クレジットカード決済をレジに導入すると、客単価や集客力の向上につながるなど多くのメリットがあります。本記事では、クレジットカード決済の仕組みや導入するメリット・デメリットなどを詳しく解説するので、導入を検討している人はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
クレジットカード決済とは?
クレジットカード決済は、後払い方式の決済方法です。クレジットカード決済の具体的なお金の流れは以下の通りです。
- 消費者がクレジットカードで支払いをする
- クレジットカード会社から店舗へ代金が支払われる
- クレジットカード会社が消費者へ代金を請求する
- 消費者がクレジットカード会社へ代金を支払う
クレジットカードの利用には決済手数料が発生し、この手数料は店舗が負担します。そのため、クレジットカード会社から店舗へ支払われる代金は、決済手数料を差し引いた金額です。
クレジットカードにはブランドがあり、日本でもよく利用されている代表的なブランドとして以下のようなものがあります。
- VISA
- MasterCard
- JCB など
店舗でクレジットカード決済を導入するには、導入したいブランドのクレジットカード会社との加盟店契約が必要です。加盟店契約はそれぞれのクレジットカード会社と直接契約を結ぶ方法と、決済代行会社を利用して複数のブランドと一括で契約する方法の2種類があります。
クレジットカード決済の需要
キャッシュレス決済の比率が年々増加している中、クレジットカードが占める割合は最も高くなっています。2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%で全体の30%を超えており、そのうちクレジットカードの占める割合は27.7%でした。つまり、キャッシュレス決済の利用者のほとんどがクレジットカードを利用していると言えます。
ちなみに、クレジットカードに次いで多いのが電子マネーの2%で、QRコード決済が1.8%と続きます。経済産業省は、2025年までに全体の4割を目指すと公言しており、世界水準を見越して将来的には8割に到達するべくキャッシュレス決済の推進活動を実施しています。キャッシュレス決済比率の増加に伴い、クレジットカードの利用者も増えることが想定されるので、クレジットカード決済に対応できるように準備を進めておきましょう。
クレジットカードの種類(支払い方法)
クレジットカードの支払い方法はさまざまで、用途や決済金額に応じて使い分けることができます。主な支払い方法は以下のとおりです。
- 支払い方法
- 支払い内容
- 1括払い
- 決済代金をまとめて翌月に支払う方法
- 1括払い
- 月額4,000円
- 2回払い
- 決済代金を2月に分けて支払う方法
- 分割払い
- 決済代金を指定回数に分けて支払う方法
- リボ払い
- 残高がなくなるまで一定代金を毎月支払う方法
- ボーナス払い
- ボーナス時期にまとめて支払う方法
基本的には1括払いで支払いをしますが、決済代金が収入に対して高い場合は、金銭的な負担を減らすために、2回以上に分けて支払うこともできます。たとえば、10万円の決済をした場合、1括払いであれば翌月に全額口座から引き落とされますが、2回払いにすれば月ごとの負担を5万円に抑えることが可能です。
ただし、1括払いとボーナス払い以外は利用手数料が発生するため、決済金額以上の負担を強いられることを押さえておきましょう。なお、店舗によっては1括払いに制限している場合や自由に選択できる場合があるため、どの支払い方法に対応しているか確認しておく必要があります。
クレジットカードの使い方
クレジットカードの使い方はいたってシンプルで、会計時にお客さんが店員にクレジットカード払いの意思を伝えるだけです。店舗に設置されている決済端末に差し込んだりスラッシュしたりしてカードを読み込ませます。最近では、カードを端末にかざすだけのタイプもあります。
端末や決済金額によっては本人確認が必要な場合があります。その際は、お客さんに暗証番号の入力、もしくはサインをしてもらいましょう。端末がカードを読み込み、カード会社とデータの送受信が終了したら、支払い完了です。
クレジット決済で支払いをする利用者のメリット
クレジットカード決済は、利用者と店舗の双方にメリットのある決済方法です。利用者のメリットとしては、以下が挙げられます。
- 現金を使わずに会計できる
- 分割決済にすることで高額支払いの負担を軽減できる
- ポイント還元やキャンペーンを活用してお得に買い物できる
現金を使わずに会計できる
クレジットカード決済は手元にクレジットカードがあれば支払いができるので、現金の持ち合わせがなくても買い物が可能です。現金支払いの場合、「レジで財布を開けたら現金が足りなかった」といったトラブルが発生する可能性がありますが、クレジットカード決済ならそのような心配はありません。
分割決済にすることで高額支払いの負担を軽減できる
クレジットカードは、分割決済も可能です。例えば、突然家電が壊れてしまった場合など、急に高額の買い物をしなければならなくなったとき、現金での一括購入は難しいケースもあるでしょう。クレジットカード決済は実際に代金を請求されるのは約1ヶ月後で、分割決済なら1回の支払額を抑えられるので、高額支払いの負担を軽減できます。
ポイント還元やキャンペーンを活用してお得に買い物できる
決済額に応じてポイントが付与されるクレジットカードも少なくありません。現金にはこのようなポイントはないため、クレジットカードの大きなメリットのひとつです。
クレジットカードの種類によっては、「○日に利用するとポイント2倍」といったキャンペーンを実施しているケースがあるので、使い方によってはさらにお得です。貯まったポイントは、買い物に使ったり商品券と交換したりできます。
クレジット決済に対応する店舗のメリット
次に、店舗側のメリットについてみていきましょう。クレジットカード決済を導入すると、店舗には以下のようなメリットがあります。
- 会計業務の効率化により店員の負担減につながる
- 客単価の向上が期待できる
- 顧客の決済ニーズに応えることで集客力向上につながる
- 非接触決済で感染症対策にも有効
それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。
会計業務の効率化により店員の負担軽減につながる
クレジットカード決済は、カードをカードリーダーに差し込んで暗証番号を入力してもらうだけで支払いが完了します。現金のように預り金やお釣りを確認する必要がなく、現金の数え間違いなどのミスも起きないため、店員の負担軽減が可能です。
近年では決済端末にかざすだけで支払いができる「タッチ決済」に対応したクレジットカードも増えており、さらに素早く簡単にクレジットカード決済が利用できるケースもあります。
客単価の向上が期待できる
クレジットカード決済は現金の持ち合わせがなくても買い物ができるため、客単価の向上が期待できるというメリットがあります。「手持ちのお金が少ないから購入を控える」といったケースが起きにくく、販売機会を逃しにくいのもメリットです。
また、「貯まったポイントを使いたい」「お得なキャンペーンがある」など、クレジットカードならではの購買動機による売上も期待できます。
顧客の決済ニーズに応えることで集客力向上につながる
クレジットカード決済は多くの人が日常的に利用していて、2020年のJCBの調査では20〜60代のクレジットカード保有率は87%という結果が出ています。※1
このようにクレジットカード決済のニーズは高く、そのニーズに応えることで集客力の向上につながるのもメリットのひとつです。
また、一般消費者の32%が「キャッシュレス決済に非対応の店舗は避ける」という調査結果もあり、クレジットカード決済に対応することでこれまで販売機会を逃していた顧客層の集客も期待できます。※2
非接触決済で感染症対策にも有効
クレジットカード決済は現金支払いと比べてお客さんとの接触を減らせるので、感染症対策にも有効です。現金支払いの場合はお金を介してウイルスや菌が手指に付着する恐れがありますが、クレジットカード決済でお客さんにカードリーダーへの差し込みをしてもらえば、物を介した接触も防げます。
クレジット決済に対応する店舗のデメリット(注意点)
クレジットカード決済を導入する場合、以下の点に注意してください。
- 決済手数料が発生する
- すぐに現金化されない
- 導入までに時間がかかる
それぞれの注意点について、以下で詳しくみていきましょう。
決済手数料が発生する
クレジットカード決済を利用すると、決済額に応じた手数料をカード会社に支払わなければなりません。決済手数料は決済代行会社やカードブランドなどによって異なりますが、決済額の数%の手数料を負担しなければならないことは事前に把握しておきましょう。
すぐに現金化されない
クレジットカード決済の代金は、すぐに振り込まれるわけではありません。「月末締め翌月末支払い」など、入金サイクルがあらかじめ決められています。入金サイクルが長いと商品や原料の仕入れに影響するという場合は、「最短翌日入金」など入金サイクルの短い決済代行会社を利用しましょう。
導入までに手間がかかる
クレジットカード決済を導入するにはカード会社や決済代行会社と契約して加盟店になる必要があり、契約手続きに時間と手間がかかります。すぐにクレジットカード決済を始められるわけではないので、注意してください。契約の手間を省くには、複数のカード会社と一括で契約できる決済代行会社の利用がおすすめです。
クレジットカード決済会社を選ぶときに確認すべきポイント
クレジットカード決済会社を選ぶときは、次のポイントを確認しておきましょう。
- 入金サイクル
- 決済手段
- 連携サービス
- 導入スピード
先述の通り、クレジットカード決済の代金はすぐに現金化できるわけではありません。なるべく早く入金してほしい場合は、入金サイクルが短いところを選びましょう。
クレジットカード決済だけでなく、電子マネーやQRコード決済などその他のキャッシュレス決済を一緒に導入できるサービスもあります。また、POSレジやECサイト作成ツールなどと連携できるサービスもあるため、導入したいキャッシュレス決済や連携したい外部サービスがある場合はチェックしておきましょう。
導入スピードもカード会社や決済代行会社によって異なります。すぐにでも導入したいという場合は、導入スピードの速い会社を選びましょう。
クレジットカード決済に関するQ&A
最後にクレジットカード決済に関して、多くの方が疑問に思いがちなことについて紹介します。今回取り上げる疑問点は以下の3つです。
- タッチ決済の場合、操作方法は異なる?
- ICチップなしのクレジットカードでタッチ決済は使える?
- クレジットカードがエラーになる原因とは?
知っておいて損はないので、基本的な知識として押さえておきましょう。
タッチ決済の場合、操作方法は異なる?
タッチ決済の場合でも、従来のクレジットカードの決済方法と同じ流れです。決済金額を入力し、クレジットカード決済を選択した後に、顧客にカードをかざしてもらいます。本人確認はタッチ決済でも必要なため、暗証番号の入力もしくはサインをしてもらいましょう。カード会社と決済情報を送受信したら、決済は完了です。
ICチップなしのクレジットカードでタッチ決済は使える?
顧客のクレジットカードにICチップが付いていない場合、タッチ決済は使えません。タッチ決済では、ICチップから顧客情報を読み取って決済処理を行うためです。ICチップなしのクレジットカードの場合、裏面に貼り付けられている磁気ストライプという黒のテープを介して情報を読み取るため、専用端末にスラッシュして決済を行います。
なお、ICチップなしのクレジットカードで決済を行った場合は、決済時に本人確認のためにお客さんはサインをしなければなりません。ICチップ付きのクレジットカードの場合は、契約時に登録した4桁の暗証番号を入力しますが、ICチップなしのカードはサインが必要であることを押さえておきましょう。
現在は不正防止の観点から、ICチップ付きのクレジットカードが普及しているので、ICチップなしタイプを見かけることは少なくなりました。一方で流通はしているため、従業員に周知することが大切です。
クレジットカードがエラーになる原因とは?
顧客のクレジットカードが決済時にエラーになるケースがいくつか想定されます。主なパターンは、端末に異常が発生している場合とクレジットカードに原因がある場合の2つです。端末に異常があるケースでは、以下のことが考えられます。
- 端末の故障
- 通信障害
端末が故障していれば決済できないことは当然で、まれに通信状況が悪いときにエラーが生じることがあります。他のカードでもエラーになる場合は、店舗側に問題がある可能性が高いため、他のレジや端末で決済処理を行いましょう。端末が一つしかない場合は、謝罪してクレジットカード決済以外の方法で支払いができないか提案してみましょう。
また、クレジットカードに原因がある場合は、以下の問題が起きている可能性が高いです。
- カードが劣化・破損している
- 利用限度額に到達している
- カードの有効期限が切れている
- 暗証番号が間違っている
基本的には上記の4パターンが考えられます。カードの状態や有効期限をチェックして、問題がないか確認してみましょう。
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クレジットカード決済はお客さんと店舗の双方にメリットのある決済方法です。まだクレジットカード決済に対応していない場合は、導入を検討してみてください。
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