「POSレジや業務効率化のためのITツールを利用したいけど、コストが高いので導入を後回しにしている」という方も多いのではないでしょうか。
設備の導入コストがネックになっている場合は、各種補助金や助成金の活用を検討してみてください。
本記事では、IT導入補助金をはじめ、POSレジ導入時に活用できる補助金・助成金制度を紹介します。それぞれの制度について概要・スケジュール・申請方法を徹底解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
この記事の目次
補助金や助成金はPOSレジ導入の対象になる?
国や自治体が実施する補助金や助成金にはさまざまな種類があり、新規店舗のオープンや既存の事業継続のために活用できるものがないか探している方も多いでしょう。
近年ではIT設備を整えるためのシステム導入などに使える補助金・助成金もあり、POSレジの導入費用を対象としているものもあります。
POSレジの導入費はタブレット型で10〜30万円、ターミナル型になると100万円以上かかるケースもあり、多くの費用が必要です。補助金・助成金を使えば導入費の一部について補助を受けられる可能性があるため、POSレジ導入のための費用負担を少しでも軽くしたい方は活用を検討してみましょう。
以降でPOSレジの導入時に使える補助金・助成金を紹介します。
POSレジを導入する際に使える補助金・助成金
POSレジを導入する際に使える補助金・助成金として、以下の4つが挙げられます。
- IT導入補助金2023
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- 業務改善助成金
これらの補助金・助成金について、以下で概要・スケジュール・申請方法をそれぞれ紹介するので、申請する際の参考にしてください。
IT導入補助金2023
IT導入補助金2023は、中小企業や小規模事業者が労働生産性向上を目的としてITツールを導入する際に利用できる補助金制度です。
ソフトウェアやアプリ、セキュリティツールのほか、パソコンやレジなどハードウェアの購入費用も補助の対象となっています。
ITツールの導入目的や種類によっていくつかの申請枠が設けられており、補助率は利用する枠によって変わってきます。以下で、申請枠や受給条件など詳しい内容を見ていきましょう。
概要
IT導入補助金2023には、次の3つの申請枠があります。
- 通常枠
- セキュリティ対策推進枠
- デジタル化基盤導入枠
POSレジ導入時には、デジタル化基盤導入枠を利用します。デジタル化基盤導入枠はソフトウェア購入費やクラウド利用料に加えて、ハードウェア購入費や事務費、外部専門家謝金なども対象で、レジ等の購入に関する補助率は1/2以内、上限額は20万円です。
IT導入補助金2023に応募するには、以下の要件を満たしている必要があります。
- 中小企業・小規模事業者であること
- 日本国内で法人登記されていること
- 従業員に地域別最低賃金以上の賃金を支払っていること
など
スケジュール
IT導入補助金2023は、いずれの申請枠も応募締切日が2023年7月31日(月)17:00、交付決定日が2023年9月12日(火)となっています。
交付が決定した場合は2023年11月30日(木)17:00までに対象事業を実施し、事業実績報告を行う必要があります。
IT導入補助金2023は申請枠ごとに複数の応募枠を設けており、上記スケジュールは前期事務局の実施分です。8月1日以降の申請については後期事務局が担当し、後期の応募枠のスケジュールは8月1日以降に後期事務局のホームページにて公開される予定です。
申請方法
IT導入補助金2023の申請フローは、以下のとおりです。
- 補助事業の内容や公募要領の確認
- 導入するITツールとIT導入支援事業者の選定
- 「gBizIDプライム」アカウントの取得
- 「SECURITY ACTION」の実施
- 「みらデジ」の「経営チェック」の実施
- IT導入支援事業者からの招待を受けて申請
- ITツールの発注・契約・支払い
IT導入補助金2023を利用するには、まず導入するツールと導入時にサポートを受けるIT導入支援事業者を決めてください。次に、交付申請の前に必要なアカウントの取得などを行います。
交付申請のページにアクセスするには、IT導入支援事業者から招待を受ける必要があります。申請マイページへの招待を受けたら、必要事項を入力して申請手続きを行ってください。
事務局から交付決定を受けたら、ITツールの発注・契約・支払いを行います。交付決定の連絡が届く前に発注などをしてしまうと補助金が受けられないため、注意しましょう。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や生産性向上といった経営を持続させるための取り組みに対して支援を行う制度です。レジ会計や売上管理の効率化に役立つPOSレジの導入も、この制度の対象となります。
以下で、小規模事業者持続化補助金の申請枠や受給条件など詳しいポイントを見ていきましょう。
概要
小規模事業者持続化補助金には、以下の5つの申請枠が用意されています。
- 通常枠
- 賃金引上げ枠
- 卒業枠
- 後継者支援枠
- 創業枠
通常枠以外の枠には、賃金引上げ枠は「事業場内最低賃金や最低賃金より+30円以上」、卒業枠は「雇用を増やして小規模事業者の従業員数を超える」など、特定の条件があります。
すべての枠に共通する対象者は、以下に該当する法人・個人事業・特定非営利活動法人です。
- 商業・サービス業:常時使用する従業員数が5人以下
- 宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員数が20人以下
- 製造業その他:常時使用する従業員数が20人以下
上記以外にも、法人の場合は「100%株式を保有している企業の資本金が5億円を超えない」など複数の要件が設けられています。
通常枠の補助率は2/3、補助上限は50万円です。また、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する場合は、インボイス特例として補助上限が50万円上乗せされます。
スケジュール
小規模事業者持続化補助金の13次受付は、以下のスケジュールとなっています。
- 申請書類の受付締切:2023年9月7日(木)(最終日当日消印有効)※電子申請の場合は当日中
- 事業支援計画書発行の受付締切:原則2023年8月31日(木)
- 採択結果公表:後日案内
- 補助事業の実施期間:交付決定日から2024年7月31日(水)まで
申請方法
小規模事業者持続化補助金の申請フローは、以下のとおりです。
- 申請書類の用意
- 地域の商工会・商工会書で「事業支援計画書」の作成・交付を受ける
- 電子申請もしくは郵送で必要書類を提出
- 採択・交付後に補助事業の実施
本事業は小規模事業者が商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む事業のため、必要書類の一部は商工会・商工会議所の作成・交付を受ける必要があります。また、申請先は商工会・商工会議所地区ごとに異なるため、注意しましょう。
電子申請の場合は補助金申請システムのアカウント取得が必要です。アカウントの取得には数週間程度かかるため、電子申請を利用する方は早めに登録しておきましょう。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業や小規模事業者が取り組むサービス開発や生産プロセスの改善などを行うための設備投資を支援する制度です。
ものづくり補助金の申請枠や受給条件について、以下で詳しく見ていきましょう。
概要
ものづくり補助金の申請枠は、以下の5つです。
- 通常枠
- 回復型賃上げ・雇用拡大枠
- デジタル枠
- グリーン枠
- グローバル市場開拓枠
POSレジの導入については、基本的に通常枠を利用します。通常枠の補助率は1/2(小規模・再生事業者は2/3)で、補助上限額は750〜1250万円です。
ものづくり補助金の申請には3〜5年の事業計画書が必要で、以下の要件をすべて満たす内容となっていなければなりません。
- 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
- 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
事業計画書に記載した要件が未達だった場合、あらかじめ定められた返還規程に則った金額の返還が必要です。
スケジュール
ものづくり補助金の15次締切の応募スケジュールは、以下のとおりです。
- 公募開始日:2023年4月19日(水)17時
- 申請開始日:2023年5月12日(金)17時
- 申請締切日:2023年7月28日(金)17時
採択通知は9月下旬を目処に届く予定で、その後1ヶ月程度で交付申請・交付決定となります。交付決定から10ヶ月以内に補助事業を実施し、実施後1ヶ月程度で確定検査を受けて交付額が確定し、補助金請求後に支払いが行われます。
15次締切後も2024年にかけて切れ目なく公募を実施する予定となっています。7月29日以降の申請を検討している方は、ものづくり補助金総合サイトの案内をチェックしてください。
申請方法
ものづくり補助金の申請フローは、以下のとおりです。
- GビズIDプライムアカウントの取得
- インターネットから電子申請
- 採択通知を受けて交付決定後、補助事業の実施
ものづくり補助金のすべての手続きは、100%電子化しています。そのため、申請を予定している方は、まず申請に必要なGビズIDプライムアカウントを取得してください。アカウントを取得すると電子申請システムにログインできるようになり、申請手続きを進められます。
システムの操作方法がわからない方のために、サポート窓口「ものづくり補助金事務局サポートセンター」が用意されているため、電子申請に慣れていない方は活用しましょう。
業務改善助成金
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を30円以上引上げ、生産性向上のための設備投資等を行った中小企業・小規模事業者を対象に、設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。
「設備投資等」には、POSレジやリフト付き特殊車両など実際の設備のほか、国家資格者による経営コンサルティングや業務効率化のための店舗改装なども含まれます。
以下で、業務改善助成金の受給条件などについて詳しく見ていきましょう。
概要
業務改善助成金の対象となる中小企業・小規模事業者とは、以下に該当する事業者のことです。
- 業種
- 資本金または出資額
- 常時使用する労働者
- 小売業
- 5000万円以下
- 50人以下
- サービス業
- 5000万円以下
- 100人以下
- 卸売業
- 1億円以下
- 100人以下
- その他
- 3億円以下
- 300人以下
上記を満たしたうえで、申請には以下の要件が設けられています。
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内
- 解雇・賃金引き下げなどの不交付事由がない
これらの要件を満たした事業者は、工場や事務所など労働者が存在する事業場ごとに申請を行います。
助成率と助成上限額は、事業内最低賃金の引上げ額や賃金を引上げる労働者数、実際の賃金によって細かく指定されているので、詳しくは厚生労働省の資料をご確認ください。
スケジュール
令和5年度の業務改善助成金は、以下のスケジュールとなっています。
- 申請期限:2024年1月31日
- 事業完了期限:2024年2月28日
やむを得ない事由がある場合は、任意の理由書を添付することで事業完了期限を2024年3月31日まで延長できる可能性があります。
また、過去に本事業を活用したことがある事業者も、要件を満たしていれば令和5年度分にも応募が可能です。
申請方法
業務改善助成金の申請フローは、以下のとおりです。
- 交付申請書・事業実施計画書を提出
- 交付決定
- 申請内容に沿って事業を実施
交付申請書等の提出先は、管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)です。また、GビズIDを取得すればjGrantsによる電子申請も可能です。
交付決定前に設備導入を実施した場合は助成の対象とならないため、助成を受けたい設備は必ず交付決定後に購入するようにしてください。
IT導入補助金2023はクラウドPOSレジ「スマレジ」も対象!
POSレジの導入とIT導入補助金2023の活用を検討している方は、クラウドPOSレジの「スマレジ」がおすすめです。
例えばスマレジと必要な機器のセットを導入する場合、IT導入補助金2023を活用すれば通常導入費用が約41万円のところ、実質負担額を約15万円まで抑えられます。
また、アプリタイプのスマレジはタブレット端末さえあればPOSレジの利用を始められるので、そもそもの導入費用を比較的安く抑えられるのもメリットです。
導入店舗は12万店を突破し、業種・業態・規模を問わず幅広い店舗で利用されています。基本機能を備えたスタンダードプランなら月額料金0円で利用でき、導入費・運用費ともに抑えられるので、ぜひご活用ください。