皆さんこんにちは、スマレジ福岡ショールームの田中 潮と申します。
私は過去3度にわたり、アメリカの優良小売店へ視察に行った経験があります。
今回はその中から、ターゲットマーケティングがしっかりと行われている「セントラルマーケット」というお店について皆さまにお伝えしようと思います。
この記事の目次
ターゲットマーケティングとは?
ターゲットマーケティングとは、簡単に言うと「誰に」「何を」「どのように」という順番で販促のストーリーを創ることです。
「誰に」:お店にとって理想的な顧客像(ペルソナ)を決める。
「何を」:ターゲット客に提供する価値を決める。
「どのように」:価値を提供する手段を決める。
セントラルマーケットの概要
このお店を最初に取材したのは2007年9月15日のことで、ワシントン州はミルクリークにあるお店でした。
経営者がハワイ系の日本人ということで、アメリカのスーパーマーケットとは異なるコンセプトと、インターナショナルな商品開発が行われています。
このエリアは、高卒以上の学歴を持つ人々が96.4%、更に学士を持っている人が48%で、比較的高所得者層が多いのが特徴で、もうひとつの特徴は、アジア人が多く住んでいることです。
したがって当然、ターゲット客は比較的高所得なアジア人となります。
セントラルマーケットのお店づくり
そこで、魚好きなアジア人向けに、市場(いちば)をイメージしたお店づくりを行っています。
青果も地元の市場から毎日仕入れており、当然のごとくハイパーローカルですが、、ターゲット客に合わせて、アジア人向けの野菜(チンゲン菜など)売場も揃えており、ターゲット顧客に最適化されているのが、お店全体を通じて伝わってきます。
また、2007年にこのお店を訪問した際は「オーガニック ソリューションコーナー」がありました。
まだ「オーガニック」食品が普及していない時代に、セントラルマーケットはターゲットである高所得者層に食育を行っていたのです。
しかし、2016年に同じお店を訪問した際には、その専門コーナーが無くなっていたのが印象的でした。
もはや「オーガニック」は革新的スーパーでは当たり前となっており訴求力に欠けるので、お店のターゲット客に合わせ「深化」させた独自性が必要な時代になったということです。
その独自性として圧巻だったのが・・・鮮魚売り場です!
日本人が見ても純粋に素晴らしいと思える新鮮で豊富な魚が並んでいます。また、このセントラルマーケットの最大の特徴である「生簀」にはカニやロブスターが。
アメリカの小売業の特徴であるクロスマーチャンダイジング(関連商品販売)はここでも展開されていました。
また、生簀の側には、食卓への盛り付けまでを提案してくる可愛い食器やテーブルクロスなどの関連商品が陳列されています。
「食材提供者」から「食事提供者」への深化
「食材」提供者ではなく、「食事」提供者としての売り場づくりを店舗全体で感じることができます。
セントラルマーケットでは他のオーガニックスーパーと比べても魚を使ったお惣菜が多かったので、お昼にお寿司を頂きましたが、日本人の私が食べてもお世辞抜きに美味しかったです。
それもそのはず、このお店には日本人が4人も勤務しているおり、自前で作っているそうです。
ターゲット顧客に合わせて売り場も商品も、従業員にいたるまでも最適化・独自化しているセントラルマーケット。他の平均化されたチェーン店にはない魅力がこのお店にはありました。