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お店ラジオ 2025/02/13 2025/02/13

コンセプトは『熱々、キンキン、ガラガラ』


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「お店ラジオ」は、店舗経営にまつわるトークラジオ番組です。小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届けしています。この記事は、InterFMで毎週日曜日にお送りしている「お店ラジオ」で放送された内容を再編集したものです。

今回のゲストは、株式会社アドウェイズの取締役会長であり、同時に「オールドルーキーサウナ」の店長を務める岡村陽久さんです。インターネット広告業界で成功を収めた後、サウナ業界に新しい風を吹き込み、ITの力を活用した無人運営のサウナを展開しています。

岡村陽久さんが、株式会社アドウェイズの取締役会長としてのキャリアを経て、新たに「オールドルーキーサウナ」を立ち上げ、ITを活用した無人サウナ運営という独自のビジネスモデルを展開するまでの経緯や、サウナ事業への挑戦、そして今後の展開について、3回に分けてお送りします。

第1回は、株式会社アドウェイズの創業、上場、そしてサウナ事業を始めるに至った経緯についてお送りします。

 

この記事の目次

 

インターネットの可能性を感じて創業、そして上場

私は中学を卒業してすぐに社会に出ました。16歳から20歳までは、飛び込みで一般家庭を訪問する、営業をしていました。それが2000年頃のことです。そして、私が20歳の時、サイバーエージェントが上場しました。その瞬間、「これからはインターネットの時代が来る」と強く感じ、インターネットが金融、コマース、広告などあらゆる分野を変革すると確信しました。私は強い衝撃を受け、サイバーエージェントに入社を試みましたが、残念ながら叶いませんでした。

それでもインターネットの可能性を感じ続け、独自に会社を設立する決意を固めました。それが「アドウェイズ」です。そして、26歳の時、私は当時最年少で会社を上場させました。2006年6月のことです。

しかし、その翌年の2007年、売上が急激に落ち込む「07(ゼロナナ)ショック」と呼ぶ出来事に直面しました。当時、社員は150人ほどでしたが、そのタイミングで新卒を150人も採用していたのです。売上が減少する一方で販管費が急増し、大きな赤字を抱えることになりました。

その結果、多くの社員が次々と辞めていきましたが、残ってくれた社員たちと共に何とか危機を乗り越えることができました。しかし、業績が悪化した時期には、私は家賃の安い四畳半のアパートに引っ越し、一からやり直す覚悟をしました。

 

価値あるサービスを提供し続けられるのかと自問

その時期、私は給料を全額カットし、収入がゼロになりました。そのため、家賃3万円のアパートに住み、「もう一度、一からやり直そう」という決意で再出発しました。上場企業の社長という肩書きがありながらも、どん底まで追い込まれたのです。一時は絶望的な状況でしたが、その後は何とか立て直し、現在はギリギリの状況を乗り越えられる強さを持っています。

そして3年前、私は会長に就任しました。年齢的にはまだ若いですが、インターネット広告の進化が非常に早く、複雑になる中で、私自身がその変化に追いつけなくなったと感じたのです。「このまま社長として陣頭指揮を執り続け、価値あるサービスを提供できるのか?」と自問した時、限界を感じました。

幸いにも、社内には優秀な社員が育っており、彼らにバトンを渡す決断をしました。かつて「07ショック」の時に入社した新卒社員が、今では会社の社長を務めています。

 

会長就任とオールドルーキーサウナ

私は2021年7月に株式会社アドウェイズの会長に就任し、翌年の2022年2月に「オールドルーキーサウナ」の第一号店をオープンしました。サウナ事業を始めた理由は、サウナが好きだからではありません。実は、それまで一度もサウナに入ったことがありませんでした。

私がサウナ事業を始めたのは、ITの力を活用して、さらに良い業界を作り出せる分野がないかと考えた結果です。当時、サウナビジネスがリアルな領域で流行していることを知り、調査してみたところ、「ITの力でより良いサウナを提供できるのではないか」と確信し、サウナ事業に挑戦することにしました。私たちのサウナは、ITとリアルの融合を目指した新しい形のビジネスです。

現在、「オールドルーキーサウナ」は六本木、渋谷、新宿、銀座の4店舗を展開しています。驚かれるかもしれませんが、これらの店舗は私一人で運営しています。これは、ITの力を活用して運営を効率化したからこそ可能になったことです。

 

無人運営というオールドルーキーサウナの挑戦

サウナでは一般的に、入口でスタッフが受付を行うことが多いですが、私の店ではスタッフを配置していません。お店を利用する際には、事前に利用登録を行い、SNSで案内を送ります。その後、顔認証で入店する仕組みです。料金の支払いもすべて自動化されており、ITを活用することでこれらの業務を完全に代替しています。

さらに、サウナ内のマナー維持についても工夫しています。一般的には、店員が巡回してマナーを監視しますが、私の店ではサウナ内での会話を禁止しています。もしもお客様がサウナ内でおしゃべりをし、他のお客様が通報ボタンを押すと、私の携帯に通知が送られ、スピーカーを通じて「当店ではおしゃべりは禁止です」とリアルタイムで注意を促します。

通常であれば、利用者が後から店員に「さっきおしゃべりしている人がいました」と報告し、それに対処する形になりますが、私の店では通報ボタンを押してから3秒以内に注意が可能です。この仕組みのおかげで、非常にマナーの良い環境を維持することができています。

 

おしゃべり禁止の「絶対静寂サウナ」

多くのお客様は「整いたい」という目的でサウナを利用しており、サウナ室で静かに瞑想し、冷水風呂に入り、整い室でリラックスしたいと考えています。しかし、誰かが話し始めると、その静寂が壊れてしまい、心を整えるのが難しくなります。そこで、私のお店ではサウナ内での会話を一切禁止しています。

私たちはこれを「絶対静寂サウナ室」や「絶対静寂整い室」と呼んでおり、六本木店はオープンして2年半が経ちますが、おしゃべりが発生したのは一度だけです。新しい店舗でも、最初のうちはおしゃべりをしてしまうお客様がいることもありますが、すぐに注意することで、すぐに静かな環境が整います。

私たちのサウナは、一人で来るお客様をターゲットにしており、一人で静かにリラックスしたい方が快適に過ごせる空間を目指しています。そのため、おしゃべりは一言たりとも許しません。もし会員の方がおしゃべりをしてしまった場合、その会員は退会となります。注意を受けたにもかかわらず再びおしゃべりをする方がいれば、私自身が出向いて厳しく対応し、その時は本気で叱ります。

 

コンセプトは「熱々、キンキン、ガラガラ」

私のお店のコンセプトは「熱々、キンキン、ガラガラ」で、サウナは「熱々」、水風呂は「キンキン」、そして施設自体は「ガラガラ」、つまりサウナ室は高温、水風呂は極冷、そして混雑しない空間を提供することを目指しています。

もちろん、コンセプトを絞り込みすぎて、お客様が増えないのではと心配したこともありました。しかし、私はあえてベテランのサウナ好きにターゲットを絞ることにしました。初心者が「二度と来たくない」と感じるくらいの過酷なサウナを提供しつつ、逆にベテランの方々には「ここでしか味わえない」と思ってもらえるサウナを作ることを目標にしています。

実はこのコンセプトは、オープン後しばらくしてから決めたものです。2022年2月に六本木店がオープンしましたが、工事が遅れ、前日に引き渡しが完了したため、機器のセッティングを1日ですべて終わらせる必要がありました。サウナや水風呂の温度調整を業者さんがテスト用に非常に高温・低温に設定したまま帰ってしまい、その状態でオープンしてしまったのです。

結果的に、最初に来た会員さんの1割ほどは、一度利用しただけで退会してしまいました。しかし、残ったお客様は「こんなサウナは初めてだ」「これはとんでもないサウナだ」と満足してくれました。そこで、私はこの路線で行くことを決断しました。偶然残ったのは、ベテランのサウナ好きな方々だったのです。

第1回は、株式会社アドウェイズの創業、上場、そしてサウナ事業を始めるに至った経緯についてお送りしました。

第2回は、「オールドルーキーサウナ」の無人運営の仕組みや、徹底したマナー管理についてお送りします。

 

執筆 アキナイラボ 編集部

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