えたアプリを選びますが、導入費用はアプリごとに異なるため、事前に比較検討する必要があります。ここでは、代表的な5つのアプリを挙げ、それぞれの費用感を紹介します。
アプリ名 | 初期費用 | 月額費用 | 主要機能 |
funfo(ファンフォ) | 0円 | 0円〜 | ・モバイルオーダー(店内) ・テイクアウト ・呼び出し通知 ・キャッシュレス決済 |
注文くん | 90,000円〜 | 9,800円〜 | ・モバイルオーダー(店内) ・デジタル会員証 |
L.B.B. Cloud(エルビービー・クラウド) | 0円 | 11,000円〜 | ・モバイルオーダー(店内) ・テイクアウト ・キャッシュレス決済 |
QR Order(キューアール・オーダー) | 98,000円〜 | 9,800円〜 | ・モバイルオーダー(店内) ・テイクアウト ・呼び出し通知 ・キャッシュレス決済 |
CX ORDER(シーエックス・オーダー) | 1,000,000円〜 | 5,000円〜 | ・モバイルオーダー(店内) ・テイクアウト ・キャッシュレス決済 |
これらのアプリは、LINEモバイルオーダーを提供するミニアプリの中でも代表的なものです。初期費用や月額費用に加え、アプリごとに対応可能な機能や特徴が異なるため、自店舗の業態やニーズに最も適したものを選ぶことが重要です。
また、ここで紹介したもの以外にも、多様なミニアプリが提供されており、それぞれ独自の価格設定や特徴を持っています。
導入を検討する際は、コストだけでなく、サポート体制やカスタマイズの柔軟性、操作性なども総合的に比較することをおすすめします。
それでは次に、LINEモバイルオーダーの具体的なメリットとデメリットについて詳しく解説します。
モバイルオーダーのメリットとデメリット
これは、LINEモバイルオーダーに限ったものではなく、モバイルオーダーシステム全体に共通しますが、モバイルオーダーは顧客体験の向上や店舗運営の効率化を実現する便利なサービスですが、導入を検討する際にはその利点だけでなく、注意すべき点についてもしっかりと把握することが重要です。
ここでは、モバイルオーダーの5つのメリットと、考慮すべき3つのデメリットについて詳しく解説します。
メリット | デメリット |
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モバイルオーダーには、売上アップや経費削減、オーダーミスの防止といった様々なメリットが期待できます。特に、業務の効率化や生産性向上に直結する機能は、日々の店舗運営を大きくサポートします。また、メニュー変更が容易に行える点も、多忙な店舗にとって大きな強みです。
一方で、顧客との直接的なコミュニケーションが減少することや、これにより追加オーダーの提案が難しくなることは、導入時に注意すべきポイントです。
特に、接客を重視している店舗や、高齢の顧客層が多い店舗では、モバイルオーダーがすべての顧客にとって使いやすいものかを事前に検討し、代替案を用意する必要があるでしょう。
メリットとデメリットを比較しながら、自店舗の特性や顧客層に合わせた適切な導入計画を立てることで、LINEモバイルオーダーの導入効果を最大化することができます。
次に、LINEモバイルオーダーを効果的に活用するために押さえておきたい3つのポイントについて解説します。
LINEモバイルオーダーを導入する際の3つのポイント
先に述べたように、LINEモバイルオーダーを導入する際には、様々なモバイルオーダーアプリから、自店舗に最適なものを選ぶ必要があります。お店の業態やコンセプトに応じて必要な機能は異なりますが、どの店舗でも共通して押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、LINEモバイルオーダーを導入する際に注意すべき3つのポイントを解説します。
ポイント① 規模に応じた予算で導入する
LINEモバイルオーダーを導入する際には、初期費用として必要な設備の準備や、システム利用料などの月額費用が発生します。これらの費用は、自店舗の規模に応じた適切なプランを選ぶことが重要です。
中には、月額費用がかからないサービスもありますが、その場合、利用可能な機能に制約があったり、サポートが限定的であることが多い点に注意が必要です。
特に長期的に運用する場合、必要な機能が備わっているか、システムアップデートやアフターサービスが充実しているかをしっかり確認すべきです。
ポイント② POSレジと連携できるものを選ぶ
LINEモバイルオーダーの機能を最大限活用するには、POSレジとの連携が欠かせません。注文内容を自動でPOSレジに反映させることで、会計時の手間を省き、キャッシュレス決済との連動により会計待ち時間も短縮できます。
既存のPOSレジと連携させる方法や、POSレジ機能を搭載したサービスを利用する方法がありますが、後者は初期費用や月額費用が高額になる場合があるため、慎重に検討し、自店舗に最適な連携方法を選ぶことが重要になります。
ポイント③ サポートが充実したサービスを選ぶ
LINEモバイルオーダーの導入は比較的簡単ですが、店舗での運用を円滑に開始するためには、提供元からのサポートが必要な場合があります。さらに、運用開始後に発生するトラブルに迅速に対応してもらえる体制も重要です。
そのため、サービスを選ぶ際には、導入時のサポートやアフターフォローの充実度をしっかり確認すべきです。特に、メニュー変更やキャンペーン告知など、運用中に必要となるシステム操作が簡単で、分かりやすいヘルプやサポートが備わっているかがポイントです。
サポート体制が整ったサービスを選ぶことで、安心してシステムを活用できます。
LINEモバイルオーダーとともにスマレジを導入すべき3つの理由
LINEモバイルオーダーの導入を検討する際には、同時にPOSレジの導入もぜひ検討することをおすすめします。なぜなら、LINEモバイルオーダーとPOSレジを連携させることで、注文内容や会計データを自動的に一元管理できることで、業務効率が大幅に向上するためです。
中でも、iPadを活用したタブレット型POSレジ「スマレジ」は最適の選択肢です。
使いやすさと多機能性を兼ね備えたスマレジは、連携可能なLINEモバイルオーダーアプリ「QR Order」を活用することで、店舗運営を大幅に効率化し、顧客体験の向上につなげることが可能になります。
ここでは、LINEモバイルオーダーとともにスマレジを導入すべき理由を3つのポイントに絞って解説します。
理由① スマレジは無料で利用開始できる
LINEモバイルオーダーを利用する場合、スマレジと連携可能なアプリ「QR Order」を別途追加する必要があります。
このアプリは月額11,000円(税込)で利用でき、テイクアウトとテーブルオーダーの同時対応や、店内メニューのデジタル化、飲み放題機能など、様々なサービスに対応しています。
一方、スマレジは選べる複数のプランが用意されており、スタンダードプランなら初期費用・月額費用ともに無料で利用を開始できます。このプランでは、1アカウントにつき1店舗の利用が可能で、基本的なPOSレジ機能が搭載されています。
LINEモバイルオーダーと連携しながらも、POSレジの導入費用を抑えられる点は大きな魅力です。
理由② あらゆるQRオーダーに対応可能
スマレジのLINEオーダーアプリ「QR Order」は、店舗が用意したQRコードを顧客のスマートフォンで読み取るだけで、簡単に注文を開始することができます。専用端末を用意する必要がないため、導入の手間も最小限です。
また、テーブルオーダーだけでなく、テイクアウトオーダーにも対応しており、様々な利用シーンに対応可能です。
さらに、LINEミニアプリとの連携もスムーズに行え、店舗の公式LINEアカウントへの友だち追加を促す導線を簡単に構築することができます。
QRコードを利用した注文では、単品メニューはもちろん、食べ飲み放題のオーダーにも対応しているため、多様な業態に適した運用が可能です。
加えて、デジタルメニューは、日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語への自動翻訳が可能なため、外国人客の利用が多い都心部や観光地のお店にとっても有用です。
理由③ 注文・商品管理の効率化
スマレジでは、「QR Order」とPOSレジを連携することで、注文管理や商品管理を効率的に行うことができます。注文内容や在庫状況がリアルタイムで同期されるため、注文の受け漏れやミスを防ぐことが可能です。
また、在庫が限られている商品には注文数の上限を設定できるため、在庫切れによるトラブルも未然に防げます。
さらに、売上や注文データをもとにした集計・分析機能を活用すれば、料理の仕込み量や材料の発注量を最適化するなど、翌日以降の店舗運営を効率化できます。
売上データはリアルタイムで記録されるため、営業終了後の締め作業も最小限の手間で済ませることができます。
¥0から始められるPOSレジ
LINEオーダーとも連携可能
POSレジとの連携でLINEモバイルオーダーの導入効果を最大化!
LINEモバイルオーダーは、店舗運営をスムーズにするだけでなく、集客力の向上や客単価アップ、業務効率化を実現する強力なツールです。特に、売上拡大や業務の効率化を目指す飲食店にとって、非常に導入する価値のあるサービスと言えるでしょう。
さらに、POSレジと連携させることで、POSレジの利便性を活かしながら、LINEモバイルオーダーの機能を最大限に活用できます。
特に、初期費用を抑えつつ充実した機能を提供する「スマレジ」は、LINEモバイルオーダーと組み合わせることで、店舗運営をさらに効率的かつ効果的に進めることが可能です。