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「お店ラジオ」は、店舗経営にまつわるトークラジオ番組です。
小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届けしています。この記事は、InterFMで毎週日曜日にお送りしている「お店ラジオ」で放送された内容を再編集したものです。
今回のゲストは、映像・写真の制作を軸にレンタルスタジオビジネスを展開し、さらに土日のスタジオ利用のため、「イヌスタ」をスタート。人生という物語を記録に残し、幸せな瞬間を永遠に繋ぎ続けることをミッションとして事業を展開する株式会社LIFELOG代表取締役 長濱 えみなさんです。
コロナ禍でのレンタルスタジオのスタート、週末利用の「イヌスタ」、撮影を身近にする方法、将来の市場規模予測などについて、3回に分けてお送りします。
第1回は、コロナ禍でのレンタルスタジオと「イヌスタ」のスタート、レンタルスタジオのリスクなどについてお送りします。
この記事の目次
コロナ禍が変えた、映像制作会社株式会社LIFELOGの挑戦
株式会社LIFELOGは、映像・写真の制作会社です。
社名の「ライフログ」が示す通り、お客様の人生という物語を記録に残し、幸せな瞬間を永遠に繋ぎ続けることをミッションとしています。
現在は、フォトスタジオ「イヌスタ」も運営しており、犬が多いのですが、犬だけでなく猫やハムスターなど、様々なペットの撮影を行っています。当初は犬の撮影に特化していたため「イヌスタ」と名付けましたが、現在はより多くのペットに対応しています。
当社は、これまでCMなどの企業向けの映像制作を主な事業として行ってきました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、受注する仕事が全てなくなってしまったため、経営は大きな危機に陥りました。創業からわずか3年という小さな会社だったため、2~3ヶ月間はほとんど仕事がなく、社員も辞めてしまうなど、非常に厳しい状況が続いたのです。
コロナ禍にスタートしたスタジオビジネス
コロナ禍の厳しい状況の中、私は住宅兼レンタルスタジオを探し始めました。
これは単に固定費を抑えるためではなく、レンタルスタジオの運営が収入を生み出すと考えたからです。
そして、自由が丘で「住みながら商い」というコンセプトの物件を見つけることができました。その物件は内装や設備のないスケルトン状態でしたが、内装工事を行い、レンタルスタジオと犬専用フォトスタジオを作りました。
現在ではスタジオも拡張され、複数のフロアを持つまでに成長していますが、当初は約70平方メートルの小さなスタジオでした。これが「イヌスタ」のスタートです。
平日はこれまで行っていたビジネスをスタジオで続け、空いている土日に何か新しいことを始めたいと考え、写真館「イヌスタ」をスタートさせることにしました。
小さなスタジオからの成長
私たちが手掛けているのは、ドラマやメーカーのCMなどの撮影で、撮影の多くはレンタルスタジオを利用しています。レンタルスタジオと聞いて具体的なイメージが湧かない方も多いと思いますが、都内には多くのレンタルスタジオがあり、小さなスタジオの相場は1時間で3,000円〜4,000円程度です。
しかし、私たちのスタジオは、一般的な相場よりも高く、1時間で20,000円〜40,000円に設定しています。最低でも6時間、長い場合は12時間程度の利用が一般的です。ドラマの撮影となると4日間ほどの利用が必要となり、非常に高単価な貸し出しが可能です。
最初は小さなスタジオからスタートしたため、ドラマの撮影に来ても内見で断られることが多々ありましたが、徐々にフロアを増やしていった結果、依頼も増え、今では有名なドラマやCMの撮影にも利用していただけるようになりました。
大規模撮影にも対応可能なユニークなスタジオの魅力
撮影では50名ほどのスタッフが来ることもあります。
CMやドラマなどで使われるような大きなスタジオは都内にもありますが、一般的な1人暮らし用スタジオの相場は3,000円〜4,000円であるものの、撮影クルーが10人〜20人程度しか入れません。
一方、私たちのスタジオは1人暮らし用のドラマなどの撮影に適したスタジオを3フロアにわたって設けているため、50人の撮影クルーでも対応可能です。こうした1人暮らし用のドラマなどの撮影に適したスタジオは都内でもほとんど見かけません。
さらに、セットを組むと費用がかかるのが通常ですが、私たちのスタジオはリアルな広さを持ち、セットの一部を少し変更するだけで済むため、費用を大幅に抑えることができます。
これが、多くの都内のスタジオとは異なる、私たちのスタジオの大きな魅力です。
レンタルスタジオの重要性とリスク
レンタルスタジオに高額な内装投資をすることにはリスクが伴います。
しかし、私はこれまで撮影のたびにスタジオを借りて使用料を支払ってきました。その度に、監督やディレクターとしての立場から、自分の取り分とスタジオの取り分を比較すると、スタジオの取り分の方が多いと感じることが多かったのです。
例えば、大手家具メーカーの案件で2週間の撮影を行った際、支払った金額は1,000万円にもなりました。この経験が、私が自分でレンタルスタジオを運営しようと決意した大きな理由です。その家具メーカーは日本でトップ3に入る規模の企業であり、撮影には全てそのメーカーの家具を使用する必要がありました。
また、撮影に関係のない家具を保管するスペースやモニタリング室なども必要で、5〜6室を借りて撮影を行うと、それだけで多額の費用がかかります。こうした経験から、自分でレンタルスタジオを運営することの重要性を強く感じるようになったのです。
第1回は、コロナ禍でのレンタルスタジオと「イヌスタ」のスタート、レンタルスタジオのリスクなどについてお送りしました。
第2回は、レンタルスタジオのニーズやイヌスタの戦略、身近な撮影と料金などについてお送りします。