キャッシュレス決済の手段には電子マネーとQRコードがありますが、それぞれ特徴が異なります。
各決済方法には多数の種類があるので、導入する場合は、どの種類が何の決済方法なのか把握しておくことが大切です。
本記事では、電子マネーとQRコードの違いや支払い方法、各手段ごとの種類について紹介します。電子マネーとQRコードの導入を検討している方は、決済方法選びの参考にしてみてください。
クレジット・電子マネー・QRコード
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この記事の目次
電子マネーとQRコード決済の違いとは
電子マネーとQRコード決済は、根本的に支払い方法が全く異なります。各方法の概要や明確な違いについて紹介するので、両者の区別がついていない方は、知識を補完しておきましょう。
電子マネーとは
電子マネーとは、電子データの送受信によって決済を行う方法で、カードタイプとスマホタイプがあります。
カードやスマホを専用端末にかざすことで決済が完了し、2~3秒の短時間で決済を行うことが可能です。
電子マネーには、大きく分けて公共交通機関で利用できる交通系ICと専門店でポイントが貯まる非交通系ICがあり、ユーザーの用途によって使い分けられています。発行手段も簡単で、簡略化された申請手続きを行うことで、誰でも取得可能です。
特に公共交通機関を利用する方や専門店の利用者が多い店舗は、電子マネーを導入することで集客アップが図れます。
QRコード決済とは
QRコード決済は、専用のQRコードを活用して決済を行う方法です。
ユーザーは決済専用アプリをインストールし、アプリ上に表示されるQRコードを店舗に読み取ってもらうか、店舗に配布されたQRコードをアプリで読み取って決済を行います。
各サービスごとにポイント還元などの大規模なキャンペーンが定期的に実施されており、キャッシュレス決済の中でも比較的勢いのある決済手段です。また、提携店舗でクーポンなどを発行することができ、上手く活用すれば新規客の獲得につながる可能性が高まります。
ポイ活(ポイントを効率良く貯めて買い物に活かすこと)に取り組んでいる層をターゲットにすることで、売上アップも期待できるでしょう。
※QRコードはデンソーウェーブの登録商標です
電子マネーとQRコード決済の違い
電子マネーとQRコード決済の違いは、決済に伴う操作方法です。
電子マネーの場合は、カードやスマホを専用端末にかざすだけですが、QRコード決済はアプリ上や店舗に配布されたQRコードを読み込んで決済を行います。
店頭での決済方法に違いはあるものの、支払い方法は基本的に同じです。サービスごとに端末の操作が異なるだけで、決済の流れは変わりません。
複数の決済方法を導入したとしても覚えることはほとんど変わらず、囲い込める層が増えるため、電子マネーとQRコード決済の両方を導入することをおすすめします。
電子マネー・QRコード決済の支払い方法
電子マネーやQRコード決済は、サービスによって支払い方法が異なります。支払い方法は、大きく分けて以下の3パターンです。
- 事前にチャージする「プリペイド型」
- クレジットカードで支払う「ポストペイ型」
- 銀行引き落としの「デビッド型」
支払い方法が変わることでユーザーの利用方法も変わるため、いつでも説明できるように把握しておきましょう。
事前にチャージする「プリペイド型」
事前に一定金額をチャージして、その範囲内で決済を行うプリペイド型は、電子マネーによく見られるタイプです。
たとえば、事前にカードやアプリに3,000円をチャージすると、3,000円以内まで決済を行えます。仮に1,000円の決済を行った場合、残高は2,000円となり、次回は2,000円以内まで決済を行うことが可能です。
残高以上の決済が行えないため、適度にチャージしておく必要があります。定期的に残高を確認し、どのくらいの金額まで決済を行えるのか把握しておくことが大切です。チャージ金額内しか決済を行えないため、使いすぎを防げる点が優秀で、毎月の使用金額をコントロールできます。
クレジットカードで支払う「ポストペイ型」
ポストペイ型は、クレジットカードと連携して決済を行う方法で、クレジットカード決済と同様に後払い形式です。
プリペイド型のように事前にチャージすることがないため、残高不足で決済ができない事態を防ぐことができます。
クレジットカードの限度額の範囲で決済を行えるので、効率良くポイントを貯めながら高額決済ができる点がメリットです。ただし、その分使いすぎに気をつけなければなりません。手元の現金が減ることなく決済ができるため、お金を使っている実感が沸きにくく、つい使い過ぎてしまいます。
ポストペイ型を利用する場合は、定期的に使用金額を確認し、月々の予算と照らし合わせながら、自分で制御することが重要です。
銀行引き落としの「デビッド型」
デビット型は、プリペイド型とポストペイ型の良いところを併せ持つ決済方法です。
紐付けした銀行口座の残高の範囲で決済することができ、決済と同時にその金額が口座から引き落とされます。
そのため、プリペイド型のように使用できる金額をコントロールでき、ポストペイ型のようにチャージする必要がありません。プリペイド型はチャージできる金額がサービスごとに上限が決まっていますが、銀行口座に上限なくお金を入金できるため、デビット型は高額決済にも利用できます。
ただし、クレジットカードのようにお金を使っている実感が沸きにくいため、使いすぎを防ぐために決済用の銀行口座を別途用意しておくのが無難です。月々に使う金額を決めて、生活用の口座とは別の口座に入れて、その範囲で利用しましょう。
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電子マネーの種類
電子マネーの種類は多々あります。特に押さえておくべき電子マネーの種類は以下の7つです。
- Suica
- PASMO
- nanaco
- WAON
- 楽天Edy
- QUIC Pay
- iD
いずれも人気の決済手段なので、電子マネーの導入の際にこれらのサービスに対応できるようにしておきましょう。
Suica
Suicaは、JR東日本が発行している電子マネーで、交通系ICの1つです。
JRを利用するときに乗車券として使用するのが一般的ですが、コンビニやスーパー、書店などで決済することもできます。
プリペイド型なので、事前にチャージしなければならず、駅の券売機やコンビニなどでチャージすることが可能です。チャージ金額の上限は20,000円なので、20,000円を越える決済には使用できません。
JRの乗車に使用した場合は、運賃の0.5%、モバイルSuicaは2%分のポイントが付与されます。また、Web登録は必要ですが、対象店舗でSuicaを利用すればポイントが付与され、100円もしくは200円ごとに1ポイント貯めることが可能です。
PASMO
PASMOも交通系ICの1つで、株式会社パスモが発行しており、関東地方を中心に展開されているサービスです。
Suicaと同様に公共交通機関の乗車券として利用されることが多いですが、決済手段としても使用されています。
PASMOもプリペイド型で事前にチャージが必要で、チャージ金額の上限は20,000円です。クレジットカードと紐付けすることでオートチャージ機能を利用することができ、この機能でチャージすればポイントが付与されます。
ポイントの還元率は、TOKYU CARD ClubQ JMBおよび、東急カード発行の各種ゴールドカードでチャージすれば1%、他のクレジットカードの場合は0.5%です。
nanaco
nanacoは、セブン&アイ・ホールディングスが提供しているプリペイド型の非交通系ICです。
使用できる店舗は限られていますが、セブンイレブンやイトーヨーカドー、マクドナルド、ビックカメラなどで利用できます。
チャージの上限額は50,000円ですが、一度にチャージできる金額は49,000円までです。200円決済ごとに1ポイント貯めることができ、毎月8のつく日にイトーヨーカドーで利用すると5%割引になるなどのメリットもあります。
WAON
WAONは、イオングループが発行しているプリペイド型の非交通系ICで、イオン系列店舗をはじめ、コンビ二やコスモ石油などで利用できます。チャージ金額の上限は50,000円です。
nanacoと同様に一度にチャージできる金額は49,000円で、高額決済に備えることもできます。200円ごとに1ポイント貯めることができ、毎月10日にイオンで買い物すると付与されるポイントは5倍です。また、毎月20日と30日にイオンで買い物すれば5%OFFの得点を受けられます。
楽天Edy
楽天Edyは、楽天Edy株式会社が運用しているプリペイド型電子マネーです。
電子マネーの中でも利用できる店舗が多く、コンビニや家電量販店など全国約70万か所で利用できます。
楽天ポイントを利用しているユーザーが多く、定期的にキャンペーンが実施されることで有名です。
導入することで集客効果が期待できるので、電子マネーを導入する上で必ず押さえておくべき決済手段といえます。なお、チャージ金額の上限は50,000円ですが、1回あたりにチャージできる金額は25,000円までです。また、ポイントは200円ごとに1ポイント貯まります。
QUIC Pay
QUIC Payは、JCBと当時のイオンクレジットサービスが開発した電子マネーで、JCBが商標登録しています。
クレジットカードと連動させるポストペイ型なので、50,000円を越える高額決済が可能です。
QUIC Payを利用できる店舗は増加傾向にあり、コンビニや大手スーパー、ドラッグストアなどさまざまな店舗で利用できます。キャンペーンやイベントも定期的に実施されており、それに伴いユーザーも増加中です。
一般のクレジットカードであれば還元率は0.5%ですが、セゾンパール・アメリカン・エキスプレス(R)・カード Digitalと連携すれば2%のポイントが付与されます。
iD
iDは株式会社NTTドコモが運営しているポストペイ型の電子マネーです。
電子マネーの中では、利用可能店舗が最大規模で、約100万か所で使用できます。もともとクレジットカード決済の1種としてスタートしたサービスでしたが、プリペイドカードにも対応できるようになったことから電子マネーとして普及しました。
還元率は、dカードであれば1%、三井住友VISAクラシックカードであれば0.5%と、連携させるカードによって異なります。ただし、対応しているクレジットカードしか紐付けできないので注意が必要です。
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QRコード決済の種類
QRコード決済にもさまざまなサービスが展開されています。特に人気のサービスは以下の4つです。
- PayPay
- メルペイ
- d払い
- 楽天ペイ
他にも種類はありますが、これらの種類には対応できるようにしておきましょう。
PayPay
PayPayは、ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社の合弁会社であるPayPay株式会社が運営しています。
QRコード決済の中でも最もユーザー数が多く、最優先で導入すべき決済方法です。ポイント還元キャンペーンに力を入れており、精力的な宣伝活動によって、キャッシュレス決済を利用していない人でも知っているほど知名度が広がっています。
プリペイド型なので、事前にお金をチャージする必要があり、銀行口座やクレジットカード、セブン銀行・ローソン銀行のATMから入金可能です。ポイント還元率は通常0.5%ですが、Yahoo!JAPANカードでチャージすれば、最大1.5%が還元されます。
メルペイ
メルペイは、株式会社メルペイが提供しているプリペイド型のQRコード決済サービスです。
銀行口座やセブン銀行のATMでチャージすることも可能ですが、メルカリの売上金を支払いに回すこともできます。
また、スマート払いを利用すれば、ポストペイ型としても活用できる点も特徴です。メルペイにはポイント還元システムはありませんが、売上金をメルペイポイントに交換したり、キャンペーン時に配布されたりします。貯まったポイントは、決済に使うことが可能です。
d払い
d払いは、株式会社NTTドコモが提供するポストペイ型の決済方法です。
ポイント還元キャンペーンが充実しており、PayPayに次いでユーザー数が多くなっています。d払いはプリペイド型としても活用でき、コンビニなどでチャージすることで、使用金額を調整することも可能です。
ポイントがよく貯まることでも有名で、dカードのクレジットカードと連携し、決済前にdポイントカードを提示することで、二重にポイントを得られます。QRコード決済の中でも特に勢いのあるサービスです。
楽天ペイ
楽天ペイは、楽天ペイメント株式会社と親会社の楽天株式会社が展開するQRコード決済サービスです。
楽天Edyと同様に楽天ポイントを貯められるため、多くの楽天ユーザーに利用されています。ポストペイ型でクレジットカードと連携する必要がありますが、アプリとクレジットカードで二重にポイントの取得が可能です。
還元率はQRコード決済の中でも高水準で、常に1.5%がポイントで還元されます。PayPayやd払いに次いでユーザーが多いので、楽天ペイまで押さえておくとある程度のQRコード決済ユーザーを囲い込めるでしょう。
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電子マネーやQRコード決済に対応することで、キャッシュレス決済ユーザーの新規獲得や決済手続きのスムーズ化などさまざまなメリットがあります。そのため、今回紹介した種類の決済方法はなるべく幅広く導入することが大切です。
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これ一台で幅広い決済方法に対応しつつレジ周りをすっきりすることができるのが魅力です。