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特集 2023/12/08 2023/12/08

パソナグループと淡路島の共生 地方創生で織り成す新しい未来

兵庫県の淡路島に本社機能の一部を移転し、話題を集めた株式会社パソナグループ。この大胆な取り組みは、どのような展望を持って行われたのか。

創業の背景から淡路島での地方創生事業、未来へのビジョンに至るまで、株式会社パソナグループの染木様に詳しくお話をお聞きしました。

この記事の目次

社会問題解決の理念から生まれたパソナグループ

当社は約50年前の1976年に、当時学生であった現パソナグループ代表の南部靖之によって設立されました。設立以来、「社会の問題点を解決する」という大きな企業理念のもと運営しています。

当初、社会問題として挙げられたのは、育休・産休を経て復職を希望する女性の方々やシニア層、障害をお持ちの方々など、その人の希望にあわせて自由な時間や場所で働ける環境の実現でした。この課題を解決するために人材派遣事業を立ち上げ、その後、多様な人材サービスを展開してきました。

 

地方創生のきっかけとなった阪神淡路大震災

そんな中、1995年に起きた阪神淡路大震災をきっかけに、地方創生に取り組むことになります。

震災による失業で神戸を離れる人々を支援するため、当社は神戸出身の南部の下、派遣法の制限の中で、直接雇用を行いながら1995年から5年間、神戸ハーバーランドの百貨店「神戸ハーバーサーカス」を経営し、地元経済の復興と雇用創出に貢献しました。この経験を通じて、当社は兵庫県と強い絆を築くことができました。

2000年代に入り、新しい社会の問題として、地方の若者・担い手の減少や農薬の多用による食を通じた健康への影響などが浮上してきました。これらは新しい社会の問題点になるだろうということで、当社は新しいチャレンジを始め、淡路島に来る前に2003年から2008年まで、東北地方を中心に農業水産省からの委託事業を行っていました。

その地域では、主に高齢の方々が農業を営んでおり、後継者不足が問題でした。一方、都市部には農業に関心を持つ若者がいましたが、どのようにして始めれば良いのかわからず、立ち止まっている状況がありました。このギャップを埋めるために、私たちパソナグループは委託を受け、農業分野でのマッチング事業を含む様々なプロジェクトを推進してきました。

これらの経験から、パソナグループとして必要な行動を起こすべきだとの決意を固め、地方創生に向けた取り組みを始めました。この取り組みを始める上で、農業を行うための適切な土地を確保する必要がありましたが、そこには地方自治体の理解が必要でした。

そこで震災復興の時から繋がりが強かった兵庫県様にご相談したところ、淡路島の紹介を受けることができ、地方創生への道が開かれました

 

淡路島を地方創生の起爆剤に

1990年代の淡路島は、北部へのアクセスがフェリーに限られていたため、訪れる人が少なく、さらに震災の影響で人口が減少している状況でした。

明石海峡大橋が完成してからは、島外への通勤や通学が可能になりましたが、その結果として若者が留まらず島外へ出て行くようになりました。現在も、淡路島は高齢化率が約38%であり、2050年の全国の平均水準に匹敵する状況です。

一方で、絶景が広がる海岸線や新鮮な海の幸や農産物など、淡路島ならではの魅力も多くあり、これを活かした地方創生が成功すれば、同様の取り組みを全国に広げ、地方創生の起爆剤になるのではと考え、2008年から淡路島で取り組みを開始しました。

当初は農業を介した人材育成や、人材マッチング事業からスタートしました。さらに関係人口を増やし、淡路島の経済を活性化させるために、2012年から観光事業をスタートしました

のじまスコーラ」という廃校を改装した複合施設を皮切りに、淡路島の西海岸を中心に年間2〜3箇所のペースで観光施設を開設しています。さらに、インバウンド観光客を想定し、”アニメ×テクノロジー×自然”をコンセプトにした新感覚のテーマパーク「ニジゲンノモリ」や、ハローキティをテーマにした「HELLO KITTY SMILE」などのアミューズメント施設も展開しています。

 

これからのテーマはウェルビーイング

これからの社会問題として、「ウェルビーイング(健康)」がテーマになると考えています。これには肉体的な健康だけでなく、精神的、社会的な健康も含まれます。大切な人たちと信頼できる関係を築きながら日々を送れる、そんなウェルビーイングを体験できる施設やイベントを提供したいと考えています。

このような背景でオープンした「禅坊 靖寧(ぜんぼうせいねい)」は、360度を淡路の豊かな森に囲まれた癒やしのリトリート施設で、2022年のオープン以来、様々なメディアにも多く取り上げていただきました。また島内で一般の方もウェルビーイングを感じられる「AWAJI WELL-BEING WEEK」というイベントも開催しました。

当社は施設のDX化を積極的に推進し、スマートな決済方法やPOSレジの「スマレジ」を導入することにより、国内外のお客様が快適に利用できる環境構築を進めています。また、百貨店運営で培った経験を生かし、質の高いサービスを提供することによって顧客体験の向上を目指しています。スマレジ活用事例はこちら

 

  • 社名
  • 株式会社パソナグループ (Pasona Group Inc.)
  • 所在地
  • 東京都港区南青山3-1-30
  • 創業
  • 1976年2月16日
  • 資本金
  • 50億円
  • 事業内容
  • エキスパートサービス(人材派遣)
    BPOサービス(委託・請負)
    HRコンサルティング
    教育・研修
    グローバルソーシング(海外人材サービス)
    キャリアソリューション(人材紹介、キャリア支援)
    アウトソーシング
    ライフソリューション
    地方創生ソリューション
執筆 横山 聡

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