野菜にはそれぞれ旬の時期があり、旬の野菜は「栄養価が高い」「味が良い」「安く購入できる」などメリットがたくさんあります。特に冬野菜は甘みが強く、体を温めてくれる効果がある野菜も多いので、お店のメニューに冬野菜を使った料理を取り入れればお客さんからも喜ばれるでしょう。
本記事では、冬が旬の野菜について解説します。冬野菜と相性抜群のおすすめ料理も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
この記事の目次
冬野菜の特徴
はじめに、冬野菜の特徴について知っておきましょう。冬野菜の特徴を理解することで、料理への活かし方がイメージしやすくなります。
冬野菜には、次の特徴があります。
- 栄養素がたっぷり含まれている
- 野菜が甘い
これら2つの特徴について以下で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。
栄養素がたっぷり含まれている
旬の野菜は栄養価が高く、冬野菜には寒い季節に嬉しい栄養素がたっぷり含まれています。例えば、冬野菜に多い根菜類は体を温める効果があるといわれていて、寒い季節にぴったりです。冷え性の改善が期待できるビタミンC、血行をよくするビタミンEなどの栄養素が含まれる冬野菜を食べれば、厳しい冬も乗り越えられるはず。
かぶや大根は葉の栄養価も高く、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。小松菜やほうれん草といった緑黄色野菜は、β-カロテンが豊富です。βカロテンには強力な抗酸化作用があり、動脈硬化やがんなど活性酸素を原因とする病気の予防効果が期待されています。
ここで紹介した以外にも、食物繊維やカルシウム、オリゴ糖など、冬野菜にはさまざまな栄養素を含むものが多くあります。野菜によって含まれる栄養素は異なるため、複数の冬野菜を組み合わせた料理を考案してみましょう。
野菜が甘い
冬野菜は、甘みが強くなるのも特徴のひとつ。冬野菜が甘いのは、細胞に糖を蓄えているためです。野菜には水分が含まれているので、気温が0℃を下回ると凍ってしまいます。しかし、水に糖分が含まれている場合は0℃以下でも凍りません。そのため冬野菜は、自分が凍ってしまわないように細胞内に糖分を蓄積するようになっています。
料理で冬野菜の甘みをより引き出せば、野菜が苦手な人にもおいしく食べてもらえるかもしれません。味付けや調理方法を工夫して、甘い冬野菜の特徴を活かしたメニューを考えてみてください。
冬野菜の種類
ここからは、冬が旬の野菜にはどのようなものがあるのか具体的にみていきましょう。
以下で、12月・1月・2月に収穫される冬野菜をそれぞれ紹介します。
12月
12月が旬の冬野菜には、以下のようなものがあります。
- 水菜
- 白菜
- ブロッコリー など
水菜は茎が白いので淡色野菜だと思っている人もいるかもしれませんが、実際には緑黄色野菜です。そのためカロテンが豊富で、ほかにもミネラルやビタミンCなども多く含みます。水菜は生のままサラダにすると、栄養素を逃さず食べられるのでおすすめです。
白菜には、ビタミンCや食物繊維などが含まれています。冬の定番料理である鍋に欠かせない白菜ですが、甘みがあって生でも食べられるのでサラダにもぴったり。加熱する場合はポトフのようにスープまで飲める料理にすると、栄養素をしっかり摂取できます。
ブロッコリーは、野菜のなかでも栄養価が高いことで知られています。例えばビタミンCはレモンよりも豊富で、タンパク質やビタミンE、葉酸や食物繊維など、幅広い栄養素を含んでいるのが特徴です。ブロッコリーは茹でる・蒸す・揚げるなどさまざまな調理方法があるので、いろいろなメニューに活用してみましょう。
1月
1月が旬の野菜には、以下のようなものがあります。
- 春菊
- 芽キャベツ
- ほうれん草 など
春菊は、β-カロテンやカルシウム、カリウムなどが多く含まれている冬野菜です。春菊の独特の香りに含まれる成分には、安眠促進や胃腸の働きを助ける効果があるとされています。鍋の具材として人気ですが、油で炒めたりサラダにするのもおすすめ。
芽キャベツはわき芽が結球するキャベツの仲間で、小さなキャベツのような見た目をしているのが特徴です。実は一般的なキャベツよりも栄養が豊富で、ビタミンCやビタミンU、ビタミンKなどが含まれています。まるごと煮込んでスープなどにすると、芽キャベツのかわいい見た目も楽しめます。
栄養価が高いことで知られるほうれん草も、冬が旬の野菜です。貧血予防効果のある鉄分や、その鉄分の吸収を助けるビタミンC、抗酸化作用を持つβ-カロテンなど、さまざまな栄養素が含まれます。ほうれん草にはアクの成分で栄養素の吸収を阻害するといわれるシュウ酸が含まれるので、「生で食べられる」と記載されているもの以外は加熱する料理に使うようにしてください。
2月
2月が旬の野菜には、以下のようなものがあります。
- 小松菜
- わさび菜
- 葉にんにく など
1年中見かける小松菜ですが、旬は冬です。β-カロテンやビタミンKなど多くの栄養素を含んでいて、寒さにさらして栽培した「ちぢみ小松菜」は旨味の濃さも特徴。ほうれん草とよく似ている小松菜ですが、シュウ酸の含有量は少ないので生でも食べられます。
わさび菜はアブラナ科の葉物野菜で、わさびのような香りと辛味が特徴です。β-カロテンやビタミンC、ビタミンB2などの栄養素が含まれ、辛味成分のアリルイソチオシアネートには抗がん作用があるといわれています。サラダやおひたし、炒めものなど、いろいろな料理に活用できます。
葉にんにくは、その名のとおりにんにくの葉の部分のことです。ニラのような見た目をしていますが、にんにく特有の風味があります。にんにくの香り成分で抗菌作用があるアリシンなど、栄養が多く含まれています。にんにくほど香りは強くなく甘みもあるので、食べやすく料理に合わせやすい冬野菜です。
冬に栽培された野菜との相性が抜群!人気の高いおすすめ料理6選
冬野菜は栄養価が高く味もおいしいので、季節のメニューに取り入れてみましょう。冬野菜と相性のよい料理には、以下のようなものがあります。
- ラタトゥイユ
- シチュー
- 鍋
- ポトフ
- 白菜サラダ
- 煮込み
以下で、それぞれの料理について詳しくみていきましょう。
ラタトゥイユ
ラタトゥイユは、玉ねぎやズッキーニなどの野菜をトマトとオリーブオイルで炒め煮にした料理です。夏野菜を使うことが多いため夏の料理というイメージがあるかもしれませんが、煮込み料理なので寒い冬にもおすすめ。
冬のラタトゥイユには、大根やごぼうなど冬が旬の根菜をたっぷり加えましょう。食物繊維が豊富で、食べごたえも抜群です。トマトとオリーブオイルのシンプルな味付けなので、カレー粉でスパイシーに仕上げたり、味噌でコクをプラスしたり、オリジナルのラタトゥイユにも挑戦してみてください。
シチュー
シチューも、冬野菜と相性のよい料理です。とろみがあって熱々のシチューは、冷えた体を温めてくれます。煮込み料理なので、一度にたくさん仕込んでおけば注文が入ったときに温めるだけで提供できるなど、お店側のメリットもあります。
クリームシチュー・ビーフシチュー・トマトシチューなど、シチューは種類が豊富です。白菜やほうれん草、ブロッコリーなど、シチューに合う冬野菜はたくさんあるので、客層やほかのメニューと相性がよい具材や味付けを考えてみましょう。
鍋
「冬といえば鍋」という人も多いのではないでしょうか。シチューと同じく体を温めてくれて、さまざまな具材や味が楽しめるのでお店オリジナルの鍋を考案してみてください。
鍋に欠かせない冬野菜といえば、白菜です。白菜はさまざまな鍋料理に活用されていて、濃いスープから優しい味わいのお出汁まで、どんな鍋でも白菜のおいしさが楽しめます。そのほか、春菊やねぎ、大根なども、鍋と相性のよい冬野菜です。
ポトフ
ポトフは、お肉や野菜をじっくり煮込んだ料理です。ポトフの本場であるフランスではハーブや塩胡椒だけで味付けするのが一般的ですが、日本ではコンソメスープで具材を煮込んだポトフがよく見られます。
ポトフはスープが体を温めてくれるだけでなく、スープに溶け出した野菜の栄養素を余すことなく食べられるのがポイントです。ブロッコリーや芽キャベツを使ったゴロゴロ野菜のポトフや、白菜にスープが染み込んだポトフなど、お好みの冬野菜でポトフを作ってみましょう。
白菜サラダ
煮込み料理に使われるイメージの強い白菜ですが、旬の時期の白菜は生で食べられるサラダもおすすめです。冬の白菜は甘みがあるので、生でもおいしく食べられます。また、煮込み料理は栄養素が壊れたり溶け出したりする場合がありますが、サラダならその心配もありません。
白菜サラダはトッピングやドレッシングのバリエーションが多いため、いろいろな組み合わせを試してみてください。鰹節やポン酢を使った和風サラダや、粉チーズをかけたシーザーサラダなど、白菜はさまざまなサラダに活用できます。
煮込み
じっくり煮込んだ温かい料理も、冬のメニューにぴったりです。煮込みは和風から洋風までさまざまな味付けが楽しめるので、冬野菜の種類ごとに味付けを変えた煮込み料理を用意してみてはいかがでしょうか。
大根や白菜は味が染み込みやすく、和風の煮込み料理によく使われます。牛すじや豚肉といったお肉と合わせれば、食べごたえのある一品になります。そのほか、ふろふき大根やかぶの煮物など、冬野菜を単体で煮込んだ素朴な味わいの料理も人気です。
冬野菜をたっぷり使ったレシピを考えてみよう!
季節によって旬の野菜は変わります。旬の野菜は味がよく、その季節にうれしい効果が期待できるので、それぞれの季節に合った料理を提供するとお客さんから喜ばれるはず。季節ごとのメニューを考案するためには、まずは旬の野菜について詳しく知っておくことが大切です。本記事を参考に、冬野菜を使ったメニューを考案してみてください。