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お店ラジオ 2023/06/16 2024/03/14

ゴーストレストラン 新しい業態への挑戦

about

「お店ラジオ」は、店舗経営にまつわるトークラジオ番組です。小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届けしています。この記事は、InterFMで毎週日曜日にお送りしている「お店ラジオ」で放送された内容を未公開放送分も含めて再編集したものです。

今回のゲストは、バーやお好み焼き屋、テイクアウト&デリバリー、ゴーストレストランなど新しいスタイルでの飲食店を展開されている株式会社祐貴那 代表取締役社長のはるな愛さんです。はるな愛さんが上京して最初のバーを出店されてから子ども食堂を展開されるまでを3回に分けてお送りします。

第1回は、上京からバーの出店、“エアあやや”の誕生までをお送りしました。
第2回は、お好み焼き屋の出店についてお送りしました。
第3回は、ゴーストレストランという新しい業態へのチャレンジについてお送りします。

 

この記事の目次

  1. コロナ禍での生き残り戦略
  2. ゴーストレストランという新しい業態との出会い
  3. ゴーストレストランとお好み焼き屋の両方の経営
  4. 今後はレトルト食品ではなく母の味の価値があがる!?
  5. 路面店へのこだわり“気持ちよく配達してもらいたい”
  6. はるな愛のお店としてのプロモーション
  7. 「子ども食堂」は見えない貧困を支える新しい取り組み
  8. はるな愛さんにとってお店とは

 

コロナ禍での生き残り戦略

コロナの時は本当に大変でしたが、今も影響は続いていると感じています。東京の家賃は高いため、コロナ禍では非常に負担でしたが、国からの支援が入りましたので、毎月の赤字は少しで抑えることができました。しかし、今になってもなかなかお客さんが戻って来ないように思います。

そんな大変な時期でしたが、コロナ禍ではいろいろと考えて店舗を大きくリニューアルしました。今後は営業が難しくなるだろうと考え、2020年5月に三軒茶屋のお好み焼き・鉄板焼きの「A.garden」を沖縄料理店として移転&リニューアルオープンさせ、2021年10月には1店舗目の「Bar ANGEL NEST」をテイクアウトができるたこ焼き屋にリニューアルしました。

 

ゴーストレストランという新しい業態との出会い

また、その頃TBSテレビの「がっちりマンデー」に出演させていただいていて、来られた方と名刺交換をさせていただいていました。その中に、デリバリーフードサービスのシステム開発に携わっているIT系企業の方々がいらっしゃいました。その方々から、最近はデリバリーが増えていること、また、実店舗のないゴーストレストランを営業される方が多くなっているということをお聞きしました。

それを聞いて、私の店舗もお好み焼き屋が空いている時間はゴーストレストランとして料理を提供する事業を始めることにしたのです。

 

ゴーストレストランとお好み焼き屋の両方の経営

お好み焼き屋の裏でゴーストレストランを始めてからは、玄米やメキシコ料理などいろいろな料理をやっていました。その中に鳥の胸肉の料理があったんですが、お好み焼き屋なのにチキンの胸肉ばっかり入っていると、お客さんからクレームが来てしまったことがありました。営業としては両方やらないといけませんから、対応を考えた結果、テイクアウトの専門店をオープンすることにしたのです。

また、以前私がロケに行ったときに、0.01ミリの削りたての鰹節をご飯にのせたものを頂きました。それが涙が出るぐらい美味しかったので、じゃあ、うちでも導入しようということで、YouTubeで御縁のあった会社にお願いして設備を導入し、テイクアウト&デリバリーの専門店を世田谷にオープンしました。

現在はゴーストレストランの料理もテイクアウトの料理もやっていますが、今後はテイクアウトをもう少し広げたいと考えています。実際に、お店に来られるお客さんの数よりもテイクアウトの方が増えているのが現状で、テイクアウトが多いというのは私にとっては少し寂しい状況ではありますが、ビジネスとしてはテイクアウトを広げていきたいと考えています。

一方で、こういう時代だからこそ人と人の繋がりを大切にしたい方もいらっしゃると思いますので、バーやスナックをもう1度やりたいとも思っています。

 

今後はレトルト食品ではなく母の味の価値があがる!?

今後もテイクアウトの需要は高まっていくだろうと思っています。そうなると、ゴーストレストランの事業は今後も拡大すると考えています。ただ、メニューは美味しいのですがレトルトの食品が多いので、もう少し手作り感を出すことができればさらに良くなるのではないかと考えています。

おそらく、「お母さんの味」に戻っていくと思うんです。ゴーストレストランの美味しいメニューは計算されたものではありますが、それに加えて手作り感があるメニューも同時にやっていきたいと周囲の人と話しています。

 

路面店へのこだわり“気持ちよく配達してもらいたい”

私がゴーストレストランをやっている地域でも、「ファミリー層が多いので、このメニューは売れる・売れない」といったデータは収集できます。そのため、データを基に注文の少ないメニューは入れ替えを検討しています。ちなみに、今は中華料理やハヤシライスなどをやっていますが、すでにかなり楽にできるようになっていて、1人での作業が可能になっています。

ゴーストレストランの収支は家賃や売上、場所によりますから、店舗によってまちまちだと思います。他店ではエレベーターがなく階段しかない店舗でされていたり、マンションのような店舗でやっているお店もあったりします。

ただ、私は階段しかない店舗で、配達してくれる方から「あそこは受け取りに行くのが嫌だな」と思われたくないですし、どうせ受け取りに来てもらうのであれば気持ちよく配達してもらいたいですから、できる限り路面店にしたいと思っています。

路面店だとそのような店舗に比べると家賃は少し高いですが、ゴーストだから多少人通りが少なくてもいいんです。人件費などの固定費も普通の飲食店ほど必要ではありません。いきなり店舗を構えて固定費を厚く抱えてしまうと、お客さんが来なかったときに大変です。

なので、飲食にチャレンジする際は、1回クッションとしてゴーストレストランを運営してみるのは良いかもしれません。皆さんにもぜひチャレンジしてもらいたいです。

 

はるな愛のお店としてのプロモーション

私が運営するお店は全て“はるな愛のお店”ですから、はるな愛に会えるというプロモーションの方法もあると思います。

しかしそういったプロモーションで集客をすると、最初ははるな愛に会いにお客さんが来てくださるんですが、1度きたら満足されてしまいます。そのため、良くも悪くもお店が私のイメージに染まってしまうことが無いように、お店に自分の名前は絶対に入れたりはしないようにしています。

 

「子ども食堂」は見えない貧困を支える新しい取り組み

最近の新しい取り組みとして、子供食堂をやっています。

以前、子ども食堂のNPOの方に会った時に、見えない貧困というのが本当にたくさんあることを教えていただきました。裕福なイメージのある世田谷にも、多くの貧困世帯がいらっしゃいます。

そのお話しをお聞きした時、うちは店舗があるからやりたいですと伝え、この事業を始めました。

うちの店舗の近くには子供の施設があったので、施設の子どもたちを無料でご招待して、外食を味わってもらうイベントを行いました。スタッフの方からも、こういう場があって嬉しいですというお声をいただいています。その後、地域の人たちが立ち寄ってくれるようになったり、大学生もボランティアに来てくれて、人が集まるイベントもやっと再開することができました。この間も子供食堂に行って来たのですが、多くの近所の子供たちが来てくれました。

 

はるな愛さんにとってお店とは

私にとっての店はエンターテイメントです。

この店に来てよかったと思って帰ってもらいたいので、味や店内のキレイさ、ご食事を提供する時間など、「お客さんから預かる時間」というのを大切にしています。

それは、はるな愛が出ているからテレビを見ようかといってその時間をいただいたのと同じで、それらの期待に応えていくというのがお店かなと思っています。

 

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執筆 アキナイラボ 編集部

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