「お酒や内装にこだわった自分のバーを持ちたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。バーを開業するには、費用や事前の手続きが必要です。
本記事では、これからバーを開業したい人に向けて、開業資金の目安や必要な資格・手続きについて解説します。実際に開業するときの流れも紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事の目次
バーを開業して経営する際に知っておきたい2つのこと
はじめに、バーを開業したいと思っている人は、次の2つのことを知っておいてください。
- 資金は500万〜1,000万円が目安(助成金あり)
- いくつかの資格や許可が必要
上記2つのポイントについて以下で詳しく解説するので、チェックしておきましょう。
【助成金あり】資金は500万〜1,000万円が目安
バーの開業資金は店舗の立地や広さ、設備などによって異なりますが、目安は500万〜1,000万円です。一番費用がかかるのは店舗物件の取得費や改装費で、物件の取得時には初月の家賃だけでなく保証金や不動産業者への仲介手数料なども必要です。物件取得費の目安は150万〜200万円、改装費の目安は100万〜200万円で、これらを合わせた金額が初期費用となります。
初期費用のほかに、運転資金も用意しておかなければなりません。少なくとも数ヶ月分の運転資金は確保しておきましょう。物件家賃や水道光熱費、原価費を合わせると、バーの運転資金の目安は1ヶ月あたり50〜80万円程度となります。
バーを新たに開業する場合、国や自治体の補助金・助成金を受けられる可能性があります。開業予定の自治体のサイトをチェックし、助成事業が行われていないか確認してみましょう。
いくつかの資格や許可が必要
バーを開業するために必要な資格や許可についても把握しておかなければなりません。具体的な資格や許可として、以下が挙げられます。
- 食品衛生責任者の資格
- 防火管理者選任届
- 食品営業許可申請
- 特定遊興飲食店営業許可
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届
これらの資格や許可について、以下で詳しくみていきましょう。
食品衛生責任者の資格
食品衛生法によって、食品を提供する店舗では食品衛生責任者を定めなければならないとされています。開業する本人がバーのスタッフとして働く場合は、自分で食品衛生責任者の資格を取得しておくとよいでしょう。
食品衛生責任者の資格は、各都道府県知事の認定を受けた講習会を受講することで取得できます。バーのオープンに間に合うよう、講習会の開催日程を調べておきましょう。
防火管理者選任届
消防法によって、飲食店などの不特定多数の人が出入りする物件のうち、収容人数が30人以上の場合は防火管理者の選任が必要とされています。店舗がこの条件に当てはまる場合は、防火管理者選任届を自治体の消防署に提出しましょう。
防火管理者は火災による被害を防ぐために消防計画を作成し、防火管理を計画的に実施する責任者のことです。防火管理者の資格は食品衛生責任者と同様に、講習を受講すると取得できます。
食品営業許可申請
バーで料理を提供する場合、食品営業許可申請が必要です。食品営業許可申請は飲食店を開業する際に必要な申請で、調理や加工を伴う食品を販売する場合は営業許可を受けなければなりません。
食品営業許可申請を行うには、申請書以外に施設の図面や食品衛生責任者の資格を証明する書類などの添付資料が必要です。必要な書類を揃えて、店舗所在地の管轄保健所に申請しましょう。
特定遊興飲食店営業許可
酒類を提供し、かつカラオケやダーツなど遊興させる設備がある店舗を営業する場合には、特定遊興飲食店営業許可を受ける必要があります。自分の店舗が対象かどうかは警察庁のサイトでチェックできるので、許可が必要かどうか迷ったらチェックしてみてください。
開業する店舗が特定遊興飲食店に該当する場合、店舗の所在地を管轄する警察署の生活安全課で許可申請の手続きを行いましょう。
深夜酒類提供飲食店営業開始届
酒類を主に提供し、深夜0時以降も営業する飲食店は深夜酒類提供飲食店営業開始届を届け出なければなりません。バーを深夜0時以降も営業したい場合は、忘れず届け出ましょう。深夜酒類提供飲食店は住宅地など営業が認められない地域が定められているので、店舗の場所を確認しておいてください。
申請は特定遊興飲食店営業許可と同様、店舗の所在地を管轄する警察署の生活安全課が窓口となっています。
バーを開業する際の準備の流れや手順
バーを開業するには、以下の流れで準備を進めます。
- 店舗用の物件を借りる
- 食品やお酒の仕入れ先・メニューを決める
- レジを導入する
- スタッフを募集する
それぞれの流れや手順について、以下で詳しく解説します。
店舗用の物件を借りる
はじめに、店舗用の物件を借りましょう。立地や広さ、家賃などの条件を決め、条件に合う物件を探してみてください。ターゲットとする客層や開業したいバーの雰囲気によって選ぶべき物件が変わるので、事前にビジョンを明確にしておくことが大切です。
店舗の内装は、改装工事である程度自由に変えられます。なるべくコストを抑えたいなら、内装をほぼそのまま利用できる「居抜き物件」がおすすめです。
食品やお酒の仕入れ先・メニューを決める
店舗用物件が決まったら、食品・お酒の仕入先や提供するメニューを決めましょう。バーはお酒の質が重要なので、特にお酒の仕入先はこだわって選んでください。
仕入先を選ぶときは、品質はもちろん価格も重要なポイントです。「一定数以上の仕入れで割引」などのサービスを提供している酒販店が店舗付近にないかチェックしてみましょう。
料理にオリジナリティがあるとライバル店との差別化を図れるので、こだわりのフードメニューを用意するのもおすすめです。
レジを導入する
バーを営業するには、レジの導入が必須です。レジ会計をスムーズにしたりキャッシュレス決済を利用したりしたい場合は、POSレジを選びましょう。コストを抑えて手軽に導入できる、タブレット型のPOSレジがおすすめです。
タブレットPOSレジは、以下の流れで導入できます。
1.導入したいPOSレジアプリを選ぶ
2.iPadなどのタブレット端末を用意する
3.POSレジアプリをタブレットにインストールする
4.必要な初期設定を行う
キャッシュドロアーやレシートプリンタなど、必要に応じて周辺機器も購入しましょう。また、キャッシュレス決済を導入したい場合は別途手続きが必要です。
スタッフを募集する
オーナーや家族、友人だけで店舗を切り盛りする場合は必要ありませんが、数人のスタッフを雇いたいと考えている人も多いでしょう。また、小規模店舗で「自分ひとりで対応できそう」だと思っても、店舗に自分しかいないとトイレ休憩や買い出しにも満足に行けない可能性があります。
スタッフを募集するには、求人サイトを活用するのが一般的です。オープンに間に合うように、開業準備と並行してスタッフ募集を進めましょう。想定する売上や利益から採算が取れる時給・勤務時間をしっかり計算して、募集要項を決めることが大切です。
バーの開業で失敗しないためのコツ
バーの開業で失敗しないためのコツとして、以下のようなものが挙げられます。
- 事前にお店のコンセプトをしっかり決めておく
- 初めてのお客さんが入りやすい雰囲気をつくる
- お客さんとのコミュニケーションを大切にしてリピーターを増やす
- 売上分析や顧客管理をしっかり行う
立地や内装の雰囲気、ターゲット層を決めるには、事前にお店のコンセプトを決めておくことが大切です。「バーは入りにくい」と感じている人もいるので、初めてでも入りやすい雰囲気をつくりましょう。
「また来たい」と思ってもらえるお店にするために、ひとりひとりのお客さんとしっかりコミュニケーションを取るように心がけてください。また、長く店舗を経営していくためには、売上傾向や顧客層などの分析も重要です。
未経験者はしっかり情報収集してからバーを開業しよう!
バーを開業する場合、特に飲食店経営が未経験の人はしっかり情報収集したうえで準備を進めることが大切です。必要な事前の手続きを把握し、実際にバーを経営している人の話も聞くなど、しっかりとした事前準備が成功へのカギとなります。
レジ締めや売上管理の手間を軽減するには、POSレジの導入がおすすめです。タブレットにアプリをインストールするだけで利用できる「スマレジ」なら手軽に利用でき、大型のレジが必要ないのでバーの内装の雰囲気も壊しません。ぜひお気軽にお問い合わせください。