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店舗運営 2023/08/28 2023/12/15

インボイス制度は小売業やアパレルにどう影響する?行うべき準備とは

 

2023年10月1日から、インボイス制度が始まります。仕入税額控除に関係するインボイス制度は、小売業やアパレル店舗に与える影響が少なくありません。しかし、いまいち制度の内容が理解できていないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、インボイス制度の概要や小売店・アパレルに与える影響、インボイス対応のために必要な準備などを解説します。インボイス制度に関するよくある疑問にも回答しているので、ぜひ参考にしてください。

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この記事の目次

インボイス制度とは?

インボイス制度とは、2023年10月1日からスタートする消費税の仕入税額控除の仕組みです。正式名称は「適格請求書等保存方式」で、国に申請した事業者だけが発行できる請求書のことを適格請求書、またはインボイスといいます。この適格請求書以外の請求書では仕入税額控除が受けられなくなるのが、インボイス制度の大きな特徴です。

以下でインボイス制度の概要と導入の背景を解説するので、はじめに制度について理解しておきましょう。

 

インボイス制度の概要

これまでは、一定の条件を満たした請求書や領収書があれば、仕入税額控除が受けられました。一方、インボイス制度が開始すると、適格請求書以外の請求書では仕入税額控除が受けられなくなります。

適格請求書を発行できるのは、国に申請を行った事業者だけです。そのため、仕入れの際に支払った消費税を控除するためには、仕入先が適格請求書発行事業者である必要があります。また、顧客に適格請求書の発行を求められた場合、国に申請をして自社が適格請求書発行事業者にならなければなりません。

小売業やアパレルは売り手にも買い手にもなるため、両方の側面からインボイス制度で必要となる対応について理解しておく必要があります。

 

インボイス制度の導入の背景

インボイス制度が導入される背景として、軽減税率の存在があります。2019年10月に軽減税率が開始され、品目によって消費税率が8%のものと10%のものが混在するようになりました。小売業の場合は、基本的に食品かそれ以外かで税率が変わります。

商品を販売する際にそれぞれどちらの税率が適用されているのか区分分けを行い、税率を正しく計算したうえで消費税を納税しなければなりません。このときの納税額の誤りや不正を防ぐために導入されるのが、インボイス制度です。

 

インボイス制度が小売店・アパレルに与える影響

インボイス制度が始まることで、小売店やアパレル業界にはどのような影響があるのでしょうか。

 

免税事業者

免税事業者とは、課税売上高が1000万円以下で消費税の納税を免除されている事業者のことです。一方、課税売上高が1000万円を超える事業者は課税事業者といい、消費税の納税義務があります。

免税事業者のままでは、適格請求書発行事業者になることはできません。適格請求書を発行できないと、顧客が課税事業者の場合は自社からの仕入れについて仕入税額控除を受けることはできません。そのため、結果として顧客が納税する消費税額が増加します。

免税事業者からの仕入れが多くなるほど課税事業者は消費税の負担が増えるため、免税事業者からの仕入れを控える顧客が出てくる可能性があります。つまり、免税事業者のままでは、顧客を失う可能性があるということです。

また、適格請求書を発行するために顧客から課税事業者になることをお願いされるケースもあるかもしれません。課税事業者になると消費税の納税義務が発生するため、税金の負担額が増えてしまいます。

 

課税事業者

課税事業者は、適格請求書発行事業者として国に申請すればインボイスを発行できます。そのため、制度が始まるまでに国へ申請しなければなりません。

課税事業者への影響として大きいのが、仕入先のインボイス対応状況によって消費税の負担額が変化する点です。仕入先が免税事業者でインボイスが発行できない場合、その分の仕入れについては消費税の控除が受けられません。そのため、「納税額の増加を受け入れる」「仕入先に課税事業者となるよう打診する」「仕入先を変更する」といった対応が求められます。

また、仕入税額控除を受けるためにはすべての請求書をチェックし、インボイスに対する支払いのみ控除を申請するなど、複雑な経理業務が発生する点にも注意が必要です。自社が発行したインボイスも写しを保存しておかなければなりません。

 

インボイス制度を導入する前に行うべき準備

インボイス制度に対応するには、以下の準備が必要です。

  • 適格請求書発行事業者の登録申請をする
  • インボイスに記載する項目を確認する
  • インボイス制度に対応したシステムを検討する

それぞれどのような対応が必要になるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

 

適格請求書発行事業者の登録申請をする

自社でインボイスを発行するには、まず適格請求書発行事業者となるための登録申請をする必要があります。すでに課税事業者となっている場合は、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を納税地を管轄するインボイス登録センターに送付しましょう。e-Taxを使えば、オンラインでの申請もできます。

免税事業者がインボイスを発行するには、まず課税事業者にならなければなりません。納税地を管轄する税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者として登録しましょう。課税事業者として登録してから、インボイス登録センターに「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出することで、適格請求書発行事業者になれます。

ただし、2029年9月までは経過措置が設けられており、免税事業者が「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出すれば同時に課税事業者として登録されます。そのため、この期間に手続きを行う場合は、課税事業者になるための申請を別途行う必要はありません。

 

インボイスに記載する項目を確認する

適格請求書発行事業者としての登録が完了したら、インボイスに記載する項目を確認して新しいインボイス対応の請求書を作成しましょう。インボイスには、以下の項目を記載する必要があります。

  • 事業者の氏名または名称
  • 適格請求書発行事業者の登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 税率ごとに区分した合計額
  • 税率ごとに区分した消費税額または適用税率
  • 請求書の交付を受ける事業者の氏名または名称

適格請求書発行事業者の登録番号は、登録が完了すると税務署から通知されます。事業者の氏名・名称や取引年月日、取引内容など、従来の請求書に記載している内容も必要です。

品目ごとに消費税率が異なるため、合計額や消費税額、適用税率は区分ごとに記載しなければなりません。

 

インボイス制度に対応したシステムを検討する

インボイス制度が始まると、従来のシステムのままでは対応できなくなるケースがあります。経理システムや会計ソフト、受発注システムやPOSレジなど、仕入れや販売に使うシステムは、インボイス対応のものへの切り替えを検討しましょう。

インボイス制度に対応したシステムを導入すると、インボイス対応に伴う業務の煩雑化を防げます。例えば、インボイスに対応しているスマレジを使えば、インボイスに必要な項目が記載されたレシートや領収書を簡単に発行できて便利です。

インボイス制度に対応した各種システムはすでに多く提供されているため、自社に必要なものを選んで導入しましょう。

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インボイス制度におけるレシートや領収書の扱い方

インボイス制度が始まってからの、小売店やアパレル店舗が発行するレシートや領収書の扱い方についても理解しておく必要があります。ここでは、インボイス制度におけるレシートや領収書の扱い方について、知っておくべき2つのポイントを紹介します。

 

レシートや領収書は基本的に適格簡易請求書として扱われる

小売店やアパレル店舗では、顧客に対して請求書ではなくレシートや領収書を発行することも多いでしょう。不特定多数の者に販売等を行う取引については、必要項目が記載されていればレシートや領収書でも仕入税額控除の対象となり、小売業もこれに含まれます。

適格請求書発行事業者が発行する必要事項を満たしたレシートや領収書は「適格簡易請求書(簡易インボイス)」といい、インボイスの内容を簡略化したものとして扱うことが可能です。具体的には、以下の項目を記載する必要があります。

  • 事業者の氏名または名称
  • 適格請求書発行事業者の登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 税率ごとに区分した合計額
  • 税率ごとに区分した消費税額または適用税率

 

レシートよりも領収書の方が信頼性が高い

レシートも領収書も、必要項目が記載されていれば適格簡易請求書として扱えます。領収書を手書きで作成している場合でも、記載内容が条件を満たしていれば問題ありません。

ただし、先ほど紹介したとおり適格簡易請求書には記載すべき項目が多く、手書きで作成するのは手間がかかります。登録番号や金額などを書き間違えることもあるかもしれません。そのため、手書きの領収書よりもシステムが自動発行するレシートのほうが信頼性は高いです。

また、適格簡易請求書は控えを保管しておく必要があるため、手書きの領収書はコピーを取るなどの対応も求められます。

このように、手書きの領収書は従業員の負担が大きく、ミスや不正のリスクも伴うため、なるべくレシートを活用するのがおすすめです。

 

インボイス制度に関するQ&A

最後に、インボイス制度に関するよくある疑問に回答します。以下の3つのQ&Aを紹介するので、気になるポイントがある人はチェックしておきましょう。

  • 免税事業者から消費税を課税された請求書が届いた場合の仕入れ控除はできなくなりますか?
  • インボイス発行事業者ではない売手(委託者)が含まれる場合はどのように管理する必要がありますか?
  • 小規模事業者の事務負担を軽減する経過措置はありますか?

 

免税事業者から消費税を課税された請求書が届いた場合の仕入れ控除はできなくなりますか?

課税事業者の方が特に気になるのが、「これまで仕入税額控除ができていた免税事業者からの仕入れ分の扱いがどうなるのか」という点でしょう。

免税事業者はインボイスを発行できないため、免税事業者からの請求については仕入税額控除が適用されません。ただし、免税事業者を含む適格請求書発行事業者以外からの課税仕入れについても、一定期間は仕入れ控除が可能となる経過措置が設けられています。

この経過措置では、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除が可能です。経過措置の具体的な期間と控除割合は、以下のとおりです。

  • 令和5年10月1日〜令和8年9月30日:仕入税額相当額の80%
  • 令和8年10月1日〜令和11年9月30日:仕入税額相当額の50%

ただし、この経過措置を適用するためには、国税庁が定める要件を満たす帳簿および請求書等の保管が必要です。

 

インボイス発行事業者ではない売手(委託者)が含まれる場合はどのように管理する必要がありますか?

多数の売手の商品を委託販売する場合には、売手に代わって小売店の名称・登録番号を記載したインボイスを交付することが認められています。これを、「媒介者交付特例」といいます。

ただし、売手がインボイス発行事業者でない場合、この媒介者交付特例は利用できません。売手にインボイス発行事業者とそうでない事業者が混在する場合には、両者のレシートを分けて発行する必要があります。

POSレジのなかには、インボイス発行事業者かどうかを判別して発行するレシートを自動で分けられるものがあります。このようなPOSレジを使えば、売手がインボイス発行事業者かどうかでレジを分ける必要がなく、スムーズな運用が可能です。

 

小規模事業者の事務負担を軽減する経過措置はありますか?

小規模事業者の事務負担を軽減するための経過措置が用意されているため、必要に応じて活用しましょう。課税売上高が1億円以下、もしくは半年間の課税売上高が5000万円以下の事業者については、税込みの支払額が1万未満の課税仕入れの場合は帳簿のみの保存で仕入税額控除が適用されます。

例えば、小規模事業者に該当する小売店が税込み1万円未満の備品を購入した場合、インボイスが発行されなくても従来のレシートや納品書と帳簿への記載で、消費税額の控除が可能です。

 

インボイス制度について正しく理解し対応が必要かどうか考えよう

インボイス制度は仕入税額控除に関わる制度で、消費税を納税していない免税事業者にとってはこれまで意識していなかったポイントについても理解しておく必要があります。小売店の場合は必ずしもインボイス対応が必要となるわけではないため、制度について正しく理解したうえで対応が必要かどうかを判断してください。

適格請求書発行事業者としての登録を進めるなら、インボイス制度に対応したシステムの導入も検討しましょう。インボイス対応のPOSレジは、「スマレジ」がおすすめです。スマレジはすべてのプランがインボイスに対応しており、基本的なレジ機能に加え、在庫管理や売上管理なども搭載されています。バックヤード業務の負担も同時に減らしたいという方は、ぜひご活用ください。

執筆 菊池 勲

複数事業が存在するスマレジの中で、全社横断的にWebマーケティングを展開する事業戦略本部にてマーケティングを担当。 主にオンライン広告の取扱をメイン業務とし、各ベンダー様と共に出稿後のパフォーマンス・予算管理・データ分析および検証に基づくプランニングを担当。

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