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お店ラジオ 2021/12/08 2021/12/13

飲食業界のIT化を進めた立役者!株式会社トレタ・中村代表が考える理想と信念とは?

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「お店ラジオ」は、レジの半径5メートルにいるお店を取り巻く人間の、お店を取り巻く人間による、お店を取り巻く人間のためのラジオ番組です。事業投資家の三戸政和さんとともに、当社株式会社スマレジ代表の山本がDJを務めます。

番組では、お店を運営する店長さんやオーナーさんがどんな想いで店づくり、チームづくり、雰囲気づくりまでをしているか、小売店や飲食店など各業界で活躍するゲストをお招きし、インタビュー形式でお届け。ゲストの方が店舗運営の中で印象に残っている音楽もご紹介しています。

第3回のゲストは飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ」を展開する株式会社トレタの代表取締役・中村仁さん。どんなお話が聞けたのでしょうか?

この記事の目次

  1. 「紙の予約台帳を無くす」という使命
  2. 3回の断念。ようやく時代が追いついた
  3. 守るべきは「使い勝手」と「安心」
  4. 追い風が吹くその日まで
  5. 「おもてなしの呪い」の先にある顧客体験の向上
  6. 少しずつ変化する飲食店の現場
  7. 経営者は綺麗事や理想論を本気で語り、信じ続ける

「紙の予約台帳を無くす」という使命

三戸

さあ、今週もお店ラジオオープンです。ゲストは株式会社トレタの代表取締役・中村仁さんです。

中村さん

中村です。よろしくお願いします。

三戸

「トレタ」ってどう言う意味ですか?

中村さん

「予約“取れた”」ですね。HPのドメイン名が「toreta.in」で、続けて読むと「to retain」。“お店のリピーターさん増やそう”みたいな意味も込めてます。

三戸

どんなサービスなんですか?

中村さん

創業は2013年です。予約・顧客管理のクラウドサービスを展開しています。皆さんも飲食店に行くと目にすると思いますけど、それまで予約管理って紙の台帳を使っていることがほとんどだったんです。それで、予約データをクラウド上に保存できるiPadのアプリを作りました。

三戸

なるほど。

中村さん

8年ほどやってきて、おかげさまでそれなりにサービスが普及してきたタイミングでコロナになってしまって。今は飲食店の変化も見据えながら、会社の生き残りも賭けて一気にサービスを広げているところです。例えば予約システムだけではなく、店内のメニューやオーダー、会計にまで領域を広げたり、最近では予約電話をAIが受けるサービスをリリースしました。

三戸

導入店舗数はどのくらいなんですか?

中村さん

1万弱ぐらいですかね。

三戸

そもそも日本の飲食店って、全部でどのくらいあるんでしょう?

中村さん

数え方の基準によりますが、だいたい30〜50万店舗と言われています。客単価が3,000円くらいを超えると、予約を受ける形態のお店が増えてきて、それが10万店舗くらい。そのうち3〜4割が紙ではなく管理ツールを使っているという調査結果があります。

三戸

最近オンラインで予約できる店が増えていますよね。8年前は全然なかったんじゃないですか。

中村さん

なかったですね。

三戸

だいぶ世の中が進んだ感覚はありますよね。

3回の断念。ようやく時代が追いついた

三戸

トレタを作ろう思ったきっかけは何だったんですか?

中村さん

僕、元々飲食店をやっていたんですよ。今もやっていますが。
「豚組」っていうお店です。その店のレセプションとして予約の電話を受けたり、予約管理をしていました。

三戸

オーナーとしてですよね?

中村さん

はい(笑)。当時Twitterが盛り上がってきた頃だったんですけど、恐らく日本で初めてTwitterで予約を受けてみたんですね。そうしたら、ものすごい量の予約が入って。

三戸

中村さんのアカウント宛に?

中村さん

そう。店じゃなくて、僕に直接連絡がきていました。

三戸

知人とかではなく、一般の人からの予約も受けていたということ?

中村さん

そうです。周りからは、なんだかすごく先進的なことをやっているかのように言われていたんですけど、実際は予約を受けたら店に電話をして「何月、何日、何時に何名席空いてる?」というアナログなやり取りをずっとしていました。僕の仕事、ただの予約の手配ですよ。

三戸

コンシェルジュですね。

中村さん

お店でオンライン予約を受けたとしても、飲食店が紙で予約管理をしてる限り、多分僕の経験と同じことが起きますし、これは絶対に成立しないです。だって、僕は予約の受付で本当に寝れなかったし、旅行中でさえ対応しないといけないから全く休めなかった。もう、ずっと仕事でしたよ。

山本

忙しすぎる・・・。

中村さん

「さすがにこれは無理だ」と思って、クラウドで管理できるようにしないといけないと思ったのが2009年くらい。なんとか紙台帳をやめたいと思って良いツールを探したんですが、当時は全くなかったんですよね。
とは言え「よし、じゃあ作ろう」となってもそもそもクラウド自体普及していないし、自分たちでサーバー立てるのも厳しい。そんな経緯で、実は3回ほど断念してるんです。
2012年頃になってようやくクラウドも普及し、iPhoneやiPadが登場して、ユーザーのITリテラシーも上がってきたので「あ、今なら行けるのでは?」と思って作り始めました。

守るべきは「使い勝手」と「安心」

三戸

予約管理システムって見た目はシンプルに見えますけど、システムの開発には時間がかかるものなんですか?

中村さん

意外とかかりますよ。結構クリティカルな情報も扱いますから。

三戸

確かに、顧客情報の流出があったら大変ですね。

中村さん

あと、絶対にシステムダウンさせられないというのもあります。

三戸

ユーザーの売上の機会損失につながりますもんね。他社サービスとの違いはどういった点にあるんでしょう?

中村さん

こだわっているのは「使い勝手」ですね。飲食店の現場で使ってもらうためには、相当使いやすくする必要があるので、UI・UXを徹底的に作り込んでいる点は特徴です。トレーニング不要で誰でも使えることを重視しています。あとは、安心して使ってもらうためにそもそも「データを削除する」機能がないなどの工夫もしてるんですよ。

山本

へー!削除機能がないんですね。

中村さん

お店にとって、システム化するのが怖い理由って「誤ってデータを消してしまったらどうしよう」ではないですか?

三戸

確かに。心理的な部分ですね。

中村さん

「非表示になるだけでデータは残る。消えないから大丈夫」という点を強調しています。あとは、電話予約を受ける際、自動で録音してくれる機能もあります。お客さんとのやり取りを後で聞き返せるとなれば「紙で予約を受けるよりも安心かも?」と思ってもらえますよね。ユーザーの不安を解消する観点で、かなりきめ細かく丁寧に作り込みました。

追い風が吹くその日まで

三戸

YOASOBIの「Blue(群青)」を選曲いただいた理由は何ですか?(番組内で中村さんから曲紹介あり)

中村さん

この曲がリリースされた1年ほど前、コロナの影響で売上が落ちて、社員の退職も続いて。コロナの出口も全然見えてこないし、頑張って新規事業を立ち上げてみたものの結果は伴わず、かなりもがいていた時期でした。

山本

一口に飲食店と言っても業態は細分化されますよね。その中でも、予約を使うサービスや業界はもろに打撃を受けていた印象です。

中村さん

ファーストフードなどは持ち帰り需要でむしろ良くなった側面もあるのですが、「不要不急」「お酒の提供は禁止」となれば、予約形態のお店は厳しいですね。

三戸

予約ってそれなりの単価以上のお店でないと使わないし、そういうお店は全部営業できない状態でしたよね。

中村さん

もちろん新規の契約を取れるはずもなく、社内の雰囲気もどんどん希望をなくしていくような感じで。

三戸

そんな状況下で、中村さんから社員の皆さんにどんなメッセージを発信されていたんですか?

中村さん

「短期的には辛い状況だけど、長期的にはものすごい追い風になってるはずだよね」ということを伝えていました。というのも、当時飲食店の皆さんが口を揃えて「固定費を削らなきゃ生き残れない。どんどんIT化を進めて、人間がいなくても運営できるお店にしないといけない」と言っていたんです。
そういう意味では、コロナによって飲食業界のIT化・DX化の時計の針は多分5〜10年早まったのではないかと思っていて。今まではお客さんのところに行っても「いや中村さん、それはまだ早いよ。うちはそんなのまだ使わないでアナログでやるよ」と言われていたのに、むしろ状況が好転している。「コロナの影響は短期的には辛いけれど、今後は必ず追い風になるから、そこに向けてちゃんと準備を進めよう」と言い続けましたね。

「おもてなしの呪い」の先にある顧客体験の向上

三戸

IT化を進めることで、人どうしのコミュニケーションやおもてなしの部分がなくなることを懸念する人もいたんじゃないですか?

中村さん

まさにそれが「おもてなしの呪い」なんですよ。

三戸

呪い?

中村さん

日本の飲食店の良さはおもてなし、おもてなしはface to faceでの店員さんとのやりとりのこと、だから飲食店の現場はアナログなものを残さなきゃいけない。そんな3段論法みたいものが根付いているなと思っていて。でも、「顧客体験」という観点で見ると、本当にそれが理想なのかなと。
よく例に出すのが回転寿司なんですけど、回転寿司って全然店員がいないですよね。どんどんIT化されていて。じゃあ、あれでお客さんがつまらなく感じているのかと言うと、みんなすごく楽しそうだし、いつも行列をなしてますよね。

三戸

確かにそうですね。

中村さん

だから、IT化することが必ずしも顧客体験を損なうとは限らない。むしろIT化することで、もっともっと顧客体験を高めていけるという発想もできるんです。「IT化」と「おもてなし」のどちらを大事にするのかという二律背反ではなく、「お客さんにもっと楽しんでもらえる飲食店を作るために、テクノロジーをどう使うか」という発想に切り替えていこうと言いたいですね。最近はこの考えに共感してくれる人も増えて、皆のマインドも変わってきたのかなと思っています。

三戸

本当に必要な部分に人的リソースを割けるように、人間がやらなくても良い仕事は集中的にIT化していくべきですよね。その方が精度が上がることもありますし。

中村さん

飲食店って、マニュアルが多いですよね。マニュアル化して進化する側面ももちろんあるのですが、一方で拒絶反応を示す人もいます。それは恐らく、マニュアル化=人間を機械として動かすこと、と捉えてしまうからでしょう。

山本

なるほど。

中村さん

お店には、単純で機械化できるような仕事がたくさんありますが、それを人間にやらせるためにマニュアルを作る。つまり、人間を機械のように動かそうとすることへの抵抗感を本能的に感じ取った人たちが「マニュアルは嫌だ」と言うんですね。でもこれからは、マニュアル化できる仕事は、全部IT化で機械代替することになるはずです。

三戸

そうなれば全て解決ですね。

中村さん

IT化は、みんながハッピーになるものなんですよ。

少しずつ変化する飲食店の現場

山本

僕、昨年ついにお店をやってみたんですよ。3ヶ月限定の屋台を運営しまして。本当に、めちゃくちゃ大変でした。

三戸

やるべきことがたくさんありますもんね。

山本

屋台は立ち飲みに近いので、予約するような場所ではなかったんですけどね。でもその時感じたのが、毎回来てくれる人の顔を覚えるのが得意なスタッフがいると「あ!また来てくれたんですね」っていう話ですごく盛り上がっていて。僕は全然お客さんの顔が覚えられないから、めちゃくちゃ心苦しい。これってなんかコツがあったりするんですか?

中村さん

僕も覚えられないですよ(笑)。でも、覚えられないからそれを何とかしたいと思って予約台帳のサービスを作ったんです。

山本

人間には限界があるから、それを補助する仕組みを作ったということですね。

中村さん

そうです。既に現場のオペレーションは、少しずつ変わってきてますよ。例えば、メニューがデジタル化すると、暗記する必要がなくなります。今までだとホールスタッフが仕事をしようとすると、まずメニューと卓番号を覚えるところから始まっていました。

三戸

最低限その二つは覚えないと、仕事ができないですもんね。

中村さん

予約台帳も、POSレジもそうですよ。まずは使い方を暗記する必要があるから、飲食の仕事には「暗記」と「熟練」が絶対条件だったんです。でも、例えばモバイルオーダーなら自分でオーダーを取りに行く必要はないし、メニューすら覚えなくても良い。お客さんの顔も、予約時に分かっていれば別に覚える必要はないですよね。つまり、そうなると現場スタッフに求められるスキルセットが変わってくるんですよ。

三戸

なるほど。

中村さん

暗記は苦手だけど、やたらコミュニケーション能力が高いスタッフって結構いるんですが、彼らはこれまで戦力になれなかったんです。でも、実はベテランのスタッフよりも、むしろお客さんを楽しませられる能力がある。これから先、ホールスタッフに求められるスキルセットは暗記じゃなくて、例えば雑談力みたいなものなのかもしれないですよね。

三戸

そういや、この間「Timee」(タイミー:隙間時間に働ける単発のバイト募集サービス)と提携されていましたね。飲食店だとスポット対応は難しいのではと思っていたんですけど、今の話を聞くと、そういう採用の方法もできそうですね。

中村さん

まさにそれを狙っていて、これから採用が大きく変わると思いますね。進んでいるお店だと、既に教育プログラムも見直していたりして、会話力を磨くために研修で大喜利やってたりするんですよ。

三戸

大喜利!これまでとは違ったセンスが求められているんですね。

経営者は綺麗事や理想論を本気で語り、信じ続ける

山本

中村さんが考える「経営者に求められること」とは何でしょうか?

中村さん

経営者にとって、1番大事なのは綺麗事や理想論だと思っています。これをどれだけ本気で語れるか、信じられるか、ですね。

山本

あるべき論を最後まで言いきるイメージですね。

三戸

トレタの1番最初の“綺麗事”は何だったんですか?

中村さん

どんなに大変でも、表面的にではなく問題の根源から解いていくことですね。例えば「まあまあ使いやすい管理画面を作って、オンライン予約が入ってくれば、お店の人がそれなりに対応してくれるでしょう」みたいに考えがちじゃないですか?
もっと言えば「紙台帳を変えるのは大変だから、もう紙のままでいい。その代わりとにかく送客してしまえば、お店も対応せざるを得なくなって、結果的にオンラインに切り替えるんじゃない?」みたいな発想です。

三戸

なるほど。

中村さん

でも、考えるべきはそうじゃなくて、1番根っこの「紙台帳」を変えにいかなきゃ絶対にサービスは普及しないし、自分たちが描く理想の世界はやってこない。だから、良いサービスを作って、それを売りに行って、本当に紙台帳を捨ててもらうところまでちゃんとやる。僕らはそこを愚直にやり切ろうと言っています。

三戸

場当たり的な対応してた方が、瞬間風速的にマネタイズは良くなるけれど、中長期的な目線を持たないと続かないということですね。

中村さん

そうですね。多分どこかで限界が来てしまうと思います。

三戸

そういうのも含めて「綺麗事を本気で語る」ということなんですね。非常に勉強になりました。一旦今週はここまで、中村さんには来週もお付き合いいただきます。中村さん、ありがとうございました。

中村さんのユーザーの使い勝手を徹底的に追求する姿勢、そして飲食店への愛が伝わるエピソードをたくさんお伺いすることができました。

「オンエアを聞き逃してしまった!」という方は、YouTubeでもご視聴いただけますので、ぜひお聞きくださいね。来週もどうぞお楽しみに!



YouTubeへのリンクはこちら!
【お店ラジオ】#03 飲食業界で知らない人はいない!株式会社トレタの中村仁さん登場!!

執筆 松本 保紀

マーケティング部として主にデジタル系の運用型広告をメインにSEOやサイト解析・データ分析なども担当。WEBデザイナー出身なのでサイト作成などの知見もありバナーなどの作成は自身で行うこともある。

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