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お店ラジオ 2022/04/13 2023/05/12

内定者最終研修は雪中キャンプ!? ハイエンドなアウトドアブランド “スノーピーク”

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「お店ラジオ」は、店舗経営にまつわるトークラジオ番組です。小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届けしています。この記事は、InterFM・FM大阪で毎週日曜日にお送りしている「お店ラジオ」で放送された内容を未公開放送分も含めて再編集したものです。

今回のゲストは、ハイエンドな商品を展開する大人気アウトドアブランド「スノーピーク」の代表取締役会長、山井太さんです。

近ごろブームとなっているキャンプですが、それを牽引してきたと言っても過言ではないスノーピーク。圧倒的な先見の明を持つ山井さんは、一体どのように考えて経営をしてきたのでしょうか。

山井さんのお話を紹介する1回目は、キャンプ事業を始めようと思った理由です。そこには山井さんの大好きなキャンプに対する不満が隠されていました。

 

この記事の目次

  1. 社員は全員キャンパー!ハイエンドなアウトドアブランド「スノーピーク」
  2. 「長く使ってほしいから」全商品永久保証付き
  3. 修理は2日以内!キャンプ好きに合わせたこだわりのスケジュール
  4. 初心者をキャンプにいざなうため、現場には店員を配置
  5. 父の会社で社内起業。5年でなんと売上25億円!?
  6. キャンプは好きだったが、一つ大きな不満があった
  7. 車は時代の空気を反映する
  8. 商品を置いてもらおうとするも、コンセプトが理解されない

社員は全員キャンパー!ハイエンドなアウトドアブランド「スノーピーク」

スノーピークはハイエンドなアウトドア製品の開発・製造・販売を展開するアウトドアブランドです。

社員数は800人ほどで、その全員がキャンパーということがこの会社の大きな特徴です。経理などのキャンプに関係ない部門だとしても、みんなキャンプをやっています。

衣食住働遊」というスローガンを掲げて新しいカテゴリーに挑戦もしているのですが、ベースにはキャンプの力を信じるカルチャーがあり、それに共感してくれた人が集まっています。
募集要項にもしっかりと書いてありますし、内定者の最終研修が雪中キャンプだったりもするので、自然と社員はキャンプ好きな人だけになります。

 

「長く使ってほしいから」全商品永久保証付き

スノーピークの製品には全て永久保証がついています。
1年などの期限を設けず我々が修理もしくは交換をするサービスです。

これは「長く使ってほしい」という気持ちの表れです。先日も30年前に買ったという商品を修理してほしいという依頼がありました。
そんなに長く使っているなら買い替えてしまえばいいのに、と思うかもしれませんが、その商品にはお客さんの思い出がたくさん詰まっているはずです。
だからそのような状態でも極力修理するようにしています。

起こりうる最悪のコンディションでテストを行うことから品質には自信があるので、修理をすればとても長い時間使うことができるのです。
修理・交換はすべての店頭でご相談いただけます。

例えば、ストーブやランタンなどの燃焼器具のノズルが詰まったという簡単なものであれば店頭で修理ができますし、その場ですぐに対処できないようなものは、サービスセンターでお預かりして修理します。

 

修理は2日以内!キャンプ好きに合わせたこだわりのスケジュール

修理にはスピードのこだわりもあります。「修理は2日以内で終わらせる」というものです。これがとても重要だと考えています。

例えば土日にキャンプに行って、そこで不具合が起こったとします。
そこで月曜日にお店に持っていくと、アフターサービスに届くのは火曜日です。そして2日後、つまり木曜までに修理が完了し、最終的に金曜日に店頭でお客さんが受け取れる、という仕組みです。これなら、なんと次の土日のキャンプに間に合うのです。

毎週キャンプに行くようなキャンプ好きに合わせたスケジュールとなっているということです。

 

初心者をキャンプにいざなうため、現場には店員を配置

店舗は、社員が張りついているところだけでも100カ所くらいあります。直営店は40カ所くらいで、スポーツ量販店などの一部を借りてお店を出す形態をとっている店舗が60カ所くらいです。

このお店の一部を借りるというのは、例えばアルペンさんやワイルドワンさんなどの中にうちのコーナーがあり、うちの店員もいるということです。
これはかなり珍しい形態で、始めた当初は我々くらいしかやっていませんでした。

現場に店員を置くことにはこだわりがあります。
初心者がキャンプを始めることのハードルはかなり高く、どのグッズを買えばいいのか分からないのが普通です。そんなとき質問ができる店員がいるだけでもとても助かるはずです。
このように初心者のお客さんにも親切な売り場が存在することは、キャンプの振興に貢献しているのではないかなと思っています。

スポーツ業界の1坪あたりの売上はそこまで高くなく、95~105万円くらいが普通です。しかし、うちは連続で250万円を達成しています。
これはお客さんの根源的な質問にもちゃんと答えてキャンプへとしっかりいざなうことができる店員が現場にいる、ということが大きいのではないかと考えています。

 

父の会社で社内起業。5年でなんと売上25億円!?

この会社は父から引き継いだものです。父はロッククライマーだったので、元々は釣具や登山用品なんかを売っていました。
全体の売上が5億円で、内訳は釣具が4億円、登山用品が5千万円くらい、あとはその他という状態です。

そこに僕が転職をして社内ベンチャーでキャンプの事業を立ち上げ、5年ほどで売上25億円にまで伸ばしたので、社内起業としてはかなり成功したのではないかと思います。

 

キャンプは好きだったが、一つ大きな不満があった

なぜキャンプの事業を始めたのかというと、そもそも小さい頃からキャンプが好きだったというのがあります。大人になってからもキャンプは続けていたのですが、一つ不満がありました。それは、全くおしゃれでないということです。

カビ臭いテントで、飯ごうでご飯を炊いて、メニューは絶対カレー。浸水を防ぐためにテントの周りに溝を掘って…というようなキャンプが普通だったと思うんです。
でもこの作業は面倒臭いし、おしゃれでもないし、なんなら苦行です。

僕は大人になって外資系の商社に4年半勤め、そこでカルティエやロレックスなどのハイブランドを扱っていました。そのカルチャーに影響を受けて、こんな風なおしゃれなキャンプをやってみたいなと思うようになったんです。
しかし、それを成立させるような商品はありませんでした。

自分がそのようなキャンプ用品が欲しいということは時代の空気としてもこれからそのような流れがくると思いましたし、これから日本が豊かになるためにはキャンプの力が必要だなと考えるようになりました。

 

車は時代の空気を反映する

「おしゃれキャンプの需要は必ずある」と考えた根拠のひとつが車です。

ある日、車の登録台数を調べてみると10%が4WDであることに気がつきました。車は時代の空気を反映すると思っているので、4WDのようなアウトドアな雰囲気の車がこれだけ走っているということは、アウトドアに興味を持っている人がそれなりにいるということの証明だと考えました。

ここに車で移動するようなおしゃれなキャンプを仕掛けたら当たるに決まっていると思って攻めた結果、思ったとおりオートキャンプ(自動車にキャンプ用品を積み込むなどして、車内やテントで寝泊まりしながら各地を回る旅行スタイル)がブームになったというわけです。

 

商品を置いてもらおうとするも、コンセプトが理解されない

我々のコンセプトを伝えるために一番注力したのはカタログです。なぜこれを作ったのか、という理由をきっちり書き込んで魅力的なものを作り、それをアウトドア関連のお店の店頭に置いてもらっていました。

あとは、商品を店頭に並べてもらうことも重要でした。当時はアウトドアブームが巻き起こる直前のような雰囲気だったので、アウトドアのお店は増えていっていたんです。ただ、ほとんどが登山関連のメーカー・小売でした。
そこに僕は新参者かつキャンプ用品のメーカーとして交渉していったので、理解してもらえないことも多くて苦労しました。

例えば、僕らの商品に永久保証がついていることに「面倒臭いなあ」という態度をとられたり、こだわりを持って高品質で作った商品に「オーバースペックだ」と言われたりしました。
それまでの常識からするとキャンプは安い旅行の手段のようなイメージで、9,800円の雨漏りするような安いテントで適当に済ませるものでした。そこに高品質なキャンプ用品を作ったとしても、こんなの誰が買うんだよと思われたのです。

しかし、僕は人生を豊かに過ごしたい人のためにキャンプをきちんと成立させたいなと思っているので、根本的なところから目線が違ったんです。
そこの話をきちんとして、賛同してもらえるような未来が見えている人と組んで事業を進めて行きました。

 

 

今回のお話はここまでです。次回は、売上が落ちる中、スノーピークが取り組んだことについて詳しくお聞きしていきます。

 

 

 

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執筆 横山 聡

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