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お店ラジオ 2022/01/19 2024/03/14

コロナで売上前年比1%…ECで再起をかける最強兄弟

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「お店ラジオ」は、店舗経営にまつわるトークラジオ番組です。小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届けしています。この記事は、InterFMで毎週日曜日にお送りしている「お店ラジオ」で放送された内容を未公開放送分も含めて再編集したものです。

今回のゲストは、話題に事欠かない兄弟をお招きしました。破天荒で行動力のある、牡蠣小屋を営む兄の丹下工(たんげたくみ)さんと、株式会社SHIFTという一部上場企業の社長をつとめる最強ビジネスマンである弟の丹下大(たんげまさる)さんです。この兄弟を主人公に繰り広げられる漫画のようなストーリーと、二人が描く飲食業界の未来についてお聞きしました。

丹下兄弟のお話をご紹介する2回目は、順調かと思われた兄の店を襲ったコロナと、また動き出した弟との復活劇についてご紹介します。

 

この記事の目次

    1. コロナによって、売上が前年比1%という地獄
    2. ふたたび弟に泣きつき、ヒントをもらう
    3. その日のうちにネットショップを開設
    4. 自分達の話し合いの様子がバズり、NHKがくる
    5. アイデアと行動力によって、たった10日で世界が変わった

コロナによって、売上が前年比1%という地獄

こうして順調に営業していったんですけど、コロナがやってきてしまいました。うちのかき小屋は観光客がメインだったので、これは大打撃で、1日にお客さんが2、3人しか来ないこともザラに起きるようになりました。元々1日あたり60万円くらい売上があったのに、いきなり数千円になってしまうわけです。この時はまた、もう終わったかと思いました。本気で「飲食店はやめた方がいいのかもしれない」と泣き言を言っていました。

 

ふたたび弟に泣きつき、ヒントをもらう

そこでまた、弟に助けを求めることにしました。実績もあるし、もしかしたらこのような絶望的な状況でもなんとかしてくれるのではないか、と藁にもすがる思いでface bookのメッセンジャーで連絡しました 。そこで弟から出た提案が「EC」です。

牡蠣は家庭のガスコンロで焼いても美味しく食べられるし、音を出して破裂するのも含めてエンタメとして提供できるのではないかと考えたようです。しかし、牡蠣の調理は少しハードルが高いです。そこで出たアイデアが、缶に殻つきの牡蠣を入れて、それをそのままコンロにセットして火にかけ、5分待てば自動的に蒸し牡蠣ができるようにするというものです。これならば確かにいける、と思いました。

 

その日のうちにネットショップを開設

早速、BASEでショップを開設して、かなり急いで見た目を整えていきました。なんとか友達に当たって、写真に詳しい人や絵が上手い人などにも手伝ってもらい、1日でそれらしきものができました。剥いた牡蠣もメニューに加えたり、サイズを色々用意したりと、バリエーションも増やしていきました。

この時にネックとなったのが値段です。利益を出すことを考えると、600gで3480円くらいはないと厳しかったのです。弟に「これでは売れない」とバッサリ言われてしまいました。元々は問屋に送ってもらおうとしていたので、ここでの手数料がかさんでいたのです。ここをカットするために、自分達で直接ヤマトに行って交渉し、直接配送できるようにしました。こうすることによって、安く届けることが可能になったのです。ここまで、なんと丸1日です

絶望的な状況から、ECサイトを作って、買ってもらえるようにセット内容や販売価格を見直すところまでを、facebookのメッセンジャーでのやりとりだけで、圧倒的なスピード感で行うことができました。

 

自分達の話し合いの様子がバズり、NHKがくる

そして次の日の朝に販売開始したのですが、弟がこのやりとりをスクショして、状況を伝えるNoteを書いて、facebookでシェアしてくれました。

 

・コロナで打撃をうけたかき小屋。何をどうすればいいか_前編

https://note.com/shift_tanges001/n/n1d149f70baae

・コロナで打撃をうけたかき小屋。何をどうすればいいか_後編

https://note.com/shift_tanges001/n/n555c6ef51f7f

 

すると、このやりとりが面白い、と話題になってTwitterで300リツイートくらいされました。これにNHKも食いついてくれて、有名な投資家も食いついて、とんでもない勢いで注文が殺到するようになりましたさらに、購入してくれた人から、応援のメッセージやアドバイスがたくさん届くようになりました。この声の一つ一つが、ビジネスのヒントになっていきます。たとえば、使い終わった後の缶の使い道について尋ねられたときは、

「ものすごくかっこいい缶にしたら、インテリアになるかもしれない。真っ黒な艶消しの缶にしたらどうだろう」「リピートの時には中身だけを送って割引してはどうか」「缶を綺麗にキャンプに持っていけるトートバッグを作ってもいいかもしれない」などのアイデアが沸きました。

どうやって食べるのがおすすめかとと尋ねられたときは、「BASEの説明欄におすすめの食べ方を書いておこう」「YouTubeチャンネルを開設して、色々な食べ方を紹介してもいいかもしれない」などのことを考え、実行しました。

 

アイデアと行動力によって、たった10日で世界が変わった

こうして高速で思いつくことを実行していった結果、なんとたった10日で、売上を1日60万円くらいの、元の水準に戻してしまったのです。少し前まで「飲食店はやめた方がいいのかもしれない」と考えていたのが嘘のようでした。

また窮地を救ってくれた弟には感謝していますし、このことは日本全国の飲食店に勇気を与えられたのではないかと考えています。アイデアと行動力さえあれば、政府に頼らなくても、なんとかできるんだと思いました。次回は、さらなる雇用を生み出すために、また別の事業を始めて奮闘するお話です。

 

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執筆 真鍋 誠人

スマレジにて主にイベントマーケティング・コミュニティマーケティング・SNSマーケティング担当。スマレジユーザーのコミュニティ「アキナイラボ」の統括責任者をしており、店舗運営にまつわるヒント・コツを共有し相互発展していけるよう環境作りに日夜奮闘中。

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