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今回のゲストは、飲食業や店舗プロデュースなど幅広い事業を展開されている、株式会社ガネーシャ代表取締役本田大輝さんです。実家の焼肉店「大将軍」を再生させた後、ハンバーガーブランド「SHOGUN BURGER」を立ち上げ、地域や海外に合わせた独自の戦略で成功を収めています。
実家の焼肉店「大将軍」の再生からスタートし、接客の質やマーケティング戦略を駆使して繁盛店へと成長させ、ハンバーガー事業「SHOGUN BURGER」を立ち上げ、和牛を使った高級バーガーを展開。挫折と改善を繰り返しながら東京や沖縄で成功を収め、今後は海外展開も視野に入れたビジネス戦略について、3回に分けてお送りします。
第1回は、実家の焼肉店「大将軍」の再生と繁盛店へ導くサービスの三大要素などについてお送りしました。
第2回は、新たな業態への挑戦、「SHOGUN BURGER」の誕生と挫折と成功などについてお送りしました。
第3回は、出店戦略とインバウンド、高級バーガーのファストフード、竜宮城への支援などについてお送りします。
この記事の目次
ウーバーイーツから路面店展開への転換
ウーバーイーツでの成功はありましたが、36%という手数料が大きな負担となりました。この手数料に加え、原価率を考慮するとコストが75%に達し、利益が圧迫されてしまったのです。ウーバーイーツでの成功には、原価率が低く、高価格設定が可能な商品が向いていますが、私たちのように高品質な肉を使い、複雑なオペレーションを必要とする商品では、このビジネスモデルは厳しいものでした。
特に、多くのゴーストレストランが一度に10~20種類のメニューを提供する中で、私たちはチーズバーガー1つを作るだけでも手間がかかり、美味しさを追求するためには時間と工夫が必要です。結果として、デリバリーに依存するのではなく、路面店を展開していく方針に切り替えました。
その決断が渋谷への出店につながり、渋谷店はコロナ禍では売り上げがトントンか少し赤字程度でしたが、コロナが収束してからは一気に繁盛するようになり、大きな成功を収めることができました。
高級バーガーのファストフード化とインバウンド戦略
ニューヨークのハンバーガー店で一般的な券売機を、日本の「将軍バーガー」に導入しました。日本ではまだ普及していませんが、海外のお客様は券売機に慣れており、スムーズに利用していただけると考えたのです。私は、「高級バーガーのファストフード」を提供するというコンセプトを掲げ、グルメバーガーとファストフードの要素を組み合わせる点で業界でも珍しい存在です。
バーガーキングやマクドナルドを普段利用しているお客様が、少し贅沢をしたいときに将軍バーガーを選び、特に海外からの観光客には「せっかく日本に来たのだから、特別なバーガーを試してみよう」と感じてもらえます。また、日本食に飽きた海外旅行者が、寿司や天ぷらを食べた後に「次はバーガーにしようか」となることも多く、私たちはそのニーズを狙っています。
今後もこのインバウンド需要を中心に、ビジネスを展開していく予定です。
観光地特化の戦略と沖縄・関西への展開
私たちの戦略は、観光地への出店を軸にしています。先月オープンした「将軍バーガー恩納村」もその一環です。沖縄北部に位置する恩納村は、インバウンドのお客様が多く訪れる観光エリアで、現地調査を重ねた結果、この地域が将軍バーガーに適していると判断しました。
沖縄の店舗は、赤瓦の建物にオレンジのロゴが映えるデザインで、伝統的な沖縄の要素とブランドが融合しており、この独自の世界観が観光客に好評を博し、順調に営業しています。恩納村の出店は、私たちのお店のブランド価値をさらに高めることを期待しています。
現在、客層はほとんどがインバウンドのお客様で、今後もこの路線でビジネスを展開していく計画です。特に、京都や大阪、難波を優先エリアとして関西エリアにも積極的に出店を進める予定です。
地域特化と手作りにこだわる将軍バーガーの戦略
私たちは効率よりも手作りにこだわり、あえて手作りにこだわり、美味しさを追求しています。「効率が悪い」と言われることもありますが、出店スピードではなく、クオリティを追求するレースをしたいと考えています。
金太郎飴のような、同じ商品やメニューを大量展開するのではなく、ごとに地域の特徴を取り入れ、その土地ならではの味を提供することにこだわっています。例えば、恩納村では石垣産和牛を使い、特別な沖縄らしい味を提供しています。これにより、将軍バーガーファンから「肉が違う」と感じられることもありますが、それは地域ごとにカスタマイズしているからです。土地ごとに「ここでしか味わえないバーガー」を作りたいと考えています。
さらに、沖縄ではマンゴーシェイクや沖縄風ソース、限定のグッズやアロハシャツ、バンダナなど、日本人ファンにも特別な体験を提供しています。これにより、「恩納村に行ったら将軍バーガーに行きたい」と思ってもらえるような特別な存在を目指しています。インバウンド向けには和牛バーガーを提供しつつ、地域の特色を強調した商品を展開しています。コストはかかりますが、コアな顧客層をターゲットにし、地域ごとに特別な体験を提供することを大切にしています。
ローカライズによる地域戦略と海外進出
沖縄で成功した理由の一つは、観光客にバーガーを食べる文化が根付いていたことです。観光客はチャンプルーや沖縄そばと同じように、ハンバーガーを楽しんでくれるため、現地にマッチしました。
一方、北海道のすすきのエリアでは、和牛バーガーの需要が低く、海鮮丼やジンギスカン、ラーメンが主流です。そのため、和牛バーガーではなく、ラムバーガー専門店という徹底したローカライズを行いました。しかし、プレミアム和牛を求めるニーズにも応えるために、大橋牧場の和牛を使ったチーズバーガーとダブルチーズバーガーの2種類は提供しています。
また、今後の展開としては、アジア諸国を中心に海外進出を計画しており、現在上海での準備が進行中です。アジアでブランドをローカライズした後、アメリカ市場にも挑戦する予定です。海外では、現地のパートナー企業とのフランチャイズ方式で展開を進める予定です。
さらに、歌舞伎町店は世界各国の富裕層から注目を集め、多くの問い合わせを受けています。ホームページの多言語対応も進めており、グローバル展開に向けた準備が整いつつあります。
焼肉店「竜宮城」との協力
宮迫さんの焼肉店「竜宮城」との関わりは、オープン準備が遅れていることをSNSで私が連絡したことがきっかけでした。その後、宮迫さんが将軍バーガーに来店し、縁ができたことで、「竜宮城」のメニュー開発や準備をサポートすることになりました。
オープン当初はメニューもほとんど決まっていない状況でしたが、約2ヶ月でメニュー開発を進め、宮迫さんのブランドイメージに合った焼肉店作りを目指しました。自社で37年間使用している焼肉のタレをベースに、美味しさと見た目の両方を追求したメニューを開発しました。また、女性にも好まれるようにメニューのデザインも雑誌風に仕上げ、中級価格帯のアラカルト形式で提供することにより、観光客や会社の集まりに適した価格設定を行いました。
内装もコストを抑えつつ、居抜き物件を利用し、高価な絵画を飾ることで高級感を演出。シンプルながら強い要素を持つバランスの取れた店舗作りを目指しました。初期の2年間は私たちが運営をサポートし、統括料理長もメニュー開発に携わりました。宮迫さんのYouTubeなどの発信力もあり、店舗は順調に運営されています。