給与計算を自分で行っている事業者の中には、作業の負担を減らすために給与ソフトの導入を検討している方もいるのではないでしょうか。給与ソフトを使うことで、給与計算業務のあらゆる課題を解消できます。
本記事では、給与計算業務の課題や給与ソフトの種類、給与ソフトのメリット・デメリットを紹介いたします。この記事を読んで、給与ソフトに関する情報を補完してみてください。
この記事の目次
給与ソフトとは?
給与ソフトとは、従業員の勤務状況をもとに自動で給与計算を行えるソフトのことで、給与計算に必要な機能が揃っています。正社員だけでなく、アルバイトやパートなどの非正規雇用の従業員にも対応しているため、どの職種でも利用することが可能です。
たとえば、正社員とアルバイトが同職場に混在する接客業などでも活用できます。また、勤怠管理システムと連携することで、従業員の打刻データをもとに自動で給与を算出してくれるため、計算の正確性も大きな特徴です。
給与ソフトを導入するだけで、給与計算業務のさまざまな課題に対処できるため、給与計算業務に嫌気が差している事業者は給与ソフトの導入をおすすめします。
給与計算業務の課題
給与計算業務には、多くの事業者の頭を悩ませている課題がいくつもあります。
- 複雑な計算をしなければならない
- 人的ミスが発生する可能性がある
- 事業が大きくなれば作業負担も増える
- 法改正に適宜対応しなければならない
ここでは、それぞれの各課題についてより具体的に説明します。給与ソフトを導入すれば、これらの課題を解消できるかもしれません。
複雑な計算をする必要がある
給与計算では、複雑な計算が求められます。時間給や基本給だけでなく、残業時間、休日労働時間、控除、日割り計算、時間割計算などさまざまな項目で計算をしなければなりません。従業員によって給与に関する内容が異なるため、1人ひとり細かい部分まで注意が求められ、作業がとても大変です。
経理の経験がある方は、どの項目を計算すれば良いのか頭に入っているかもしれませんが、経理の経験ががない方は手作業で給与計算を行う場合、複雑な計算に頭を悩ますことになるでしょう。
人的ミスが起こる可能性がある
複雑な計算が求められるので、人的ミスが起こる可能性があります。締切日から支払日まで期限が短く、作業を急かされるため、経理の知識がある人でもミスをすることは珍しくありません。
たとえば、時間に追われ焦って作業をしていると、0の数を見間違えることもあるでしょう。仮に支給額の0の数を見間違えると、給料の桁が1つ変わるため、大きな影響を及ぼします。場合によっては従業員とのトラブルに発展する可能性もあり、業務効率が悪くなります。
事業が拡大するにつれて負担が増える
事業が拡大することで、業務の負担が増える点も大きな課題です。前述した通り、給与計算は従業員によって内容が異なるため、従業員数が増えれば業務量も増えます。たとえば、正社員とアルバイトでは給与計算に含まれる項目が異なります。
正社員であれば控除項目が多くなり、アルバイトであれば時給計算をしなければなりません。締切日から支払日までの期間は変わらないので、人数が多くなるほど1日あたりの業務量は増加します。従業員を数十人も雇用している事業者は、1人ひとりの給与計算をするのが大変です。
法改正に適切に対応する必要がある
給与計算において、法改正に適切に対応する必要があります。社会保険の料率や年末調整に関する改正が定期的に行われるので、小まめに法改正が行われているか確認しなければなりません。
法改正が行われた場合、給与計算で使用していた計算式を変更することが求められます。
給与ソフトの種類
給与ソフトにはさまざまな種類があり、大きく3つに分けられます。
- 給与計算に特化しているタイプ
- 勤怠管理機能を備えているタイプ
- ERPタイプ
ここでは、3つの種類について具体的に紹介するので、どのような給与ソフトがあるのかチェックしてみてください。
給与計算に特化しているタイプ
まず、給与計算に特化しているタイプがあります。このタイプの給与ソフトは機能性がシンプルで、初心者でも使いやすいのが特徴です。あらゆる状況の給与計算に対応できますが、基本的には勤怠管理や労務管理などの機能は搭載されていません。ソフトによって異なるので、選ぶ際には機能性をチェックしてみましょう。
給与計算に特化しているタイプは、多機能型のタイプよりも価格が安く、初心者でも使いやすくなっています。中には無料のソフトもあるので、気になる方はぜひ探してみてください。給与計算の手間を軽減したい少人数や小規模の事業におすすめです。
勤怠管理機能を備えているタイプ
勤怠管理機能を備えているタイプは、給与ソフトの中でも万能タイプで、業務効率を全体的にアップさせるのに最適なシステムといえます。事業者は給与計算だけでなく、勤怠管理や労務管理にも力を入れなければなりません。
勤怠管理機能を備えている給与ソフトを導入すれば、1つのシステムで勤怠周りの業務を一元管理できます。たとえば、出勤簿の打刻機能が搭載されている給与ソフトを活用すれば、従業員の打刻データにより正確な勤務状況を把握し、給与を自動計算できます。
また、生体認証機能が搭載されているソフトであれば、従業員による不正打刻を防止できます。給与計算に特化しているタイプよりもコストはかかりますが、業務効率が格段にアップするので、事業規模が大きい会社は導入する価値があるでしょう。
勤怠管理機能を備えている給与ソフトも数多くあるので、どのような機能が搭載されているのかしっかり比較してみてください。
ERPタイプ
ERPタイプは、全ての業務をトータルで管理できる基幹系システムで、事業活動の中核となるデータを活用できます。勤怠管理システムに加え、生産・販売管理システム、財務会計システム、人事給与システムなども含まれているため、業務に必要な管理を1つのソフトでまとめて行えます。
たとえば、入社したばかりの従業員の給与計算を行う場合、一般のソフトであれば必要なデータを給与ソフトに入力しなければなりませんが、ERPタイプは人事システムと連動しているので、わざわざ給与ソフトに情報を入力する必要はありません。
ERPタイプは、従業員に関するデータを全ての業務でシームレスに共有できる点が最大の特徴です。管理業務を全てまとめたい事業者におすすめします。
給与ソフトのメリット
給与ソフトを使うメリットは、いくつかあります。特に大きなメリットは、業務の効率化、各雇用形態への対応、法令順守の3点です。ここでは、各メリットについて具体的に説明します。
給与計算業務を効率化できる
給与ソフトを導入すれば、効率よく給与計算ができるようになります。給与計算で最も厄介なのは計算ミスの発生です。給与計算の自動化により、人的ミスが防ぎやすくなるので、業務の効率が格段にアップします。
たとえば、エクセルで給与計算をする場合、データを手入力しなければなりません。エクセルの給与計算も正確性は高いですが、転記ミスが生じれば全ての給与計算が狂ってしまい、正確に給与計算ができなくなります。
ミスがあっても、どこでミスが起きたのか探すのにも時間がかかり、見つけられても今度は修正の手間がかかります。給与ソフトを導入すれば、一連の給与計算業務を自動化できるため、このような人的ミスの発生を最小限に抑えられます。
複数の雇用形態がある場合でも、簡単に計算ができる
給与ソフトは複数の雇用形態がある場合でも、簡単に計算できます。正社員だけでなくアルバイト・パートを雇用している場合、給与計算の方法が異なり手間がかかりますが、給与ソフトは各雇用形態に合わせて計算してくれます。
また、給与ソフトはカスタマイズ性や自由性も高いため、自社独自の雇用形態のフォーマットも作れます。雇用形態に合わせて効率良く給与計算できるのは、大きなメリットです。
法令改正やコンプライアンスも自動的に対応してくれる
給与ソフトは自動的に法令改正やコンプライアンスに対応してくれるので、労務管理を徹底できます。特に法令改正への対応は必須で、対応漏れは許されないため、適宜法定改正に対応できる点は大きなメリットです。
たとえば、源泉所得税率が変更された場合でも同じタイミングで更新されるので、常に正確な給与計算ができます。また、給与ソフトによる自動化により、時間外労働や休日出勤、深夜勤務など割増賃金の計算も公正に行われるため、従業員からの信頼を得やすくなるでしょう。
法令遵守の徹底を目指すためにも、給与ソフトの導入をおすすめします。
給与ソフトのデメリット
ここまで給与ソフトのメリットを紹介してきましたが、実はいくつかのデメリットもあります。特に頭に入れておくべきポイントは、ランニングコストの発生、インターネットの必要性、月末の処理スピードの低下の3点です。
それぞれのデメリットについて具体的に紹介するので、給与ソフトの注意点を頭に入れておきましょう。
導入費用やランニングコストがかかる
給与ソフトを使うためには、導入のための初期費用と月々のランニングコストが発生します。パッケージ型やオンプレミス型の場合は月額費用はかかりませんが、システム構築のために、高額の初期費用を支払わなければなりません。一方クラウド型オンライン上のサービスなので初期費用は抑えられますが、毎月の使用料が発生します。
どちらも費用はかかりますが、給与計算業務にかかる人件費や業務効率を考えると、給与ソフトを導入した方がコストパフォーマンスは高いでしょう。
ちなみに、クラウド型サービスには安く利用できるサービスが豊富です。なるべくコストを抑えたい方には、まとまった金額を用意することなく利用できるクラウド型のソフトをおすすめします。
クラウド給与ソフトを使う場合、インターネットが必要
クラウド型の給与ソフトを使用する場合は、インターネット環境が整っている必要があります。パッケージ型のソフトであれば、インターネット環境下でなくても利用することは可能ですが、クラウド型はインターネットを経由してサービスを利用するので、環境整備が必須です。
インターネット環境が整っていない場合は、プロバイダーと契約しなければならず、手続きに手間がかかる可能性があります。クラウド型の給与ソフトを利用したい方の内、インターネット環境が整っていない方は、先にプロバイダーと契約しておきましょう。
大企業では月末の集中利用により処理が重くなる場合がある
大企業では従業員数も多いため、大量の給与計算の処理により、ソフトの動きが重くなる場合があります。インターネット環境の質にもよりますが、一度に使用できるデータには限りがあるため、そのデータ量を超えてソフトを扱うと動きが悪くなります。
処理スピードが遅くなると業務に時間がかかり、使いづらさを感じる可能性もあるでしょう。月末の集中利用の時期は、ソフトが遅くなる可能性も頭に入れておく必要があります。
給与計算業務を効率化したい人は「スマレジ・タイムカード」がおすすめ!
給与計算業務を効率化したい事業者は、給与ソフトを使うのがおすすめです。給与ソフトを活用すれば、効率良く給与計算できるだけでなく、法令遵守の徹底も実現できます。
給与ソフトには、給与計算に特化しているタイプ、勤怠管理機能を備えているタイプ、そしてERPタイプの3つあります。給与計算のみ使えるシンプルなソフトが欲しい方は給与計算に特化しているタイプ、勤怠周りの業務を効率化したい方は勤怠管理機能を備えているタイプ、企業全体の業務を見直したい方はERPタイプを選びましょう。
手軽に導入ができ、機能性の高いソフトを使いたい場合は「スマレジ・タイムカード」がおすすめです。スマレジ・タイムカードは人気の高い勤怠管理システムで、給与計算機能をはじめ、休暇管理やシフト管理、プロジェクト管理などさまざまな機能が搭載されていますのでお気軽にご相談ください。