スマレジコミュニティのプロジェクトオーナーをしております真鍋です!11月に開催したスマレジユーザー会「アキナイラボ」Meetupの様子をご紹介いたします。
「アキナイラボ」Meetupはお店の運営に関わる人が参加しているユーザーコミュニティ。毎回店舗運営にまつわるテーマを掲げて、みんなで知見をシェアする場です。
Facebookのグループもありますので、興味がある方はぜひ参加してくださいね!
「アキナイラボ」Meetup福岡 第4回目は、11月28日に福岡のスマレジショールームにて開催しました。
テーマは「自社サービスのブランディングと、お客さんへの顧客体験の創出について」です。
ブランディングと一言で言っても、その領域はとても広く、社外だけでなく社内へも活動が必要です。各社がどのような活動を行っているのか、大阪で開催された同テーマのユーザー様の事例をシェアしながら福岡の皆さんとディスカッション。その様子をお届けします。
この記事の目次
株式会社EBILAB 常盤木 龍治さん
まずはユーザー会でお馴染み、株式会社EBILAB 取締役ファウンダー CTO CSOの常盤木 龍治さん。
常盤木さん自身、様々な企業でDX推進を行っており、経験や勘に頼っていた経営をITの力で変革すべく、現在20社以上の企業の支援をしながら世界中に活動の場を広げています。
その中の1社でもある、創業約150年の老舗「ゑびや」のブランディング事例をお話いただきました。
老舗企業は変革し続ける 伊勢から変革する理由
ゑびやは三重県伊勢市の伊勢神宮内宮にほど近い場所で、観光客をメインに飲食店を営む創業約150年の老舗。
昔ながらのそろばん計算や、手切り食券で経営をしていたことに課題を感じた社長と共に、2013年から改革に乗り出し、今やITを駆使して劇的に大変革を成しとげました。
そんなゑびやはメディア戦略を経営戦略のコアコンピタンスにしていると言います。それはなぜか。
理由はゑびやが伊勢にあるから。地方に店があるからこそ、メディア戦略を駆使して人を呼び込む必要があるため。
観光地で人が多く訪れる立地、ということに甘んじるのではなく、ゑびやに来ることを目的にした人たちをどう作るのかを、経営戦略としているとのことでした。
DX化に踏み切った大きな理由は地震?
そもそもゑびやが、DX化に大きく舵を切った理由の一つが“南海トラフ巨大地震”だと話す常盤木さん。
お店がある伊勢では、もし地震が起こった時に飲食店の運営を止めることになります。そうなれば飲食店で働くスタッフの雇用が守れなくなる。伊勢神宮の近くにある飲食店、というだけではその場所に依存したビジネスモデルになるため、地震が起こった場合売上がなくなってしまいます。そこで他事業の展開としてDX化に踏み切ることに。
今目の前にある課題だけではなく、長期的な視点で経営の課題を見つけ、今から手を打つことは、頭では理解していてもなかなか経営判断しにくいとは思います。そういう取り組みが今のゑびや全体のブランディングに繋がっているんですね。
一個のコアビジネスに縋っているだけでは自然災害や大きなリセッションが起こった時に雇用が守れない。そういう思いからDX化に舵を切り、データ経営にシフトしてから利益は10倍にもなったというから驚きです。
地方から発信し続けるブランディング
コロナ禍以降の取り組みとしてInstagramを開始したそうですが、自社アカウントではあまり投稿していないそう。その一方でお店にはハッシュタグを置き、お客様に投稿してもらうように促しているんです。
なんと参考にしているのは、高級ブランドのSNS戦略だそう。お客様自身が投稿したくなるようなお店作り、商品作りに注力しているからこそできる戦略ですね!
その他にも、YouTubeで日々の店舗に活かせるデータ分析についての動画を配信したり、従業員のスキルに合わせた研修を行い、社内外に対してブランド力を向上させる取り組みを行っているとのことでした。
中でも印象的だったのが、客単価のお話。
データ活用によって判明したそうなのですが、お土産単価の平均は男性が1,000円、女性はなんと3,000円!
男性は持ち運びしやすいちょっとした物を買う傾向が高く、女性は値段が高くても“地元の良いもの”を買う傾向が高いとのこと。とっても納得感があります。
その傾向を元に、お店の外に出す商品のディスプレイ方法を変えたりと工夫を凝らすことで、「伊勢に行ったら必ず立ち寄りたくなるお店」を実現しているのではないでしょうか。
秘密基地 岡 浩平さん
続いてお話いただいたのは、JR小倉駅から徒歩3分のコワーキングスペース「秘密基地」を運営する岡 浩平さん。
地方の新しいコミュニティスペース「秘密基地」
北九州市の小倉駅近くにある「秘密基地」というコワーキングスペースでは、地元の人が集い、シェアオフィスとしての機能も持ちながら、さまざまな地元課題の解決や新規事業など、新しいビジネスチャンスについて意見交換しているそうです。
新しいビジネスのサポートがしたくて、コワーキングスペースをスタート。そこからコミュニティが生まれ意見交換しているうちに、イベントをやってみたいという話が出て、コワーキングスペース発信のフードイベントを開催されたそう!
ちょうど、行政からも人の流れを作りたいと相談を受けていたタイミングだったそうで、場所とテントを貸してもらい、コンテンツは自分たちで作る。コンセプトは「プロが集まるイベント」。
当時はB級グルメのイベントが多く、せっかく集まるなら地元の名店やシェフを集めてイベントをしよう!と思いついたとか。
そしてイベント当日は35,000人の人…!地元の人たちとのコミュニティの強さを感じます。
コワーキングスペースの枠を超えた取り組み
「色々なことをやっているので、初めて会った人とは背景の説明がいるんです」と話す岡さん。そこでお互いの言葉揃えができる場として「創生塾」をスタート。
参加者は高校生から年配の方まで様々、テーマもビジネスの始め方など参加者や時流に合わせて決めているそう。
現在では延べ16,000人以上の受講者を輩出する、北九州では一目置かれるビジネスの発展の場に成長。中でも印象的だったのは、受講生の中から次の講師を担当してくれる方が現れ、コミュニティが循環しているということ。
受講して自分自身が成功体験を経験していないと出来ないことだと思うので、受講生の方々の満足度が高さを感じました!
ユーザー会を終えて
今回福岡で4回目の開催となりましたが、今回も本当にたくさんの方にお越しいただきました。
参加者の皆さん、本当にありがとうございました。
次回の開催が決まり次第、Facebookのグループでシェアしますので、登録がまだの方や興味のある方は是非グループにご参加ください!