キャッシュレス決済の導入を検討している事業者の中には、どのサービスを導入すべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。キャッシュレス決済の方法によって、メリットとデメリットがあるので、店舗の特徴にあわせて選ぶことが重要です。
本記事では、キャッシュレス決済の種類や選び方、おすすめのサービスについて紹介します。この記事を読んで、どのサービスが自店に相性が良いのか検討してみてください。
この記事の目次
キャッシュレス決済とは?
キャッシュレス決済とは、現金を使わずにお金を払う方法で、手元に現金がない状態でも買い物をすることができます。キャッシュレス決済を利用することで、ポイントを貯めたりスムーズに会計を済ませたりすることが可能です。
なお、キャッシュレス決済といっても種類がいくつもあり、決済方法によって支払い方やメリットが異なります。ここでは、キャッシュレス決済の種類や選び方について詳しく解説しますので、キャッシュレス決済の情報を集めている事業者は参考にしてみてください。
キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済には、主に「クレジットカード」「デビットカード」「電子マネー」「スマホ決済」の4種類があります。
クレジットカード
クレジットカード決済は、最も普及しているキャッシュレス決済で、取引後に支払いを行う後払い式の手段です。消費者は手元に現金がなくても買い物をすることができることから、集客や単価のアップが期待できます。
また、お金の縛りがない状態で買い物を楽しむことができるため、顧客満足度向上にもつながる可能性が高いでしょう。新型コロナウイルス感染症の影響も相まって、小さな金額でもクレジットカード決済をする人が増えているので、キャッシュレス決済導入の最有力として考えてみてください。
デビットカード
デビットカード決済は、預金口座と紐付けた決済用カードを使う電子決済で、クレジットカード決済とは異なり決済と同時に指定口座から料金が引き落とされます。口座預金額以上の買い物ができないため、カード会社の宣伝強化も相まって、使いすぎを防ぐ目的で利用する人が増えている決済手段です。
デビットカードは審査なしで発行できるため、クレジットカードを所有できない層も囲い込むことができます。クレジットカードの導入の際に、あわせてデビットカードも導入しておくと、より高い集客効果が期待できるでしょう。
電子マネー
電子マネーは、専用カードやスマートフォンに予めお金をチャージしておき、チャージ金額内で買い物ができる決済手段です。電子マネーには交通系電子マネーと非交通系電子マネーの2パターンがあり、サービスによって利用できる範囲が異なります。
特に公共交通機関の乗車券機能がある交通系電子マネーの普及率は高く、コンビニやスーパーなど幅広い場所で使うことが可能です。専用端末にカードやスマートフォンをかざすだけで決済が完了するので、キャッシュレス決済の中でもスピーディーに決済処理ができるメリットがあります。
キャッシュレス決済の中では利用率は低めですが、客層が多く回転率の高い店舗は電子マネーの導入を検討してみましょう。
スマホ決済
キャッシュレス決済の中でも一番勢いのある決済手段がスマホ決済です。スマホ決済は、スマートフォンに専用のアプリをダウンロードし、アプリ上に表示されたバーコードを使って決済を行います。予めチャージするタイプもあれば、クレジットカードと連動させて支払うタイプもあり、さまざまなサービスが展開されている決済手段です。
スマホ決済サービスは定期的にポイント還元やクーポンキャンペーンを行っているため、導入することで新規顧客を増やす機会が生まれます。また、消費者が自分でバーコードを準備し、それを専用端末でスキャンするだけなので、クレジットカードよりもスムーズに決済を進めることが可能です。
今後、キャッシュレス決済の中でも利用客の増加が見込める手段なので、スマホ決済の導入を前向きに検討してみましょう。
キャッシュレス決済の導入がおすすめな理由
キャッシュレス決済の導入がおすすめなのは、以下のようなメリットがあるからです。
- 新たなお客様の獲得につながる
- 客単価を上げることができる
- 決済情報を自動的に集計し分析できる
それぞれのメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。
新たなお客様の獲得につながる
キャッシュレス決済を導入すると、日常的にキャッシュレス決済を利用している人を呼び込める可能性があります。積極的にキャッシュレス決済を活用し、あまり多く現金を持ち歩かない人もいるため、現金しか使えないお店は知らない間にお客様を逃しているかもしれません。
経済産業省はキャッシュレス決済の比率を2025年までに4割程度、将来的には8割を目指しており、キャッシュレス決済の普及は今後さらに進んでいくでしょう。お店にキャッシュレス決済を導入しておけば利用者のニーズに応えられ、新規顧客の獲得が目指せます。
参考:経済産業省「キャッシュレス更なる普及促進に向けた方向性」
客単価を上げることができる
キャッシュレス決済には、客単価を上げる効果もあります。現金支払いは「手持ちのお金が少ない」という理由で購入額を抑えなければならないケースもありますが、キャッシュレス決済なら手持ちの金額に関係なく買い物ができます。
日本クレジットカード協会が発表している調査資料によれば、「クレジットカード決済による購買単価は、現金決済に比べて、全業種平均で1.7倍と高い」といい、キャッシュレス決済を導入すると、売上を向上させられる可能性があります。
参考:日本クレジットカード協会「民泊とキャッシュレスを両輪とする地域を巻き込んだ観光立国推進に向けて(p22)」
決済情報を自動的に集計し分析できる
キャッシュレス決済は販売の履歴がデータとして残るため、決済情報を自動的に集計できるのもメリットです。また、現金の取り扱いが減ることで、レジ締めなどの業務も楽になります。
売上データを簡単に取得できるようになると、売上傾向の分析にも役立ちます。日々の売上傾向を把握しておくことは、店舗を経営するうえで大切です。「日々の業務が忙しくて売上分析にまで手が回っていない」という方も、キャッシュレス決済の導入でデータ集計が楽になれば、分析しやすくなるでしょう。
初心者は必見!キャッシュレス決済の選び方
何を基準にキャッシュレス決済を導入すれば良いか悩んでいる方向けに、キャッシュレス決済の選び方を紹介します。特に意識すべきポイントは、利用ユーザー数、ユーザー層、運用コストの3つです。キャッシュレス決済選びの参考にしてみてください。
利用ユーザー数で選ぶ
どのキャッシュレス決済が良いのか迷ったときは、利用ユーザー数の多いサービスを選ぶと安心です。日本のキャッシュレス決済の利用率は、MMD研究所の調査によると24.2%で、4人に1人しかキャッシュレス決済を利用していないことになります。
そのため、ユーザー数の少ないキャッシュレス決済を導入しても、レジ処理の効率化などのメリットが弱くなってしまいます。キャッシュレス決済の導入にはコストが発生するので、費用対効果を高めるには利用ユーザー数の多いサービスを選ぶ必要があります。
キャッシュレス決済の中でも最も普及率の高いクレジットカード決済や、利用者の増加傾向が見られるスマホ決済を優先して導入しましょう。
参考:MMD研究所「2021年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」
顧客層で選ぶ
キャッシュレス決済選びにおいて、顧客層に注目するのもポイントです。年齢や性別、職業によって利用しているサービスが異なるので、どのような客層が多いかを基準に決めることをおすすめします。
たとえば、地方で年齢層が高い地域はスマホ決済よりもクレジットカード決済の方が利用率は高くなり、高校や大学など公共交通機関を利用する学生が多い地域は交通系電子マネーの利用率が高くなるでしょう。全体的にはクレジットカードの利用率が高いですが、地域によっては全く使われない場合があります。
もし、客層から判断できないときは、常連客に導入して欲しいキャッシュレス決済方法を尋ねるなどして、顧客のニーズを把握しておきましょう。
コストで選ぶ
キャッシュレス決済を導入するには、初期費用やランニングコストが発生するため、費用対効果を考えて選ぶことが重要です。業務効率化のためにキャッシュレス決済を活用しているにもかかわらずコストが大きくなれば、事業が成立しなくなります。
したがって、ギリギリまで運用コストを抑えたい方は、なるべくコストが低いサービスを利用しましょう。ちなみにスマホ決済とは、スマホやタブレットをすでに所有していれば、少ない初期費用で導入することが可能です。決済手数料はサービスによって異なるため、決済手数料がより低く設定されている決済手段を選びましょう。
【徹底比較】簡単で使いやすい!キャッシュレス決済のおすすめ
ここでは、キャッシュレス決済の中でも種類が多いスマホ決済と電子マネーの中から、おすすめのサービスをそれぞれ3つずつ紹介します。キャッシュレス決済の種類が多すぎて、どのサービスを利用すれば良いか分からない方は、メリットを比較しながら検討してみてください。
スマホ決済(QRコード決済)のおすすめ3選
スマホ決済で特におすすめのサービスは以下の3つです。
- PayPay
- 楽天ペイ
- d払い
スマホ決済の中でも利用率がトップクラスで、この3つのサービスを導入しておけば、ほとんどのスマホ決済利用者をカバーすることができるでしょう。それぞれの特徴や導入するメリットについて紹介するので、スマホ決済の導入を検討している方は参考にしてみてください。
PayPay
PayPayは、スマホ決済の中で最もユーザー数の多いサービスです。他のキャッシュレス決済方法には対応しておらず、PayPayのみ対応している店も多く見られます。申込み審査完了後、送られてくるPayPayのQRコードキットを組み立てるだけなので、スムーズに導入することが可能です。
QRコードを設置したら、消費者のスマホでスキャンしてもらい、料金を打ち込んでもらえば決済が完了します。決済に関するトラブル等が発生しても、24時間365日電話相談が可能で、万が一不正利用が起きた場合でも、全額入金を保証してくれるため安心です。
また、PayPayクーポンなど集客効果の高い施策も実施できるため、新規顧客の獲得を図りたい事業者にも適したサービスといえます。
- 初期費用
- 無料
- 月額費用
- PayPayマイストア ライトプラン未加入:無料
PayPayマイストア ライトプラン加入:1,980円
- 決済手数料
- PayPayマイストア ライトプラン加入:1.60%
PayPayマイストア ライトプラン未加入:1.98%
- 入金サイクル
- 月1回(月末締め最短翌日入金)
楽天ペイ
楽天ペイは楽天ポイントを貯めて使えるサービスで、キャッシュレス決済の中でも利用者が多い決済手段です。楽天ポイントの年間発行ポイントは4,700億円以上で、楽天グループで貯めたポイントを使えるため、高い集客効果が見込めます。
また、初期費用や月額費用が発生せず、申請後翌日入金されるので、すぐに現金化できる点が魅力です。振込口座を楽天銀行にすれば、365日いつでも翌日自動入金される点も事業者にとって嬉しいポイントでしょう。
- 初期費用
- 無料
- 月額費用
- 無料
- 決済手数料
- 3.24%
- 入金サイクル
- 最短翌日
d払い
d払いは、PayPayに次いで利用率の高いスマホ決済で、dポイントを貯めたり使ったりできます。また、一つのQRコードでキャッシュレス決済のメルペイも利用できる特徴があります。
dポイント会員数は約7,800万人(2020年9月時点)、メルカリの月間利用者数は約1,755万人(2021年6月時点)もいるため、d払いを導入するだけで大量のキャッシュレス決済のユーザーに対応することができます。
また、決済手数料が2.6%と低めで、月2回の入金が可能です。d払いは、QRコード決済の中でもキャンペーンの頻度が多く宣伝を強化しているので、d払いのユーザーも増加傾向にあります。dポイント会員とメルカリユーザーを一度に囲い込み、客数や単価アップが期待できるでしょう。
- 初期費用
- 無料
- 月額費用
- 無料
- 決済手数料
- 2.6%
- 入金サイクル
- 月2回(15日締めの当月末払い、月末締めの翌月15日払い)
電子マネーのおすすめ3選
電子マネーで特におすすめのサービスは以下の3つです。
- Suica
- 楽天Edy
- iD
交通系電子マネーではSuica、非交通系電子マネーでは楽天EdyとiDをおすすめします。それぞれの特徴や導入するメリットについて紹介するので、電子マネーの導入を検討している方は参考にしてみてください。
Suica
SuicaはJR東日本が発行している交通系電子マネーで、公共交通機関の乗車券として使えるだけでなく、コンビニやスーパーなどで買い物をすることもできます。誰でも簡単に所有できるカードを使って決済を行うため、クレジットカードやスマホ決済が使えない学生も囲い込むことが可能です。
専用端末にカードをかざすだけで決済が終了するので、素早く決済を処理できる点が大きなメリットといえます。公共交通機関を利用している学生・社会人がメインの客層の店舗や、回転率の高い店舗は、Suicaの導入を検討してみてはいかがでしょうか。なお、Suicaにはモバイルタイプもあるので、一部ではありますがスマホ決済にも対応できます。
- 初期費用
- 要問合わせ
- 月額費用
- 要問い合わせ
- 決済手数料
- 3.24%~
- 入金サイクル
- 要問い合わせ
楽天Edy
楽天Edyは、楽天グループのサービスで楽天ポイントに対応している電子マネーです。最大チャージ金額が5万円で、電子マネーの中で最も高い金額の買い物ができます。
また、楽天Edyの決済方法はSuicaと同じで、専用端末にカードをかざすだけなので、レジ業務の効率化を図ることが可能です。発行されている楽天IDは1億以上で、楽天ペイと同様に多くのユーザーを囲い込むことができることから、高い集客効果が見込める点も大きなメリットでしょう。
楽天グループならではのサービスとして高い集客効果が期待できるため、新規顧客の獲得を狙いたい方におすすめです。
- 初期費用
- 無料
- 月額費用
- 要問い合わせ
- 決済手数料
- 3.24%
- 入金サイクル
- 最短翌日
iD
iDは、クレジットカードと連動した専用のカードを使って決済する電子マネーです。もともとおサイフケータイとして始まったサービスでしたが、今ではカードタイプも普及しています。クレジットカード決済と同じ仕組みなので、客単価を高める効果があり、売上アップを狙うことも可能です。
iDを発行しているクレジットカード会社も増加しており、iD機能が付いたクレジットカードの所有者も増加傾向にあります。キャッシュレス決済の中でもiDを導入している店舗は多く、非常に人気の高い決済手段です。交通系電子マネーや非交通系電子マネーのように瞬時に決済が終わるため、レジ業務の効率化とも好相性といえるでしょう。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 月額費用
- 要問い合わせ
- 決済手数料
- 3.74%〜
- 入金サイクル
- 要問い合わせ
支払いの効率化を目指している人はキャッシュレス決済を導入してみよう!
支払いの効率化を目指している方は、キャッシュレス決済の導入がおすすめです。キャッシュレス決済を導入することで、集客や単価アップも見込めます。
本記事で紹介したとおり、キャッシュレス決済にはいくつかの種類があり、決済ブランドの種類も豊富なため、幅広いニーズに対応するには複数のキャッシュレス決済を一度に導入できるサービスがおすすめです。
PAYGATEは、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済の主要ブランドに対応したキャッシュレス決済サービスです。専用のマルチ決済端末は1台ですべての決済方法に対応しており、簡単に導入・運用ができます。キャッシュレス決済の導入を検討している方は、ぜひご活用ください。