タイムカードを運用している事業者の中には、正確かつ効率的にタイムカードの計算や集計する方法を探している方も多いのではないでしょうか。本記事では、無料と有料別にタイムカードを計算・集計する方法について紹介します。この記事をチェックして、タイムカードの計算の効率化を図りましょう。
この記事の目次
勤怠管理を行うことが重要な理由
なぜタイムカードなどを用いて勤怠管理をしなければならないのか、その理由を解説します。勤怠管理とは従業員の勤務状況や休憩時間、有給取得率、遅刻の有無など、従業員の管理を行うことです。勤怠管理を行うことで従業員の勤務状態を把握することができ、従業員の過重労働の抑制や健康維持につなげることができます。
また、給与計算が正確に行えるようになるだけでなく、従業員の労働へのモチベーションの低下を予防にもつながるでしょう。従業員が健康に働ける環境を整備することが企業の生産性の向上に役立つので、勤怠管理は健全な運営をする上で重要といえます。
なお、労働安全衛生法で企業は従業員の労働時間の把握は義務化されているので、法律で定められたルールを守るためにも勤怠管理を徹底しておきましょう。
タイムカードを計算・集計する方法
この段落では、タイムカードを計算・集計する方法を紹介します。タイムカードを計算・集計する方法には、無料の方法と有料の方法があるので、予算などを踏まえてニーズに合う方法を採用しましょう。
無料の方法
無料の方法は主に以下の3つがあります。
- 電卓
- エクセル
- 無料集計サイト
電卓を使用することがタイムカードの計算・集計方法としてスタンダードです。退勤時刻から出勤時刻を引くことで簡単に労働時間を計算できます。
また、エクセルの勤怠管理用テンプレートを用いることで、簡単に労働時間を導き出すことが可能です。労働時間計算用の関数が設定されているため、出勤時刻や退勤時刻、休憩時間を入力するだけの簡単操作で労働時間を割り出せます。
他には、無料集計サイトを使って労働時間を計算する方法もおすすめです。無料集計サイトにアクセスして必要事項を入力するだけで、労働時間が割り出せるようになっています。パソコンが苦手な方でも使いこなせる仕様になっているので、パソコンを持っているのであれば、エクセルや無料集計サイトを利用してみてください。
有料の方法
有料でタイムカードの計算・集計をする方法もあります。主な有料の方法は以下の2つです。
- タイムレコーダー
- 勤怠管理システム
従業員の勤務状況を記録するタイムレコーダーの中には、集計機能付きのものがあります。月の実労働時間や残業時間、時間外勤務時間、深夜勤務時間などが自動で記録されるため、従業員にタイムカードを使ってもらうだけで、簡単に労働時間を集計することが可能です。
また、従業員の出勤時刻や退勤時刻を管理するシステム(勤怠管理システム)には、タイムカードを集計するだけでなく、休暇管理機能や給与計算機能など便利な機能も搭載されているので、勤怠管理の効率化を図ることができます。
リアルタイムで従業員の勤務状況を把握できるなどのメリットがあるため、予算に余裕がある事業者は勤怠管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
勤怠管理を行う際の注意点
最後に、勤怠管理を行う際の注意点について紹介します。特に気をつけるべきポイントは5つです。これらのポイントを踏まえた上で、適切な勤怠管理に取り組みましょう。
労働時間の15分単位の切り捨ては違法
労働時間の15分単位での切り捨ては違法であることを頭に入れておきましょう。時給制にしている事業者の中には、キリよく15分や30分単位で労働時間を区切っている方も多いのではないでしょうか。
その方が給与が簡単に計算できますし支払う給与もキリがよくなるので、そうしたい気持ちは理解できますが、労働基準法第24条によると、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」とあるため、1分でも多く働いたらその分もしっかり賃金を支払う義務があるのです。
つまり、10分超過勤務を行った場合は、10分を切り捨てるのではなく、10分働いた分の給与も計算する必要があります。労働基準法に違反すると最も軽い罰則でも30万円以下の罰金が科せられるので、労働時間は1分単位で計算しましょう。
1か月単位で四捨五入することは認められている
労働時間の切り捨ては違法ですが、状況によっては四捨五入することが認められるケースがあります。1分単位で計算することは義務付けられていますが、給与計算の業務負担が大きくなることから、1か月の残業時間の合計が30分未満の場合は切り捨てが認められているのです。
また、1か月の残業時間の合計が30分~59分の場合は切り上げしても問題ありません。当然ながら、日々の業務時間を1分単位で集計する必要はあります。あくまで四捨五入できるのは給与計算の場面なので、日常的に四捨五入するのは控えましょう。
なお、1か月単位で四捨五入することは、月給制や年俸制の給与体系に認められている方法です。時給制や日給制の職場では四捨五入をすることはできないので注意しましょう。
勤怠管理は雇用形態によって取り扱い方法が異なる
勤務管理は雇用形態によって取り扱い方法が異なり、正社員・契約社員とアルバイト・パートでは管理方法を分ける必要があります。正社員や契約社員は労働基準法で労働時間が定められているので、勤務時間や出勤日数などを正確に管理しなければなりません。
また、働き方改革やコロナ禍の営業により、時短勤務やフレックスタイム制、リモートワークを採用する企業も増えていることから、雇用形態だけでなく働き方も区別して勤務状況を管理する必要があるでしょう。
一方、アルバイトやパートはシフト制なので、人によって勤務時間や出勤日数が異なり、フレキシブルに管理する必要があります。アルバイトやパートの管理をしている事業者は、シフト管理と並行して勤怠管理を行う必要があるため、シフト管理機能が搭載された勤怠管理システムの導入を検討してみましょう。
扶養控除を希望する従業員には要注意
アルバイトやパートの従業員の中に扶養控除の希望者がいる場合は、労働時間に注意しなければなりません。配偶者の扶養に入っている従業員は、年収や週の労働時間に制限があります。
所得税が発生する103万円の壁や、配偶者の社会保険の扶養から外れ、自ら社会保険への加入が必要になる130万円の壁など、扶養控除の種類によって年収に制限がかけられるのです。
そのため、扶養控除を希望する従業員がいた場合、まずどの扶養控除を希望しているのか確認し、扶養控除の条件を守れるように労働時間を調節してあげましょう。
タイムカードを適切に管理する
タイムカードを適切に管理することを心掛けましょう。タイムカードで従業員の勤務状況を管理する場合、気をつけなければならないことは従業員による不正です。労働時間の管理がずさんな場合、従業員が不正を行っても気づかないことがあります。
たとえば、遅刻したとしても仲のよい従業員に代理で打刻させることは可能です。従業員の不正が発生すれば、それだけ過剰に給与を支払うことになるため損をすることになります。従業員の不正を予防するためにも、タイムカードの管理を小まめに行いましょう。
また、タイムカードの管理を徹底することで、第三者から開示を求められたときにスムーズに対応することが可能です。そもそもタイムカード(従業員の勤怠情報)は5年間保管する義務があり、従業員や労働基準監督署から従業員の勤怠情報に関する問い合わせが来ることもあります。
従業員と給与に関してトラブルが発生したときなどで必要になるケースがあるので、日ごろからタイムカードを整理して保管しておきましょう。
タイムカードの計算や集計は労働基準法に基づいて適切に行おう!
タイムカードの計算や集計は労働基準法に基づき、適切に行うことが重要です。タイムカードの計算や集計にはさまざまな方法がありますが、作業の効率化を図るのであれば勤怠管理システムの採用を検討してみましょう。
勤怠管理システムのスマレジ・タイムカードは、勤怠管理機能に加えて休暇管理や給与計算、シフト管理など事業者にとって便利な機能が豊富に揃っています。資料請求や無料オンライン相談を実施しているので、タイムカードの計算や集計で苦労している事業者はお気軽にご相談ください。