飲食店で使われる「ハンディ(ハンディターミナル)」とは、レストランやカフェでウェイターが使う注文用の携帯端末で、ハンディに注文を入力すると自動でキッチンに情報を送信されます。紙の伝票を使う従来の方式よりも業務効率が向上し、注文ミスが減少するので、顧客満足度の向上とスタッフの業務効率向上にもつながります。
ハンディは、費用をかけずにiPhoneやiPod touchなどにアプリをインストールして、月額費用が無料で使える「スマレジ・ウェイター」のようなクラウド型のタイプが普及したため、誰でもすぐに気軽に利用することができます。
この記事では、以下のおすすめのハンディ3選を紹介します。
- スマレジ・ウェイター
- ユビレジハンディ
- スクエアPOSレジ
さらに、ハンディのメリットや注意点なども解説してまいりますので、今からハンディの導入を考えている経営者は、ぜひ最後まで記事をご覧ください。
飲食店に導入するべき「ハンディ3選」
この記事を読んで、具体的にどのようなハンディを導入すべきか検討している人のために、おススメの3つのハンディを紹介します。まずは下記の表をご覧ください。
データ引用先一覧:スマレジ・ウェイター、ユビレジハンディ、スクエアPOSレジ
3社を比較すると無料プランがあるのは「スマレジ・ウェイター」と「スクエアPOSレジ」ですが、スクエアは無料プランではハンディが利用できないため、無料でハンディを利用できるアプリは「スマレジ・ウェイター」だけです。また、スマレジの無料プランではハンディ単体で利用できるため、飲食業界で幅広く利用されております。
詳しくは下記公式ホームページをご覧ください。
それでは、1社ずつご紹介します。
① スマレジ・ウェイター
スマレジ・ウェイターは、iPadやiPhone、iPod touchを高性能なハンディ端末として利用できるシステムです。
ハンディ端末でメニューごとの残数や売り切れ商品、テーブルごとの滞在時間などを確認でき、ホールスタッフの仕事を効率化できます。オプション機能として、各テーブルに設置した端末で顧客自身が注文できる「スマレジ・テーブルオーダー」も用意されています。
POSレジアプリ「スマレジ」との連携に対応しており、スマレジと連携することで、注文内容がキッチンと同時にPOSレジにも共有されるため、レジ会計の効率化に加えてリアルタイムの売上分析も可能です。
スマレジとの連携や複数・大規模店舗に対応した「フードビジネスプラン」は、1店舗につき月額12,100円(税込)ですが、最低限の機能であるオーダー管理とテーブル管理のみを利用する「スタンダードプラン」なら、月額無料で利用可能です。
すぐに導入を考えている方は、下記の公式ホームページをご覧ください。
② ユビレジ ハンディ
ユビレジ ハンディは、POSレジアプリ「ユビレジ」のオプションサービスとして提供されているハンディシステムです。
iPhoneやiPod touchをハンディ端末として利用し、品切れの表示や滞在時間の確認、注文入力時にメモを追加できる機能などが提供されています。
ユビレジのオプションサービスのため、ハンディ単体での導入はできません。ユビレジプレミアムプラン(月額7,590円/税込)への加入が必須で、ユビレジ ハンディの利用には端末1台あたり月額1,650円(税込)がかかります。
「お試し期間」が用意されているので、まずは使い勝手を確認してみると良いでしょう。
③ スクエアPOSレジ
スクエアは、キャッシュレス決済やPOSレジアプリなどを提供するサービスで、POSレジの機能のひとつとしてハンディ(モバイルPOSレジ)を利用できます。
スマートフォンをハンディ端末として利用でき、iOSだけでなくAndroidにも対応しています。
ハンディ機能を利用するには、月額13,000円(税込)の「プラスプラン」への加入が必要です。POSレジアプリ自体は無料プランでも利用できますが、ハンディやキッチンディスプレイなどの飲食店向け機能は、プラスプランでのみ提供されます。
https://squareup.com/jp/ja/point-of-sale/restaurants
飲食店で導入すべき「ハンディ」の3つの選び方
飲食店でハンディを導入する際は、店舗の規模や運用スタイルによって最適な選択肢が異なります。たとえば、少人数での運営か、複数スタッフでの利用か、あるいはPOSレジとあわせて導入するかによって、重視すべきポイントも変わってきます。
ここでは、主に3つのケースに分けて、ハンディの選び方を解説します。
選び方① ホールスタッフが1名で、ハンディ端末だけを使いたい場合
ホールスタッフが1名の店舗(1店舗のみ)において、「ハンディ」だけをすぐに導入したいという場合は、無料で利用できるプランがある「スマレジ・ウェイター」を選びましょう。
スマレジのスタンダードプランは費用が無料ながらも、オーダーエントリーに必要な以下の機能が備えられたシンプルなプランです。
- メニュー登録(1,000件まで)
- 注文入力
- テーブル管理
- プリンター連動
- ハンディ端末連動(1台のみ)
開業したばかりの飲食店や、現時点でPOSレジとの連携が不要な場合は、店舗用のスマートフォンにアプリをインストールし、会員登録を行うだけで「スマレジ・ウェイター」を月額無料で利用できます。
ただし、この無料プランは1人のホールスタッフ(ハンディ1台)にのみ対応しており、複数名で利用したい場合は有料プランへの加入が必要です。
また、3社の中でPOSレジと連携せず単体で利用できるのはスマレジ・ウェイターのみです。そのため、1人分のハンディを無料で、かつ単体で導入したいという店舗には、スマレジ・ウェイターの無料プランが最適と言えるでしょう。
すぐに無料のハンディが必要という場合は、下記の公式ホームページをご覧ください。
選び方② 複数のスタッフで「ハンディ」を単体で導入する場合
2名以上でハンディを単体で利用したい場合は、有料プランに加入することになります。
月額費用が発生するので、なるべく費用を抑えたプランにすべきです。ホールスタッフが3名だけなら、ユビレジが最も安くなりますが、4名以上のスタッフがいる場合は、スマレジが1店舗あたり12,100円で固定で最も安価に利用できます。
1店舗毎の契約のメリットは、アルバイトの増減にあわせて解約したり追加する必要があるので、店舗ごとに契約できる方がホールスタッフ人数が多い場合、ハンディ契約を管理する労力も少ない点にあります。
選び方③ POSレジとハンディをセットで導入する場合
ハンディだけでなく、POSレジとセットで導入する場合は、POSに以下のような飲食店向けの機能がついているかを事前に確かめます。
- オーダーエントリー
- テーブルオーダー
- モバイルオーダー
- 引換券機能
- 自動釣銭機連携
- セルフレジ対応
すぐにこれらの機能を使う必要がなくても、飲食店の事業の成長にあわせて、テーブルオーダーや自動釣銭機などが必要になる場合もありますし、また、会計システムやECサイトと連携する必要性が出てきた場合、最初から多機能で連携が得意なPOSレジを選んでおけば安心です。
これらの機能を満たす「スマレジ」は、クラウド型のPOSレジのため、多機能かつ高い拡張性を持ちながら費用も安いので、おすすめのPOSレジです。
ハンディを飲食店に導入する7つのメリット
スマートフォン・インストール型のハンディの導入には、以下のような7つのメリットがあります。
メリット① オーダーミスの減少
ハンディを使ったオーダー入力は、伝票に手書きする方法よりも正確でオーダーミスが少なくなります。
また、入力された情報はすぐにキッチンに伝わるため、お客様への料理の提供時間に大幅な改善が見込めます。
中長期的な視点で考えると、オーダーミスの少なさは新規顧客の初回体験にも直結します。初めての来店時にミスがなければ、顧客満足度が高まり、その後のリピートにもつながりやすくなります。
つまり、オーダーミスを減らすことは、単なる業務のミス防止ではなく、飲食店にとってはリピーターを増やすための“攻め”の施策とも言えるのです。
メリット② 業務効率化による人手不足の解消
ハンディを使うことで、注文の正確性と業務効率が高まります。
手書きの伝票に比べて、ハンディを使った注文入力はスピーディかつ正確です。入力後の内容確認や修正も簡単に行えるため、運用面でも扱いやすい点が特長です。こうした利便性により、紙の伝票に比べて少ない人員で多くのテーブルに対応できるようになり、結果として業務全体の効率化にもつながります。
メリット③ オーダースピードが早くなる
ハンディを導入することで、注文受付から調理開始までの流れがスムーズになり、注文管理や調理指示のスピードが向上します。これは料理の提供時間の短縮にもつながり、顧客満足度の向上にも寄与します。
顧客満足度を高めるには、本来「接客対応」や「料理のクオリティ」、「店舗の雰囲気」、「客層への配慮」など、さまざまな要素を整える必要があります。しかし、こうした要素を一度に改善するのは容易ではありません。
その点、ハンディを導入することで、確実に提供スピードと顧客満足度の向上につながるため、飲食店にとって最も取り組みやすい改善施策のひとつと言えるでしょう。
メリット④ 会計ミスが起きにくい
会計時にレジでメニューを一つひとつ手入力していると、忙しい時間帯には入力ミスが発生しやすく、金額の間違いや顧客とのトラブルにつながる可能性もあります。特にピークタイムでは、スタッフの焦りや混雑によってヒューマンエラーが起きやすくなります。
ハンディを活用すれば、オーダー時に入力した情報がそのままレジに転送され、会計時に自動で反映されるため、こうした入力ミスを防ぐことができます。
さらに、手動入力の手間が不要になることで、会計処理にかかる時間も大幅に短縮されます。これにより、回転率の向上だけでなく、スタッフの業務負担軽減にもつながり、店舗全体の業務効率化を実現できます。
メリット⑤ 売り切れ商品の注文を防げる
ハンディを活用すること絵、ホールスタッフがすぐに売り切れメニューの情報を共有することができます。
そのため、間違って売り切れ商品のオーダーを受けるということもなくなり、提供商品が無くなった場合には、顧客に迅速に「申し訳ございません。こちらのメニューの提供は本日終了しております。代わりにこちらはいかがでしょうか?」といった代わりの料理を“その場で”提案することもできます。
顧客が注文しようとした料理が提供できない場合、代替メニューを提案するタイミングを逃すと、「それならもう結構です」と断られてしまうことも少なくありません。そのため、提供できない商品の情報を注文時点で迅速に把握できれば、代わりの料理を提案するチャンスが生まれ、売上のロスを最小限に抑えることにもつながります。
メリット⑥ リアルタイムに売上を把握できる
ハンディを活用すれば、リアルタイムの集計や顧客管理も可能です。例えば、現在の総オーダー数やテーブルごとのオーダー状況なども、ハンディを持つスタッフ全員に共有されます。
また、各テーブルごとの滞在時間や利用時間も把握することできます。
リアルタイムで状況を把握できるようになると、スタッフや店長が売上向上のための行動を取りやすくなります。例えば、常連客の来店をすぐに把握して、タイミングよく追加オーダーを提案するなど、現場で即座に売上アップにつながる対応が可能になります。このように、データをもとにした行動が現場で実践できるようになることも、ハンディ導入の大きなメリットです。
メリット⑦ スマートフォン・インストール型のハンディに抵抗がない人が多い
飲食店で初めて働くスタッフ、特に若いアルバイトなどにとっては、大手チェーンで使われている「PDT(ポータブルデータターミナル)」のハンディよりも、「スマレジ・ウェイター」のような、スマホにインストールして使うタイプのハンディの方が馴染みがあります。
使い慣れたスマホのUIがベースになるため、新人アルバイトでも少しトレーニングをすればハンディを使いこなせるようになるはずです。スマレジ・ウェイターの実際の画面など、詳しい操作情報は下記公式ホームページをご覧ください。
普段から馴染みのあるスマホでハンディを使えることで、ストレスなく自信をもって接客ができるようになるため、アルバイトの離職率防止にもつながるのです。
キッチンモニターを導入すれば、さらに効率化も
通常、ハンディを導入する場合はキッチンプリンターと連動させ、スタッフが注文を受けると自動的にキッチンプリンタから注文伝票が印刷され、その伝票をもとに調理担当者が料理をします。
つまり、実際の動きとしては、調理の手を止め、プリンターから出力された伝票を確認する作業が発生します。
しかし、キッチンモニターを導入すれば、調理担当者は手を止めることなくモニターを見ながら料理をすれば良いので、さらに効率が高まります。
キッチンモニターの導入は難しそうに思えるかもしれませんが、スマレジでは専用アプリ「キッチンモニター」をダウンロードすれば、PCやタブレットの画面をキッチンモニターにすることができます。
「キッチンモニター」は、下記の「スマレジ・アプリマーケット」より、無料でダウンロードすることができます。
キッチンプリンターの購入には、一概には言えませんが8,000円~5万円程度かかります。もし店舗用のタブレットをすでに所有している場合は、タブレットにキッチンモニターのアプリを導入して使う方が安くなる場合もあります。
一度に大量の注文が入った場合のハンディの使い方は「オウム返し」が有効
注文を効率的に処理できるハンディを導入したとしても、例えば10名を超えるテーブルで、以下のように多くの人が次々と注文をすると、ハンディで一気に対応することはできません。
そこでスタッフには、ハンディを利用して注文を取る際には「オウム返し」を徹底させてください。以下のように、顧客の注文をスタッフがオウムのように繰り返すテクニックです。
スタッフ「はい、ビールがおひとつ」
お客さん「私ウーロン茶!」
スタッフ「ウーロン茶がおひとつ」
そうすると、注文に一定のリズムが生まれ、顧客はスタッフの注文確認がないと、続けてオーダーしなくなりやすいため、注文が確実に取れるようになります。
しかし、飲み放題メニューとなると、お客さんもアルコールが入っているため、オウム返しを無視して、次々と注文を連呼してくるケースもしばしばあるので、スタッフが大きな声でオウム返しをして、オーダー管理をしっかりしなくてはなりません。
どうしてもメニュー1点ずつのオウム返しが難しい場合は、すべての注文が終わった後に、必ず読み上げ確認を行うようにしましょう。
スマホ端末に「ハンディアプリ」だけを入れるのはもったいない!SNSやメモ帳も入れよう
iPhoneやiPod touchにハンディアプリだけを入れて利用するのはもったいない使い方と言えます。スマホである利点を活かして、空いた時間を利用して、スタッフにInstagramなどのSNS投稿を積極的に行ってもらうのもひとつの手です。
例えば、「本日のおすすめメニュー」を撮影して投稿したり、新メニューを紹介するなど、店舗の魅力を発信するコンテンツとして活用することができます。そうすることで、ハンディ端末をより有効活用できるようになります。
ただし、SNS運用においてはアルバイトスタッフによる不適切な投稿が炎上につながるリスクもあるため、事前に投稿ルールを定め、適切な教育を行っておくことが重要です。
このような使い方ができるのは、スマートフォンをベースとしたハンディ端末ならではの強みであり、大手チェーンでよく使われる「PDT(ポータブルデータターミナル)」のハンディにはない柔軟性のある機能と言えます。
ハンディとPOSレジの使い方
ハンディは、ホールとキッチンの連携だけでなく、POSレジと組み合わせて使うことで、さらに利便性が高まります。
POSレジは、商品・数量・価格・販売時間といった情報を一元管理できるシステムで、売上分析や在庫管理などの高度な機能を備えた製品も多くあります。
ハンディとPOSレジを連携させることで、ホールスタッフが入力した注文内容が自動でPOSレジに反映されるため、会計時に改めて注文内容を入力する必要がなくなります。その結果、レジ業務の効率が大幅に向上し、入力ミスの削減にもつながります。
スマレジでは、POSレジ導入を検討している方に向けて「業種別 POSレジの選び方・比較の資料」をご用意しています。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください!
ハンディの端末を導入してみよう!
ハンディは飲食店の業務を大幅に効率化できる便利なシステムです。手書きの伝票に手間や効率の悪さを感じている場合は、ぜひ導入を検討してみましょう。
スマートフォンをハンディ端末に利用できるシステムなら、手軽に導入できます。さらに、POSレジと連携させればより便利に活用できるので、POSレジの導入も併せて検討してみてください。
また、POSレジのオプション機能のひとつとしてハンディが搭載されていることが多いので、そのようなサービスを利用するのもおすすめです。
詳しくは下記のスマレジ公式ホームページをご覧ください。
先に紹介したとおり、「スマレジ・ウェイター」はシンプルなオーダー管理とテーブル管理だけであれば、無料プランで利用できます。
ハンディ単体での導入も可能ですが、クラウドPOSレジアプリ「スマレジ」と連携すれば、より店鋪運営の効率化につながるので、ぜひあわせて活用してみてください。