日報を作成していても、うまく運用できていないとお困りではないでしょうか。日報はうまく利用すれば、業務内容の共有に加え、業務効率の改善にもつなげられます。そして、適切な運用をするためには、正しい運用方法を知り、適切な方法で管理することが大切です。
今回は、日報を書くメリットや正しい書き方、共有する手段ごとのメリットとデメリットを解説します。
この記事の目次
日報とは?書く意味・目的
日報とは、その1日に行った業務内容を報告するものです。上司やチームメンバーに共有し、業務内容の把握や、情報共有を行えます。ここで共有される、情報や業務内容を、今後の動きの改善や目標達成のために活用します。また、日報は業務の失敗や反省点を振り返るためにも使われます。
以前は紙ベースでしたが、最近ではワードやエクセルで作成するのが主流になっています。また、近年ではテレワークの導入により、日報の管理ができるツールも注目されるようになりました。
日報を書くメリット
日報を適切に運用することで、組織の業務を効率的にできるだけではなく、従業員にとっても多くのメリットがあります。しかし、明確な目的をもって運用しなければ、十分にメリットが活用できません。ここでは日報を書くメリットについて具体的に解説します。
組織内の情報共有ができる
日報は組織内の情報共有ツールとして効果的です。個人業務が多い場合や、リモートワークや外で営業しているような営業の場合、チーム内でそれぞれどのような業務をしているか把握できなくなります。情報共有ができていないことが、クレームやトラブルの原因にもなりかねません。日報で情報共有を行うことで、コミュニケーションの機会が生まれ、上司や部下とのスムーズなコミュニケーションにも役立つでしょう。
日報は退職や異動時の引き継ぎにも活用可能です。業務日報を活用し、普段から情報共有することで、引き継ぎにかかる時間が大幅に少なくなります。また、日々の業務内容や課題を発見でき、チーム全体の業務効率化に貢献するでしょう。
ナレッジを蓄積できる
日報は個人が持っている知識やノウハウを共有できるため、会社内でのナレッジの蓄積に効果的です。たとえば先輩の日報を参考にし、後輩がそのノウハウをすぐに真似するといったことが可能であるため、教育の効率化につながります。
日報を上司や先輩が見ることで、部下や後輩が自分と同様の悩みを抱えていることに気づき、いち早く解決策を提示することもできるでしょう。日報を細かく読んでいると、日々の精神状態の変化にも気づきやすくなり、課題の早期発見にも役立ちます。
個人の成長につながる
日報は日々の業務を振り返り、PDCAサイクルを回しやすくなるため、個人の成長につながります。PDCAとは、P(Plan:計画)D(Do:実行)C(Check:振り返り)A(Action:改善)の頭文字を取ったものです。会社での成功や失敗を記載し、「成功の要因は何か」「失敗の原因は何か」振り返えり、改善までつなげられます。
このPDCAを取り入れるためには、個人で何をしていたのか、記録を取ることが大切です。日々の記録を取る手法として日報がとりいられています。
日報の書き方(書くときの注意点)
日報を取り入れることで、さまざまなメリットがありますが、その効果を生かすためには、守るべき注意点があります。これらの注意点を守らなければ、書いただけで終わってしまう可能性があり、従業員の業務負担だけ大きくしてしまいかねません。日報の具体的な書き方を次で解説します。
できるだけ当日中に書く
日報はできるだけ当日中に書くことが大切です。すぐに記録し、改善策まで記載することで、翌日以降の業務に反映されます。しかし、忙しい日などには、先延ばしにしてしまいがちです。1日の節目に会議や打ち合わせのメモを残しておくと、記憶が整理しやすくなり、日報作成の効率が上がるでしょう。
しかし、日報を適切に書くためには、頭の中を整理し、考えなければいけないため、やはり時間と手間がかかります。そのため、あまりに忙しい状況だと先延ばしにして数日分まとめて記載してしまう可能性があります。
数日まとめての記載だと、PDCAを効果的に回せなくなり、記憶も薄れてしまうため、日報のメリットが十分に発揮されません。
5W1Hで情報をまとめて書く
日報は5W1Hで情報をまとめて書くことが大切です。5W1Hを入れて記載することで、日々の作業を具体的に整理できます。具体的に整理できていると、問題点や課題が確認しやすくなり、業務改善につなげやすいでしょう。
日報作成では自分の感想や自分に関係のない業務の批判など、余分な話題を入れてしまうことがあります。しかし、余分な話題を入れるほど、話にまとまりがなくなり、内容がわかりにくくなりがちです。5W1Hを意識することで、情報を整理して記載しやすくなります。
数字や固有名詞を入れて具体的に書く
業務日報では数字や固有名詞を入れて具体性を持たせることが大切です。これらが曖昧になっていると、日報の内容があやふやになり、情報共有もできなくなります。
一つの業務で何をしたのか、事務作業であれば「会計処理〇〇件」など、どのくらいの作業量をこなしたのか、具体性を持たせることが大切です。具体性があることで、余分な作業はないか、特定の業務に時間をかけすぎていないかなど、問題点がより正確に判断できます。また、具体的な業務状況が把握できることで、適切な業務の判断にもつながります。
所感も交えて書く
日報では感想だけではなく、所感を意識して書くことが大切です。所感を取り入れながら書くことで、従業員の成長により貢献できます。所感とはビジネス上、「感想と今後の改善点」を意味しています。所感はPDCAでいうCとAに該当する部分です。
この所感があることで、成長に必要な気づきが得られやすくなります。上司もフィードバックしやすくなり、従業員の成長に役立てられます。感想から所感にするためには、個人の主観に偏らないよう、感想に具体例や数字、理由を取り入れ客観性を意識ことが大切です。
ただし、日報に直接業務に関係しない感想は記載しないようにします。不必要な感想が入っていると、内容が曖昧になり、課題点が何か適切に把握できません。
日報を作成・共有する手段
日報は紙ベースで行われていることが多かったですが、パソコンやメールなどさまざまな手段が増えてきました。ここでは、どのような手段があるのか、それぞれの手段の特徴とメリット、デメリットについて解説します。
Excel・Word
ExcelやWordは、日報用のテンプレートがあり、多くの企業でも導入されているため、簡単に取り入れられます。管理側が導入しやすく、従業員もすぐに実践しやすい点がメリットです。A4用紙1枚に収められるような形式になっており、必要項目をわかりやすく記載できます。
ただし、従業員側ではExcelやWordだけでは提出できず、メールで添付する、紙で印刷するなど一手間かかる点がデメリットです。管理側は日報の添削やフィードバックまで含めると、ファイル数が増えてしまい、管理の手間が大きくなる可能性もあります。
メール
日報をメールで送る企業もあります。メールの場合は、手軽に送信できるため、従業員からすると、日常の運用コストがかからない点がメリットです。また、メールはどのような企業でも導入されているため、管理側の導入コストもかかりません。
しかし、メールは検索性が低いことが問題点です。日常業務のメールと紛れてしまい、従業員や管理者が過去の日報を検索しにくい、管理者の確認が漏れてしまうなどの問題が発生します。また、メールは受信者しか内容を確認できません。そのため、日報を情報共有のツールとして活用したい場合にはメールは不向きです。
チャットツール
チャットツールとは、個人やグループを相手にコミュニケーションができるツールです。管理者と従業員双方で、個人間のやりとりやグループでのやりとりが可能で、情報共有が効率的にできます。業務改善につながるフィードバックもしやすいでしょう。
しかし、メールと同様に過去の情報の蓄積は難しい点がデメリットです。チャットの場合は有用な情報であっても埋もれてしまいやすく、情報が混在してしまうため、ノウハウの蓄積には向いていません。
社内システム
社内でスケジュール管理やメール、文書作成などの社内システムを構築している場合、日報管理システムが導入されている場合もあります。一つのツール内で日報まで管理できるため、扱いやすく、システムを日報の導入目的に合わせて作り替えられる点がメリットです。
ただし、ITツールに慣れていない人の場合、使い方がわからず戸惑う可能性があります。ツールのインターフェースをわかりやすくし、必要に応じて使い方の研修を行わなければいけません。また、新しく導入するなら導入にコストがかかる点もデメリットです。既存の社内ツールとの連携や、システムの構築には少なくない費用がかかってしまいます。
日報管理アプリ
日報管理アプリとは、日報の管理に特化したアプリです。日報の管理や共有ができ、データとして蓄積や分析までできます。スマホでの日報作成や提出が可能で、従業員にとっての使いやすさがメリットです。時間や場所問わず、日報作成ができます。社内システムと異なり、クラウド型のためそれほど大きなコストをかけずに導入できる点も特徴です。クラウド型のツールの場合はWeb上にシステムがあり、システム構築の必要がありません。
しかし、日報管理に特化したアプリの場合は、日報以外に活用しづらい点がデメリットです。ノウハウの共有など、日報から業務改善に活用する場合は、目的に合わせたアプリ選びをする必要があります。
日報の作成・管理はシステム導入で効率的に!
日報は適切な運用ができれば、従業員の成長や社内の業務効率改善につなげられます。しかし、そのためには、適切な日報の運用や、目的に合わせた管理ツールの導入が必要です。
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