新型コロナウイルスの脅威も落ち着き、日本への外国人観光客は増加傾向になっており、インバウンド集客を図ることで大幅な売上アップが期待できるとされています。
しかし、こうした背景によりインバウンド集客の必要性を感じてはいるものの、実際には未だ対策を実施できていない店舗も多いのではないでしょうか。
本記事ではインバウンド集客が注目されている理由を踏まえて、おすすめのインバウンド対策をご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
この記事の目次
インバウンド集客とは
そもそもインバウンド集客とは何なのか説明します。
インバウンドは、「入ってくる」や「到着する」という意味を表す英語で、一般的には、日本に外国人が観光をしに来るという意味で使われることが多いです。そのため、「インバウンド集客=訪日外国人旅行客の集客」という認識をもっておけば充分でしょう。
ちなみに、インバウンドという言葉は2010年ごろから使われ始めたといわれており、コロナ禍前の2015~2019年あたりはインバウンド需要(日本を訪れたいと考える外国人)が高い状況でした。しかし、2020年の1月以降はコロナ禍ということで、インバウンドという言葉を耳にする回数は激減しました。
コロナ禍も落ち着きを取り戻した現在は、訪日外国人旅行客も増加傾向にあり、インバウンド需要はコロナ禍前に戻りつつあります。今後はますますインバウンド需要が高まることが想定されるので、特に訪日外国人旅行客が多く訪れるエリアは、インバウンド集客の対策は必須と言えるでしょう。
インバウンド集客が注目される理由
インバウンド需要が高まっている点について説明しましたが、実際にインバウンド集客に注目している店舗は増えています。なぜインバウンド集客が大々的に注目されているのか、その理由について説明します。
政府が訪日外国人旅行客増加を目標にしている
インバウンド集客が注目される1つ目の理由は、政府が訪日外国人旅行客増加を目標にしていることです。
国土交通省観光庁によると日本政府は、2030年まで訪日外国人旅行客の目標数を6000万人に設定していることを公言しています。
訪日外国人旅行者数については、2011~2019年にかけて順調に訪日外国人旅行客が増加しており、2019年には3188万人に到達していましたが、2020年以降は500万人を下回り、2021年の訪日外国人旅行客はなんと25万人でした。
しかし、2022年10月から入国者数の上限撤廃や短期滞在者のビザ免除が実施され、これからコロナ禍前のように訪日観光が活発になることが想定されます。
まずは、コロナ禍前の訪日外国人旅行客レベルに戻す必要はありますが、観光庁や地方自治体等が主体となって訪日マーケティング戦略を構成し、プロモーション活動に力を入れるので、自然と世間的にインバウンド対策が求められる流れになるでしょう。
日本の人口減少により市場縮小が懸念されている
インバウンド集客が重要視されている理由の1つとして、日本の人口減少による市場縮小が懸念されている点も考えられます。
日本は少子高齢化により、消費市場が縮小傾向にあるため、国内市場に限った経営には限界があります。総務省統計局の人口推計結果によると、2010年を起点として2022年に至るまで常に減少傾向です。
一方訪日外国人旅行客は増加が見込まれるので、インバウンド市場に注目するのは当然の流れと言えるでしょう。
人口を急激に増やすことは不可能ですが、訪日外国人旅行客は日本政府や各自治体の施策によって増やすことは可能です。市場規模の拡大を図るのであれば、訪日外国人旅行客を中心に対策をした方が効果が表れやすくなるでしょう。
観光客増加で地域活性化に繋がる
訪日外国人旅行客が増加することで、地域活性化に繋がる点も注目ポイントです。
東京や大阪、京都など自然と人が集まるエリアもインバウンド需要の効果は表れるかもしれませんが、それ以上に地方エリアの方がインバウンド需要の恩恵を受けることになります。
特に定住人口が減少傾向にある地方は、集客の大半は観光客に頼ることになるため、訪日外国人観光客が増加することで、その分集客アップのチャンスが生まれます。訪日外国人観光客を上手く集めることができれば、インバウンド需要拡大を最大限に活かすことが可能です。
人口減少が激しい過疎地域は、インバウンド集客が店舗経営の生命線になる可能性があるため、どのようにして訪日外国人旅行客を呼ぶかが重要と言えるでしょう。
インバウンド集客で取り組むべき施策
インバウンド集客で具体的にどのような取り組みをすればよいのか説明します。
特に店舗で行うのにおすすめの施策は以下の9点です。
- メニューや商品名の外国語表記
- Webサイトの多言語対応
- 翻訳語ツールの導入
- キャッシュレス対応
- POSレジの免税対応化
- 無料Wi-Fiの設置
- Googleビジネスに登録
- 外国人に人気のWebメディアに掲載する
- 口コミの促進
順に説明するので、インバウンド対策の参考にしてください。
メニューや商品名の外国語表記
メニューや商品名を外国語表記することはインバウンド対策として基本です。
外国語表記しておくことで、外国人観光客は店舗の特徴を簡単に把握することができます。たとえば、飲食店に入った際に何の料理を扱っているのか一目で理解することができ、スムーズにサービスを利用することが可能です。そのため、少なくとも日本語と一緒に英語表記しておくことをおすすめします。
また、アジア圏の観光客も多いので、可能であれば中国語や韓国語にも対応すると良いでしょう。
Webサイトの多言語対応
外国人向けのWebサイトを作成するのもインバウンド対策として効果的です。
外国人旅行客の情報源はインターネットであることが多く、店舗のWebサイトをチェックしている外国人は一定層います。そのため、英語版や中国版、韓国版のようにボタン1つで表記方法が切り替えられるようにしておけば、Webサイトが来店のきっかけになってくれることもあるでしょう。
翻訳語ツールの導入
対面での外国語対応ができるように、翻訳ツールを導入することをおすすめします。
メニューやWebサイトなどを外国語表記しているだけでは、疑問を解消できないことがあるため、外国人旅行客から直接質問をされることがあります。そのときに、外国語対応できれば問題ありませんが、全てのスタッフが外国語対応可能な状態にするのは非現実的です。
そこで、外国語スキルがなくても、相手の話している内容を理解し、正確に解答できるように翻訳ツールを活用しましょう。翻訳ツールを利用することで、店舗と外国人旅行客の双方がストレスなくコミュニケーションを取ることができます。
キャッシュレス対応
外国人旅行客に限らず、集客アップにおいてキャッシュレス対応は重要です。
アメリカや韓国、中国ではキャッシュレス化が進んでおり、現金払いよりもクレジットカード決済やスマホ決済の利用率が高い傾向があります。経済産業省の報告によると、キャッシュレス決済の比率は2020年時点で韓国は93.6%、中国は83.0%、アメリカは55.8%となっており、日本の32.5%と比較しても高水準であることがわかります。
キャッシュレス対応をするだけで、キャッシュレス決済が普及している国の旅行客を囲い込むことが可能なので、マルチ決済端末を導入しておきましょう。なお、スマレジでは、UNION PAYやALIPAY、WechatPAYなど、外国人が多く利用しているスマホ決済に対応している「スマレジ・PAYGATE」を提供しています。導入することで、幅広い決済手段に対応することが可能です。
POSレジの免税対応化
食料品など国外に持ち帰ることができる商品を取り扱う場合は、POSレジの免税対策をしておきましょう。
免税対象の商品を販売する際には、免税対応をしなければなりません。現在、免税手続きは完全に電子化されているため、購入記録情報を電子化し、その電子データを国税庁に提供する必要があります。
免税手続きをスムーズに行うためにも、免税対応ができるPOSレジを導入するのがおすすめです。なお、「スマレジ」はパスポート情報を一瞬で正確に読み取り、免税販売をスピーディーに行うことができ、国税庁への提出までワンストップで行えます。
無料Wi-Fiの設置
外国人旅行客も電子媒体を活用する機会が多いので、無料Wi-Fiを用意しておきましょう。当然ながら初めて訪れる地域は土地勘がないため、外国人旅行客もスマホやタブレットで情報収集することになります。
店内でWi-Fiが使えれば、店舗利用中に次の観光先の情報を検索することができるため、ストレスなく観光を楽しんでもらうことが可能です。訪日外国人旅行客にとってWi-Fi環境は必須と言っても過言ではないので、店舗側でネット環境を整備して顧客満足度を高めましょう。
Googleビジネスに登録
Googleビジネスに登録することで、Googleマップに表示されるようになります。
外国人旅行客はGoogleマップを使って行動することが多いため、店舗情報がGoogleマップ上に表示されれば、来店してもらえる可能性が高まります。Googleビジネスプロフィールに必要情報を登録するだけです。登録は無料なので、とりあえず設定しておきましょう。
SNSの活用
インバウンド集客としてSNSの活用も効果が期待できます。
たとえば、TwitterやInstagramは外国人も利用しており、情報源としても活用している人が多いです。商品や料理、設備等の写真をSNSにアップすることで、言語がわからなくても店舗の様子を具体的にイメージできるようになります。
写真であれば、料理を美味しく見せたり、サービスを楽しく感じさせたりすることが可能です。たくさんの魅力を伝えるために、定期的に情報を更新しましょう。
外国語の投稿文や英語のハッシュタグで紹介する
SNSを利用するときには、投稿文を英語にしたり英語のハッシュタグを利用したりすると、より多くの外国人に見てもらいやすくなります。
写真に説明文を付け加えるだけで、一度に伝えられる情報量が多くなり、閲覧者の理解度を高めることが可能です。
また、ハッシュタグを英語にすることで、英語で検索されたときにヒットしやすくなります。SNSを運用する上で、いかに多くの外国人に注目してもらえるかを意識しましょう。
インフルエンサーにサービスを利用してもらう
資金に余裕がある方は、外国人のインフルエンサーに協力を依頼するのも有効です。
実際に影響力のある外国人にサービスを利用してもらい、その感想を利用時の様子を踏まえて紹介してもらうことで、まとめて多くの人に情報を届けることができます。バズれば店舗の知名度を急激にアップさせることができ、世界からの注目を集められるため、宣伝活動として最も効率的と言えるでしょう。
ターゲット国でよく使われるSNSを運用する
SNSといっても国によって利用されているサービスは異なるので、ターゲットにしたい国の使用率が高いSNSを利用しましょう。
たとえば、韓国人の観光客に来てもらいたい場合は、LINEではなく韓国で利用率の高いKakaoTalk(カカオトーク)を運用することが効果的です。
国によって人気のSNSや規制のあるSNSなどが異なるので、ターゲットに合わせてSNSを選定しましょう。
国の文化に合わせた運用をする
SNSは国の生活や文化に合わせて運用するのが基本です。
たとえば、投稿をより多くのターゲットユーザーに見てもらうためには、投稿時間も時差を考慮して更新することが求められます。また、宗教によってはNGとなる表現や行動があるので注意が必要です。
たとえば、サムズアップ(親指を立てるポーズ)は日本やアメリカではグッド(いいね)という意味で使われますが、イタリアやギリシャ、イランなどでは相手を侮辱する意味として捉えられます。意図せずに海外でのタブーに触れることがないよう、外国人がどのように投稿内容を受け取るかを慎重に検討しましょう。
外国人に人気のWebメディアに掲載する
外国人に人気のWebメディアに掲載するのも1つの方法です。
たとえば、世界最大規模の旅行口コミサイトであるトリップアドバイザーに店舗情報を掲載することで、多くの外国人ユーザーに見てもらえる可能性があります。掲載費が無料のサービスを利用すれば、低コストで宣伝活動をすることが可能です。Webメディアで世間からの注目を集めることができれば、そこからWebサイトやSNSアカウントへの流入も期待できるでしょう。
口コミの促進
実際に来客した外国人旅行客にSNSやGoogleマップで口コミをしてもらいましょう。
たとえば、SNSで口コミ投稿をしてくれた利用客の中から抽選で商品をプレゼントするといったキャンペーンの施策を実施することで、口コミの促進を行います。ただし、利用客の任意のもとで行う施策なので、強制はしないようにしましょう。
インバウンド集客を強化しよう
これから訪日外国人旅行客の増加が見込まれるため、インバウンド集客の強化が求められます。
インバウンドへの向き合い方次第で、効率良く売上アップを図ることができるため、今回紹介した施策を参考にインバウンド対策を行いましょう。
なお、インバウンド集客を行う上で、キャッシュレス決済や免税手続きへの対応が必須と言えます。
そこで、インバウンド対策に適したPOSシステムである「スマレジ」がおすすめです。スマレジを導入すれば、外国人旅行客を相手にしたレジ対応がスムーズになります。インバウンド対策に興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。