飲食店やカフェの経営では、原価率への理解が欠かせません。原価を抑えることで多くの利益を残せるようになるため、メニューごとの原価率を把握して、必要に応じて原価や販売価格の見直しを行いましょう。
本記事では、カフェの原価と原価率について解説します。原価率の計算方法や飲食店の原価率の目安、原価率を抑える方法などを紹介しているので、参考にしてください。
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この記事の目次
飲食店やカフェにおける原価率とは?
飲食店やカフェを経営する上で重要になるのが、原価と原価率です。
原価とは提供するメニューの材料費のことで、料理なら使用する食材の価格、ドリンクなら仕入れ値によって原価が決まります。
原価率とは、販売価格に対する原価の割合のことです。原価率が低いほど利益が大きくなりますが、原価に対して販売価格が高すぎると割高感が生まれてしまうため、適切な原価率の設定が重要です。
以下で原価と原価率の計算方法を紹介するので、まず原価と原価率の正しい求め方を理解しておきましょう。
原価計算方法
原価は、以下の計算式で求めます。
- 原価=食材の仕入れ価格×食材の消費量
実際に原価を計算するときは、1食分ずつではなく10食などある程度まとまった量で計算する方が考えやすいです。
例えばランチセットの原価を計算する場合、まずメインの料理とライス、サラダなどセットに含まれる食材の10人分の消費量を算出しましょう。それぞれの食材の仕入れ値に消費量を掛けて合算し、10で割ると1食あたりの原価がわかります。
ドリンクの場合は、1本のボトルで何杯提供できるのかを計算すると原価を求められます。例えば1本100円で仕入れたボトルで5杯提供できる場合、原価は「100円÷5杯=20円」です。
原価率の計算方法
原価率は、以下の計算式で求めます。
- 原価率(%)=原価÷販売価格×100
例えば、原価300円のランチセットを1200円で販売している場合、原価率は以下のようになります。
- 300円÷1200円=25%
このように、原価率を知るためにはまず原価を把握する必要があるため、メニューごとの正しい原価を計算しましょう。
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飲食店やカフェにおける原価率の平均・目安
飲食店やカフェの原価率は、30%が目安だといわれています。
利益があまり出ていないと感じているなら、一度すべてのメニューの原価率を計算しましょう。食材の価格高騰などで、原価率が30%以上になっている可能性もあります。
ただし、「原価率を一律30%以下に揃えなければならない」というわけではありません。一般的にドリンクはフードメニューよりも原価が低くなる傾向にあり、フードメニューの一部が原価率30%を超えていても、ドリンクの売上でカバーできるケースもあります。
原価率が30%から離れた数値になっているメニューがある場合でも、メニュー全体の原価率のバランスが取れていれば大きな問題はないでしょう。
利益を上げるためには原価率をコントロールすることが大切!
しっかり利益を上げていくためには、原価率をなるべく抑えることが大切です。
先ほど紹介した30%を基準に、原価率をコントロールしましょう。原価率を下げたいときには、次のポイントを意識してください。
- 仕入れ先を見直す
- オーバーポーションを防ぐ
- 在庫管理を徹底する
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
仕入れ先を見直す
原価率を下げるには食材の仕入れ値を下げるのが効果的で、そのためには仕入れ先の見直しが大切です。
インターネット上の情報や同業者からの口コミなどを参考に、常に「より安く高品質の食材が仕入れられるところはないか」というアンテナを張っておきましょう。
例えば、スーパーや八百屋から野菜を仕入れている場合、農家と直接契約を結ぶことで仕入れ値を下げられる可能性があります。スーパーなどには並ばない、形は悪いものの品質に問題のない野菜を低価格で提供してもらえるかもしれません。
オーバーポーションを防ぐ
オーバーポーションとは決められた量よりも多く盛り付けることで、食材を多く使用するため原価率が上がる原因となります。
そのため、原価率を下げるにはオーバーポーションを防ぐための対策も必要です。
特に個人経営の飲食店では、調理をする人の感覚で盛り付けてしまっているケースも少なくないでしょう。目分量の盛り付けはオーバーポーションにつながるだけでなく、味のバラツキや不公平感を招いてしまうので注意してください。
オーバーポーションを防ぐには、原価率を考慮した上ですべてのメニューで一定の分量を決めて、それをしっかり守ることが大切です。調理する人が複数いる場合は、人によって差がでないように決められたレシピを全員に共有し、それを徹底しましょう。
在庫管理を徹底する
在庫管理が不十分では食材の廃棄が多くなり、売上に貢献しない食材費がかさんで結果として原価率が上がる要因となります。
廃棄する食材をなるべく減らすために、在庫管理を徹底しましょう。
具体的には、「在庫量を把握して適切な量を仕入れる」「使用期限の近いものを手前に配置する」といった対策が効果的です。仕入れ量が多すぎたり使用期限の長いものから使ったりすると、食材の廃棄が起きる可能性が高まるため注意しましょう。
効率的に在庫管理を行うには、POSレジの導入が効果的です。
POSレジのスマレジには、棚卸機能や在庫変動履歴機能など多彩な在庫管理機能が備わっています。在庫管理を徹底したい方は、ぜひ活用してください。
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原価率の低いメニュー
原価率を下げるには、原価率の低いメニューを多く用意しておくのも効果的です。
ここでは、ドリンクとフードについて、それぞれ原価率の低いメニューを紹介します。
ドリンク
ドリンクはフードに比べて全体的に原価率が低い傾向にありますが、特に以下のメニューは原価率が低いといわれています。
- コーヒー
- ハイボール
- サワー系
- 日本酒
- ワイン など
コーヒーの原価は豆の仕入れ価格や一杯あたりに使用する豆の量で変わってきますが、一般的に原価率は約10%です。
アルコール類も原価が低い傾向にあり、ビール以外のお酒は全体的に原価率が低いです。ビールは一般的に原価率30%程度なので、ビール以外のお酒を充実させると全体的な原価率を下げられます。
フード
フードで原価率を抑えやすいのは、以下のようなメニューです。
- ポテトサラダ
- ペペロンチーノ
- ショートケーキ
- アイスクリーム など
ポテトサラダに使用する食材は全体的に原価が低いのが特徴です。トッピングや味付けでアレンジして、複数種類のポテトサラダを用意するのもよいでしょう。
ペペロンチーノは、オリーブオイル・にんにく・唐辛子・パスタと使用する食材が少ないので、原価率を下げやすいメニューです。
ショートケーキはスポンジ部分が多く生クリームの使用量もそれほど多くないため、スイーツのなかでも原価率が低い傾向にあります。
アイスクリームは業務用の大容量サイズの商品を仕入れれば、原価を安く抑えられるのでおすすめです。
カフェや飲食店は原価率のコントロールを意識しよう!
カフェや飲食店が利益を伸ばすには、販売量を増やすだけでなく原価率のコントロールを意識しましょう。
原価率を抑えると、それだけ多くの利益を残せます。原価率を下げるためには、仕入れ先の見直しやオーバーポーション対策が有効です。食材ロスを防ぐために、在庫管理も徹底しましょう。
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