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お店ラジオ 2024/03/28 2024/03/28

スマレジを活用したDX戦略

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「お店ラジオ」は、店舗経営にまつわるトークラジオ番組です。小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届けしています。この記事は、InterFMで毎週日曜日にお送りしている「お店ラジオ」で放送された内容を再編集したものです。

今回のゲストは、1911年にのし贈答用品屋として創業し、1951年に手芸用品の問屋を始めた事業を継承。承継したタイミングで小売業へ業態を転換し、「手芸センタードリーム」を岡山に出店。以降岡山から広島、四国、関西、そして全国に店舗を拡大し、現在は全国に100店舗以上を展開する、小野株式会社 代表取締役社長 小野兼資さんです。

手芸問屋から小売店へと業態転換し郊外型の大型店「手芸センタードリーム」を出店、さらに、岡山から広島、四国、さらには関西への店舗拡大した経緯や、「丁寧な生活を提案する」ドリーム独自の教販一体のビジネス戦略と店舗 DX、プライベート商品の製造や事業承継についてなど、3回に分けてお話しいただきます。

第1回は、手芸問屋から小売店「ドリーム」へ、「教販一体」のビジネスモデルについてお送りしました。
第2回は、関西への出店の課題とプライベート商品、“ついで買い“についてお送りしました。
第3回は、カルチャースクールによる賑わい創出、事業承継、店舗DXについてお送りします。

 

この記事の目次

 

賑わいを生み出すカルチャースクール

私たちは、岡山県の倉敷駅前にある天満屋という百貨店で、書道教室などのカルチャースクールも開催しています。百貨店としても集客に力を入れており、空いているスペースや時間帯を無駄なく活用し、少しでも賑わいを生み出したいと考えていますし、百貨店には私たちのお店もありますので、私たちのお店と百貨店とが協力してカルチャースクールを開催しています。

しかし、これは私たちのメインのビジネスではありませんし、このカルチャースクールによって、収入を得ようとも考えてはいません。百貨店の空いているスペースをカルチャースクールとして活用することで、コミュニティーを作っていきたいと考えているのです。

そして、スクールへいらっしゃる生徒さんたちが「ドリームへ行くと楽しい」という印象を持っていただきたいと思っています。近年は、手芸が趣味として広がっていますので、そうした方々に集まっていただくことに価値があり、賑わいが生まれると考えています。

 

 

事業承継は変革の絶好の機会

私は幼少期から祖母に、「お兄ちゃんは大人しくて、勉強ができるから、貴方が後を継ぎなさい」と言われて育ちましたので、事業を継ぐことに何の迷いもありませんでした。

そして、私が引き継ぐタイミングで問屋から小売業へと事業の転換を行いました。これは、全く異なる業態への転換であり、リスクも伴いましたが、事業転換にはリスクを背負えるだけの人間が必要でした。私たちの場合は、この会社が祖父や父が経営していた家族経営の会社であり、この規模の会社であったからこそ、私が後継者としてのリスクを背負えたのだろうと思います。

そういう意味で、私たちにとっての事業承継は、事業を転換するタイミングとしては、良いタイミングだったと思います。当時、私には私のブレインがいましたし、父には問屋の番頭がいました。私たちは2馬力で事業を進めながら、問屋から小売業へと業態を変えていくことができました。しかし、小売業への転換を決めた際、社員は表立っては言いませんでしたが、「絶対失敗するだろう」とは思われていたようです。

 

事業承継:父から私へ、私から息子へ

弊社も息子が引き継ぐ予定です。私が息子に事業を引き継ぐ話をしたのは、彼が小学生くらいの頃でした。事業を引き継ぐよう彼に言った時、彼は「少し考えさせて」と言いました。

それに対して私が、「じゃあ、今日は食事をしなくてもいいよ」と言うと、「やります」と彼は答えたような記憶があります。その頃は小学生だったとはいえ、事業を承継してもらえるか全くわからない状況であれば、私はこれほど店舗を拡大していなかったのではないかと思います。

もしも、リスクを背負える社員もおらず、私の子供が跡を継がないとしたら、105店舗も展開せず60店舗程でもっと手堅く運営していたと思います。私たちのような中小企業の事業承継において、事業の柱となる人物を見つけることは非常に重要なポイントだと思います。

しかし、私は息子への事業承継を見越して組織運営や店舗拡大を行ってきましたが、この過程で事業をシームレスに引き継ぐための工夫を行なってきたかといえば、全くそうではありませんでした。後継者である息子はデジタルに精通しており、私が現場主義で対応してきたのに対し、彼はデータドリブンで仕事をしていますので、アプローチが全く異なります。現在は、私たち二人の良い点を活かし、業態は小売のままですが、現場主義とデータ戦略を組み合わせることで会社は大きく変わっています。

 

店舗のDX

ビジネスがスケールアップし商品ラインナップが豊富になるにつれ、経験と感覚に頼った管理だけでは小さなミスが積み重なり、最終的には大きな問題に発展するリスクが高まってしまいます。そうしたリスクを回避するために、デジタル技術を駆使した細かな管理が必要になります。

以前、夜間のレジ締めで500円以上の誤差があると、スタッフは私に電話で報告することにしていました。しかし、このプロセスは、誤差の発見ごとにレジの確認作業や原因の追求が必要となり、店舗スタッフにとっても私にとっても大きな負担となっていました。こうした、リスク回避のためには、DXを推進することで業務の簡素化、効率化によるスタッフのストレス軽減が極めて重要です。

私たちは、この問題を解決するため自動レジを導入しました。これにより、レジ締めのプロセスをワンタッチで完了させることができ、金銭の誤差に関するストレスを店舗スタッフから取り除きました。この変更により店舗だけでなく本部の業務もスムーズになり、私は業務改善に対するさらなる投資の必要性を実感しています。

 

データ活用による業務改善

これまでの商品管理はアナログで、経験や感覚に頼る部分が多かったのですが、スマレジを利用することで、データによる判断ができるようになりました。

例えば、季節ごとの商品の売れ行きをデータから分析することで、効率的な在庫管理ができるようになりました。
また、スマレジの導入により、スマートフォンやパソコンから簡単にデータを閲覧できるようになったことも、大きな変化の一つです。デジタル化を進めることで、細やかな商品管理や売上予測が可能となり、店長やスタッフの意識も変化し、店舗の価値向上に向けた取り組みが強化されています。

さらに、店舗と本部がデータを共有する文化が根付き、本部が指示を出すだけでなく、店舗側もデータを利用して売れ筋商品を迅速に把握し、対応することが可能になりました。このデータドリブンな運営への移行は、私の後継者により加速され、会社全体の文化がデータを重視する方向へと変化していきました。

 

リアル店舗のあり方とデジタルトランスフォーメーション

例えば、お客様が数種類の商品を買いにこられた時、そのうち数点が品切れだったとすると、お客様は自宅に帰り、インターネットで購入されます。そうすると、お客様はお店に在庫があるかどうかわからないのであれば、これからはオンラインでの購入で良いと感じてしまいます。
私は、ネット販売との競争に負けないよう、お店には少し多めでも良いから、基本的な商品の在庫はしっかりと確保しておくよう指示しています。

このようなデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるきっかけは息子でしたが、それまでの運営は勘と経験に頼っていたため、スタッフは新しいシステムに慣れるのに時間がかかりました。

一方で、私たちの店舗数が増え続ける中で、新しく入った人でもすぐにレジ操作や発注ができるようにするには、データドリブンな経営を実践することが不可欠でした。今は、ベテランだけが活躍できるようなアナログなお店ではこれ以上の横展開はできないと考えており、DXには積極的に取り組んでいます。

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