ワークフローツールを導入することで、申請や承認などがスムーズになり、組織業務の効率改善に効果的です。しかし、ツールの種類が多く、どのようなツールを導入すればよいか、わからない人もいるのではないでしょうか。
今回はワークフローツールを導入するメリットや、各サービスの特徴や違いについて解説します。
この記事の目次
- ワークフローツールとは?
- ワークフローツールを導入するメリット
- ワークフローツールを選ぶときのポイント
- 無料で使い始められるツールも!おすすめのクラウドワークフローシステム7選
- 簡単に使えるツールでワークフローの管理・作成が容易に!
ワークフローツールとは?
ワークフローツールとは、業務に関わる申請から承認まで、組織業務の一連の流れを効率化できるツールです。具体的には、稟議書や交通費の申請、承認、決済までをWebやシステム上で行えます。
申請状況が可視化され、誰にどの申請を出せばよいかもわかりやすくなるため、業務効率の改善に効果的です。スマホからでも申請でき、通知設定やログの管理までできるため、申請業務で、誰がどのように動いているか視覚的に把握できます。書類の検索機能もあり、過去データの確認もスムーズです。ツールによっては外部ツールとの連携も可能で、導入の手間が抑えられます。
ワークフローツールを導入するメリット
ワークフローツールを導入することで、業務の効率化に効果を発揮します。しかし、どのようなメリットがあるか、イメージできない人もいるでしょう。ここではワークフローツールを導入するメリットを紹介します。
申請・承認業務の効率化
ワークフローツールを導入することで、申請や承認業務が効率化します。主要な要因は書類作成の手間がなくなることです。ワークフローツール導入前の場合、書類作成には専用のフォーマットと印鑑が必要で、作成に手間がかかりました。またオフィスが離れている部署への申請の場合、FAXや郵送の必要があり、その手間やコストも小さくありません。
しかし、ワークフローツールであれば、データを自動で送付するため、書類でやりとりするよりもスピードが速く、申請も自動で流れていきます。そのため、申請や承認の業務に無駄がありません。
決済までのスピードが上がる
ワークフローツールを導入すると、決済にかかる時間が短くなります。決済にかかる時間は業務効率だけではなく、競争力にも関わる要素です。競合他社と意思決定の時間に差があることで、失注にもつながります。
決済までのスピードが上がる要因としては時間や場所の制限がなくなること、アラート機能での通知が可能なことです。ワークフローツールを導入すれば、Web上で申請のやりとりができ、その場での承認も可能です。アラームでの通知機能もあり、確認漏れのリスクも少なくなります。
社員同士の情報共有がスムーズになる
ワークフローツールは申請や承認の状況が可視化でき、社内での情報共有がスムーズになります。ワークフローツール導入前の場合、申請したものが現在どのような状況なのか、確認を取らないとわからない状態でした。また、複雑な承認の流れが必要になる場合、誰に何を申請すればよいかわからず、無駄な時間を使うこともあります。
しかし、ワークフローツールを導入することで、誰にどの申請をすればよいかが明確になり、申請の状況も簡単に把握できるようになりました。
ペーパーレス化につながる
ワークフローツールはペーパーレス化の推進に欠かせません。従来の書類管理の場合、紙代や印刷代、郵送代など、余分なコストがかかっていました。また、書類を管理するためのファイリングや保管に場所を取る点も問題です。この管理方法には、書類を探す手間や書類の紛失などのリスクがありました。
しかし、ワークフローツールであれば、これらのコストがかからないほか、書類を電子化できるため保管に場所を取りません。
テレワークにも対応できる
ワークフローツールはテレワークに対応するために重要なツールです。書類管理の場合、状況に応じて出社する必要がありました。そのような状態だと、テレワークの導入も非現実的になってしまいます。しかし、ワークフローシステムはWeb上で管理可能です。そのため、出社する必要がなく、外出先でも申請や承認業務に対応できます。
ワークフローツールを選ぶときのポイント
ワークフローツールの導入は、業務効率化やペーパーレスの実現、テレワークの導入には欠かせません。しかし、ツールの種類が多く、何を基準に選ぶべきか迷ってしまうかもしれません。ここではワークフローツールを選ぶときのポイントについて解説します。
クラウド型かオンプレミス型か
クラウド型とオンプレミス型では、使い勝手に大きな違いがあります。クラウド型とは、システムの運用がクラウド上で行われ、そのサービスを利用する手法です。クラウド型の場合、サーバーなど必要な環境が整備された状態で提供されているため、導入が手軽でコストがかかりません。
これに対して、オンプレミス型とは、自社でシステムを保有し、運用する方法です。オンプレミス型の場合、導入のために、システムを構築する必要があるため、時間とコストがかかってしまいます。その反面、カスタマイズは自由自在です。
どちらを選ぶべきかは会社の要望にもよりますが、手軽かつコストをかけずに導入したい場合にはクラウド型のワークフローツールがおすすめです。
機能性
ワークフローツールは機能性が重要ですが、多機能であればよいという話ではなく、必要な機能を備えつつ、実際の使い勝手がよいツールであることが大切です。ワークフローツールは、ITに詳しくない社員でも使いこなせる必要があります。使い方が難しいワークフローツールの場合、社員がワークフローツールを使いこなせずに、実際には使われないという事態にもなりかねません。
特に大まかなポイントはUI(ユーザーインターフェース)の見やすさとメンテナンスのしやすさです。UIが見やすければ、使い勝手が向上します。また、承認までのフローに変更がある場合、ITに詳しくない人でも簡単に変更できることが大切です。
企業の規模や業種、現在のワークフローによって、どのようなツールがよいかは変わる場合もあります。そのため、会社の現状に合わせたツール選びが大切です。
勤怠管理など他サービスとの連携があるか
ワークフローツールは、自社のツールと連携できるかどうかもポイントです。自社ツールとの連携ができるかどうかは使い勝手にも関わります。データ同士のやりとりができると、効率的な業務遂行が可能です。連携できるツールであれば、導入後の手間がかからず、スムーズな導入ができるでしょう。
API連携ができるツールであれば、自社で利用している多くの他サービスと連携ができるようになります。勤怠管理や経費の管理、人事システム、チャットツールなどと連携できるかどうかは事前に調べておくとよいでしょう。
無料で使い始められるツールも!おすすめのクラウドワークフローシステム7選
クラウド型のワークフローシステムも多くの種類があり、どのようなツールを選べばよいかわからなくなることもあるでしょう。ここではおすすめのクラウドワークフローシステムを7つ厳選して紹介します。
ジョブカンワークフロー
ジョブカンワークフローは、使い勝手のよさにこだわりがあるワークフローツールです。あらゆる申請書に対応しているほか、申請一覧が見やすく、承認もクリックだけで完結します。また、入力内容の制御により、書類不備や抜け漏れにも困りません。承認経路を簡単に作成でき、条件に応じた分岐も可能です。
G SuiteやGoogleアカウント、クラウドサイン、Amazonビジネスと連携でき、スマホからの承認も行えます。契約後だけではなく、無料期間中でも、メール・チャット・電話でのサポートが利用可能です。
料金は1ユーザー月額330円(税込)で利用でき、初期費用やサポート費用はかかりません。ただし、初期設定サポートを利用する場合には18万円からの費用がかかります。
スマレジ・タイムカード
スマレジ・タイムカードはワークフロー管理に加え、従業員の管理を一元化できるツールです。勤怠管理・シフト管理・給与や報酬の管理・日報の管理・プロジェクト管理・マイナンバー管理までタイムカードのみで行えます。タイムカードでは、あらゆる申請をテンプレート化でき、部署やチームごとの申請経路の作成が可能です。
タイムカードは、チャットサポート・メールサポート・ヘルプサイト・電話相談に対応しています。そのため、わからないことがあったとしても安心です。
これらの全ての機能を利用する場合には、10名までの利用で月額6,600円(税込)。11名以上の利用の場合は、一人月額660円となっています。アカウント作成から60日までの間は無料で全ての機能を利用できます。
Backlog
Backlogは、プロジェクト管理をオールインワンで利用できるサービスです。課題テンプレートとカスタム属性を利用することで、ワークフロー管理までできます。属性を設定することで、必要な情報を入力しなければ登録できないようになっており、入力ミス防止が可能です。
また、課題テンプレートを利用すれば、自動で必要なフォーマットを呼び出せるため、フォーマットの統一ができ、楽に書類整理できます。ただし、承認者の設定や、担当者の自動変更などの機能は備えられていないため、運用方法を考えなければいけません。
サポートはメールサポートとチャットサポートが利用可能です。上記の機能を利用するためには、月額21,780円(税込)に加入する必要があります。
クラウドERP freee
クラウドERP freeeは、クラウド型のワークフローツールです。Salesforceやkintoneなどの業務システムと連携が可能で、部署を超えた業務やコミュニケーションもスムーズに行えます。データの一元管理ができ、一度入力すれば、同様のデータを自動で反映するため、管理部門の業務負担軽減に効果的です。
クラウド型の欠点として、データ量が増えると動作が遅くなるという問題がありましたが、クラウドERP freeeは動作スピードを落とさないことに注力しています。
チャットサポートや電話サポート、メールサポートにヘルプサイトが利用でき、サポート面も充実しています。ワークフローツールは「ベーシック」プランから利用でき、従業員1人につき、年額3,980円(税込)からで利用できます。
Trello
Trelloはプロジェクト管理やタスク管理、ワークフロー管理といった目的で活用できるツールです。カードを使って必要な作業を管理できるのがポイント。カードではチェックリストや詳細、期限、添付ファイル、会話などが確認でき、どのような状態にあるのかすぐにわかります。
自動化機能が利用でき、固定化した作業は機械的に処理させることも可能で、自由なカスタマイズ性が特徴です。Trelloはヘルプサイトやコミュニティが利用できるほか、サポートサービスへの問い合わせが可能です。
制限付きですが、無料でも利用できます。しかし、無料プランで利用できる範囲は限られるため、実務で活用する場合はスタンダードプラン以上の契約がおすすめです。有料プランを利用する場合には、ユーザーあたり月額5ドル~かかります。
Create!Webフロー
Create!Webフローは、紙での申請や決済業務を電子化したワークフローシステムです。使い方がわかりやすく、承認システムも細かく設定できます。そのほかシステムとの連携もできるため、業務効率の改善にも効果的です。
承認ルート設定や保管・検索・集計機能・アクセス権限の管理まで、ワークフロー管理に必要な機能をほぼ備えています。サイボウズグループウェアとの連携や、API連携も可能です。
サポートとして、ユーザーサポートサイトの利用ができ、機能や操作方法についての相談にも対応しています。利用料金はクラウド版の場合、1ユーザー月額550円(税込)または年額6,050円(税込)かかります。
Gluegent Flow
Gluegent Flowは、クラウド型ワークフローシステムで、申請から承認までの業務プロセスをクラウド上で管理できるサービスです。承認に関わる書類のレイアウトを自由に設計でき、柔軟な経路設計にも対応しています。
モバイル端末からの利用も可能で、ブラウザ通知なども可能なため、申請が滞る心配はかなり少なくなるでしょう。電子契約サービスと連携できるため、契約書の申請や押印、保管までの流れを自動化できます。
サポートサイトからわからないことは検索でき、問い合わせも利用可能です。1ユーザーあたり330円(税込)で利用できます。
簡単に使えるツールでワークフローの管理・作成が容易に!
ワークフローツールを適切に利用することで、ワークフローの作成や管理が容易になり、業務効率改善に役立ちます。しかし、種類が多く、目的や利便性を考えてワークフローツールを選ぶことが大切です。
スマレジ・タイムカードは、POSレジ連携もできるワークフローツールです。そのため、スマレジのタイムカードを利用するだけで、ワークフロー管理だけではなく、勤怠管理から経営管理まで一貫して実現できます。