人々の働き方が多様化するいま、さまざまな場所や時間帯で働くメンバーをひとつにまとめてプロジェクトを成功させるために「プロジェクト管理アプリ」の導入に興味を持っている経営者も多いのではないでしょうか。
今回は、プロジェクト管理アプリの機能性や導入メリット、選び方まで解説します。あわせておすすめのサービスを5つ紹介します。
この記事の目次
プロジェクト管理アプリとは
多数のタスクが同時進行するなかで効率よくプロジェクトを進めるためには、人員や作業、コストなどにおいてさまざまな無駄を排除する必要があります。そこで、プロジェクトに関わる情報を一元管理し、進捗状況を可視化していち早く課題を発見することができる「プロジェクト管理ツール」が求められるようになりました。
プロジェクト管理ツールには、大規模プロジェクト向けの高機能なものから、手軽に導入できて簡単に使える個人や小規模プロジェクト向けのものまでさまざまなタイプがあります。
特に近年、テレワークの浸透によって注目が高まっているのが、スマホやタブレットなどのモバイル端末からも利用できる「プロジェクト管理アプリ」です。
プロジェクト管理アプリを導入するメリット
「これまではExcelなどの表計算ソフトを使ってプロジェクト管理を行ってきた」という事業所も多いかもしれません。ここではプロジェクト管理アプリを導入するメリットを紹介するので、従来の方法と比較しながら確認してみてください。
業務の進捗状況を把握できるようになる
プロジェクト管理において、「全員がプロジェクトの進捗を正確に把握する」ことは非常に重要です。
プロジェクト管理アプリを活用すると、ガントチャートでプロジェクトの進捗状況を簡単に可視化できるうえに、モバイル端末でどこにいても確認できるので、今現在の進捗状況をいつでも把握可能です。また、メンバー全員が進捗を把握することで、誰が業務の進捗が遅れていて、誰がフォローするかといった配置管理においても早い段階で判断を下せるようになります。
Excelでもガントチャートの作成は可能ですが、変更が発生したときには手作業でひとつひとつ反映する必要があり、正確で迅速な修正はなかなか難しいでしょう。プロジェクトは初期計画どおりに進まないことも多いため、変更が容易で正確に管理できるガントチャートが有効です。
管理業務の効率化が実現できる
プロジェクト管理アプリには集計機能や分析機能が備わっているため、表計算ソフトのように日付やタスク名といった細かいデータを入力する必要がありません。データ入力の自動化によって業務の効率化が図れ、その時間を有効に活用できます。また、チームの一人ひとりが余裕をもって作業にあたることができるようになると、ミスが減り、パフォーマンスが向上することも考えられます。結果として余計な修正作業が発生せず、無駄な人件費も削減できます。
さらに、迅速に集計・分析できることは、よりスピーディーな経営判断も可能にします。個人の手間を削減して働きやすさを実現することは、プロジェクト全体の効率的なマネジメントにつながるといえるでしょう。
チーム内の情報共有がスムーズになる
プロジェクト管理アプリでは、プロジェクトにまつわる情報の集積も可能です。情報を一元化して管理することで担当者不在でも必要なデータの受け渡しや編集ができたり、さかのぼって確認できたりします。また、多くの人が同時に使うことを想定して設計されており、リアルタイムで更新、共有されるのも大きなポイントです。
さらに、コミュニケーション機能として搭載されている「チャット機能」では、チーム内のコミュニケーションの円滑化が図れるばかりでなく、プロジェクトにまつわるやり取りも情報として残すことが可能です。
プロジェクトに関する資料・やり取りの両面を情報として一元管理し、全体で共有することで、伝達ミスや認識不足を回避できるのです。
プロジェクト管理アプリを選ぶときのポイント
プロジェクト管理アプリのメリットを理解して、利用を検討し始めた方の次のステップは導入アプリの選定です。
ここでは「多くの製品の中から一体どれを選べばいいのかわからない」という人のために、プロジェクト管理アプリを選ぶときのポイントを紹介します。
スマホやiPadなどスマートデバイスに対応しているか
昨今のテレワークの普及状況などを考慮すると、これから導入するにあたっては、PCだけでなくスマホやiPadなどのスマートデバイスにも対応し、メンバー全員がいつでもどこからでも利用可能なものを選び、どんな働き方にも対応できるよう備えておくことが重要です。
「スマートデバイス対応」とされるものでも、「横長ボードでスマホ画面から全体が見えづらい」という設計のものもあるので、実際の使い勝手を確認することをおすすめします。
機能はシンプルで分かりやすいか
数あるツールをチェックしていると多機能なものに目を奪われがちですが、プロジェクト管理アプリ選びにおいては、なるべく「機能がシンプル」で「分かりやすい」ことを重視しましょう。
プロジェクト管理アプリは、チーム全体が適正に使いこなせてこそ力を発揮するものです。どれだけ多機能であっても、操作方法の習得に時間がかかったりメンバーから問い合わせが相次いだりするようでは、かえって余計な手間が発生してしまいます。
まずは自社のプロジェクトに必要な機能を厳選し、メンバーのだれもが直観的に使える操作性のものを見つけ出しましょう。
勤怠管理など他サービスとの連携があるか
プロジェクト管理アプリには、他サービスと連携して利用できるものもあります。自社が求めるサービスをより広くカバーするものに出会えれば、プロジェクト管理にとどまらないデータの一元管理や活用も可能になります。
プロジェクト管理アプリに基本的に備わっているタスク管理やカレンダー、チャットといった機能は、あくまでも「プロジェクトの管理に長けたもの」であることが一般的です。しかし、他のサービスと連携することで、利便性が向上することも往々にしてあります。
例えば、勤怠管理と連携すると、勤怠記録や日報とも連動して適切な人員配置や予算管理までをひとつのシステムで行えるようになります。
システムの一元化で管理の手間を大幅に削減できるため、どのようなツールと連携できるのかもしっかり確認しておきましょう。
おすすめの人気プロジェクト管理アプリ5選
最後に、人気の高いプロジェクト管理アプリのなかからおすすめのものを厳選して5つ紹介します。それぞれの特徴や違いを知り、自社のニーズと比べながらマッチするものを探してみてください。
スマレジ・タイムカード
「スマレジ・タイムカード」は、株式会社スマレジが展開するPOSレジとも連携が可能な勤怠管理システムです。
上位プランを利用すると給与計算や日報作成、プロジェクト管理などスマレジ・タイムカードに搭載されるすべての機能が利用でき、幅広い分野の業務を一元管理して効率化できます。また、多くの現場で使用されているタスク管理サービス「Redmine」と連携することも可能です。
小規模店舗や飲食店などの場合、少数もしくは一人の担当者で管理部門業務すべてを担っていることも少なくありません。そのようなケースでは業務の効率化は必須課題であり、勤怠記録を基にした正確なプロジェクト管理がリアルタイムで行える点は非常に大きな魅力です。
操作も至って簡単で、プロジェクトの期間と参加従業員を設定するだけでプロジェクト管理が開始されます。あとはシステムが自動で予算を算出し、勤怠記録・日報情報から正確なタスク進捗率と予算消化率を割り出します。
すべての機能が使える最上位「エンタープライズプラン」の料金は、10名までは6,600円/ 月(税込)、11名以上ではプラス 660円 /人(税込)。メール・チャット・無料電話によるサポートつきで、WEBブラウザはもちろん、iPhone・iPad・iPod touchなどのiOSアプリも用意されているため、自社に合わせて最適な端末を選択できます。
アカウント作成から60日間は無料で利用できるため、じっくりと試してみて判断してみるとよいでしょう。
kintone
「kintone」はサイボウズ株式会社が提供する業務アプリケーション作成サービスです。同アプリでは、マウス操作だけでプログラミングの知識がなくても簡単にプロジェクトに最適なアプリを作成できます。複数のアプリを一つのプラットフォームで管理できるため、一人のスタッフが部署を横断して複数の業務を担当するような企業で高い利便性を発揮します。
対応する100種類以上もの外部サービスと連携可能なので、既存のツールを解約することなくkintoneと上手く併用できます。
「スペース機能」ではチーム単位のコミュニケーションを蓄積するため、社内の他部署だけでなく、複数企業間でも効率的な情報共有が可能です。スマホやタブレットでも利用でき、どこにいても使えるため、どんなチーム構成にも対応できるでしょう。
アプリやスペースはいくつでも追加できるので、必要な数だけ用意して、独自のkintoneを作り上げることができます。
契約プランには、1ユーザーあたり1,650円/月(税込)の「スタンダードコース」と、1ユーザーあたり858円/月(税込)の「ライトコース」がありますが、外部サービスの連携に対応しているのはスタンダードコースのみ。サポートはメールと電話で行われます。
Teams(microsoft)
「Teams」はMicrosoft 365などに提供されているグループウェアで、ビジネスチャットツールとして有名です。さまざまな外部アプリと連携可能で、なかでもよく併用されるのが「Evernote for Microsoft Teams」「Trello」「Asana」の3つ。また、同じMicrosoftの「Planner」と連携することでプロジェクト管理アプリとして利用することも可能です。
PlannerはMicrosoft 365に含まれるタスク管理アプリで、プロジェクトをタスクごとに分け、カンバン方式で管理します。進捗状況が自動でグラフ化・可視化されるため、簡単にプロジェクト管理を行うことが可能です。TeamsとPlannerを連携すると、Teamsアプリ上でPlannerを開くことができるため、「Plannerのタスク進行状況に応じたチャットや会議をTeamsで行う」といった発展的な使い方もできます。
有償プランの3種類はすべて年間サブスクリプション制の自動更新となっており、全コース1ヵ月の無料期間と電話によるテクニカルサポートがついています。
- Microsoft 365 Business Basic → 1ユーザー594円/月(税込)
- Microsoft 365 Business Standard → 1ユーザー1,496円/月(税込)
- Microsoft 365 Business Premium → 1ユーザー2,398円/月(税込)
無償版では、チャットやファイル管理などの機能は有償版と変わりなく使用できますが、公式のサポートはなく、いくつかの追加機能(アプリ)が利用できないなどの制限があります。
TimeCrowd
タイムクラウド株式会社が提供する「TimeCrowd」は、時間の管理に特化していることで知られるツールです。タスクの時間やメンバーの動きを記録し、シンプルに可視化することでチームの状態をメンバー内で共有します。共有するのは時間とタスクだけなため、束縛感も最低限に抑えることができる点が好評です。
「Google Chrome」の拡張機能やビジネスチャットツール「Chatwork」と連携させると、開いているWebページ名やChatWorkの内容をそのままタスク名として登録でき、文字入力不要で記録することができます。さらには、GoogleアカウントでのログインやGoogle Calendarとの連携、Webhookを用いてSlackに作業履歴の通知などもでき、APIドキュメントが公開されているため、TimeCrowd上のデータを他サービスに連携して活用することも可能です。
PCではChrome最新版とEdge最新版での作動、スマートフォンではiPhoneの場合はSafari(iOS10以上)、Androidの場合はChromeのみという点は注意が必要です。
プランは個人向けの「パーソナルプラン」(無料)のほか、1ユーザーあたり550円 /月(税込)の「ライトプラン」、1ユーザーあたり880円 /月(税込)の「スタンダードプラン」、そして企業向けの「エンタープライズプラン」(費用は要見積もり)が用意され、2週間の無料お試し期間とメール・ChatWorkによるサポートがついています。
Lychee Redmine
「Lychee Redmine」は、国内企業からの依頼でシステム開発された日本企業向けのオープンソースプロジェクト管理ソフトウェア「Redmine」の拡張プラグインです。Redmineに比べて多くの機能が追加され、さらに使いやすく成長しています。
To Doリストをシンプルに可視化した「カンバン」やプロジェクトの作成を簡単にする「プロジェクトテンプレート」など多くの機能を搭載していますが、なかでも特に操作性が向上したのが、プロジェクト管理アプリの要ともいえる「ガントチャート」です。「さわれるガンチャート」といわれるほど直感的に操作が可能になっており、工程管理の高速化を実現しています。
Lychee Redmineはオンプレミス版とクラウド版が用意されています。クラウド版に関しては、Webブラウザの「Google Chrome」「Firefox」「Chromium版Edge」で利用が可能です。
- クラウド版「フリープラン」 → 10ユーザーまで:0円
- クラウド版「スタンダードプラン」 → 購入は10ユーザー単位:880円/月(税込)
- クラウド版「プレミアムプラン」 → 購入は10ユーザー単位:1,320円/月(税込)
- クラウド版「エンタープライズ」 → 購入は10ユーザー単位:要見積り
いずれも30日間の無料期間があり、無料のメールサポートをはじめ、有償での定着化支援などのサポートがついています。
勤怠管理まで一貫して簡単に使えるプロジェクト管理ツールがおすすめ!
効率的なプロジェクト管理の実現には、自社のニーズにマッチしたシンプルで使いやすいツールの導入が欠かせません。POSレジとも連携でき、シフト管理で勤怠から経営の管理まで一貫して行える「スマレジ・タイムカード」であれば、プロジェクト管理のみならず事業に関連する幅広い業務を一元管理して効率化することが可能です。